初心者にもすぐわかる、精油の化学の基礎!|成分から化学的に分類

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精油と化学

精油成分は、植物が葉緑体、光、水、二酸化炭素から糖分を作り、植物の内部で変換されてできた成分です。その成分は個々の精油ごとに化学的に分類することができます。精油成分を構成する要素の中心は、C(炭素)・O(酸素)・H(水素)の3つです。これらの組み合わせを見ることで、成分の特徴がわかり、精油の個性をより深く理解することができます。ここでは化学的な分析を基にした精油の分類と、その大まかな作用や特徴についてまとめています。

目次

  1. 成分表まとめ
  2. 炭化水素類
  3. アルコール類
  4. アルデヒド類
  5. ケトン類
  6. フェノール類
  7. フェノールエーテル類
  8. エステル類
  9. 酸化物・オキサイド類
  10. ラクトン類
  11. カルボン酸・有機酸類

 






 

有機化学分類と精油成分まとめ

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炭化水素類

1. モノテルペン炭化水素類

CとHのみで構成された炭化水素です。柑橘系に多くみられます。揮発性が高く、トップノートの傾向があります。テルペン類は強い皮膚刺激性と抗ウイルス作用があります。

作用

殺菌作用、殺微生物作用、抗炎症作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用、うっ滞除去作用、鎮静作用、コーチゾン作用(ステロイド作用)、性欲を抑える

精油 ※モノテルペン炭化水素類の割合が一番多いもの

アンジェリカエレミオレンジキャロットシードクミングレープフルーツサイプレスジュニパーセロリジュニパーティーツリーナツメグパインバルサムビターオレンジファーブラックペッパーフランキンセンスベルガモットマジョラムマンダリンヤロウレモンローズマリー

 

2. セスキテルペン炭化水素類

CとHのみで構成された炭化水素です。モノテルペンより分子量が多く、粘性があります。香りは厚く強く、長く続き、ミドル~ベースノートの傾向があります。根、木、キク科の植物から、2000以上のセスキテルペン類が分離されています。

作用

鎮痛作用、鎮静作用、健胃作用、殺菌作用、消炎作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗ヒスタミン作用、抗ウイルス作用、潜在性抗ガン作用、静菌作用、免疫刺激作用

精油 ※セキステルペン炭化水素類の割合が一番多いもの

イモーテルイランイランシダーウッドジンジャースパイクナードタジェットシダーウッド・ヒマラヤミルラ

 

アルコール類

精油の中で最も有効的な分子のいくつかはアルコール類に属します。私たちの膵臓は、新陳代謝のために32種類のアルコールを生産するように、アルコール類は体に大切な要素です。主に殺菌作用、抗ウイルス作用、利尿作用、元気を与える効果があります。

3. モノテルペンアルコール

毒性、刺激がなく、安全に使用できます。

作用

抗ウイルス作用、利尿作用、抗真菌作用、殺菌作用、抗菌作用、鎮痛作用、皮膚弾力回復作用、収斂作用、強壮作用、免疫向上作用

精油 ※モノテルペンアルコールの割合が一番多いもの

コリアンダーシトロネラスパイクラベンダーゼラニウムネロリバジルパルマローザプチグレンペパーミントラバンジンローズローズウッド

 

4. セスキテルペンアルコール

モノテルペンアルコールより分子量が多く、粘性があります。毒性がなく使いやすいですが、エストロゲン作用があるため、妊娠中は避けたほうがいいです。

作用

抗ウイルス作用、利尿作用、殺菌作用、抗菌作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、強壮作用、免疫力向上作用、鎮静作用、エストロゲン様作用

精油 ※セキステルペンアルコールの割合が一番多いもの

サンダルウッドパチュリ

 

5. ジテルペンアルコール

Cを20個持ち、分子量が多いものです。分子量が多いほど、水蒸気蒸留法で取り出しにくくなっていきます。毒性はなく安全ですが、この中にもエストロゲン様作用が含まれているので、妊娠中は避けましょう。

作用

抗ウイルス作用、利尿作用、ホルモン調整作用、止血作用、エストロゲン様作用、消毒作用、殺菌作用

精油

クラリセージジャスミン (共にメインの成分ではなく、少量含まれているのみ)

 

アルデヒド類

アルデヒドとは、酸化したアルコールです。抗炎症作用、沈着作用、鎮静作用、抗ウイルス作用などをもたらします。

6. テルペンアルデヒド

揮発性が高く、酸化しやすい性質があります。強い芳香と殺菌力が特徴です。刺激が強くアレルギーを誘発する場合があります。

作用

抗ヒスタミン作用、結成溶解作用、抗真菌作用、抗菌作用、抗炎症作用、抗ウイルス作用、昆虫忌避作用、鎮痛作用、血圧降下作用

精油 ※テルペンアルデヒドの割合が一番多いもの

メリッサレモングラスレモンバーベナレモンユーカリ

 

7. 脂肪族アルデヒド

特に柑橘系(特にレモン系)の香りの特徴を左右します。

作用

鎮静作用、殺菌作用、抗ウイルス作用、消化促進作用、血圧降下作用、抗炎症作用、結石溶解作用

精油

オレンジビターオレンジマンダリン (どれもメインではなく少量含まれているのみ)

 

8. 芳香族アルデヒド

刺激が強くアレルギーを誘発する場合があります。一部のスパイスの香味成分にもなっています。

作用

強壮作用、免疫刺激作用、鎮静作用、麻酔作用、胆汁分泌促進作用、駆風作用、抗炎症作用、駆虫作用

精油 ※芳香族アルデヒドの割合が一番多いもの

シナモン・カッシャ

 

ケトン類

9. ケトン類

ケトン類は傷を癒したり、粘液分泌を抑える働きをします。新しい細胞を促進する働きもあり、肌の手入れに効果的です。ケトン類を成分に持つ精油は、注意が必要な場合があります。強い粘性があり、内服すると体内に蓄積されやすく、神経毒のような作用をもたらす場合があります。まれにカンファー、セージ、ヒソップ、ペニーロイヤルは、高濃度の使用や内服、長期使用での事故があるようです。妊娠中や幼児への使用は避け、低濃度で使用しましょう。

作用

粘液溶解、脂肪分解、去痰作用、瘢痕形成作用、筋肉弛緩作用、賦活作用、昆虫忌避作用、胆汁分泌促進作用

精油 ※ケトン類の割合が一番多いもの

カンファーキャラウェイスペアミントセージターメリックタンジーディルヒソップユーカリ・ディベス

 

フェノール類

10. フェノール類

いい効果も、リスクも、両方強く現れる成分です。肝臓に対して毒性があることと、皮膚刺激があるので、低濃度で短期的な使用をしてください。消毒作用や抗菌作用はどの成分より強いです。薬剤として、荒れを抑えるリップクリームや鎮咳に使われます。

作用

消毒作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、免疫力向上作用、強壮作用、駆虫作用、エストロゲン様作用、消化促進作用、駆風作用、殺虫作用、昆虫忌避作用、鎮痛作用、抗アレルギー作用、消化促進作用

精油 ※フェノール類の割合が一番多いもの

オレガノクローブシナモンセイボリータイム

 

フェノールエーテル類

11. フェノールエーテル類

フェノール類と同様に、肝臓に対して毒性があることと、皮膚刺激があるので、低濃度で短期的な使用をしてください。神経組織ととてもよく調和し、硬直をほぐしたり、神経のバランスをとる作用があります。

作用

防腐作用、刺激作用、去痰作用、消毒作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、鎮痙作用、利尿作用

精油 ※フェノールエーテル類の割合が一番多いもの

アニスタラゴンバジル(メチルチャビコール)、パセリフェンネル

 

エステル類

12. エステル類

エステル類は、アルコールと酸が反応して作られます。化学的に最も中性な性質をもちます。そのため、バランスや調和をもたらします。ミドルノートのフローラルでフルーティー香りが特徴です。バランスをとり、緊張をほぐしてくれます。作用が穏やかで、安全性の高い化合物です。

作用

殺菌作用、抗真菌作用、鎮静作用、抗炎症作用、鎮痙作用、強壮作用、興奮作用

精油 ※エステル類の割合が一番多いもの

イニュラウィンターグリーンカモミールローマンクラリセージジャスミンバレリアンブラックスプルースマンダリンラベンダー

 

酸化物・オキサイド類

13. 酸化物・オキサイド類

揮発性が高く、分解されやすい性質をもちます。香りは強く、刺激も強いため、濃度に気を付けたほうがいいでしょう。

作用

去痰作用、抗炎症作用、免疫調整作用、疫粘液溶解作用、抗カタル作用

精油 ※酸化物、オキサイド類の割合が一番多いもの

カモミールジャーマンカユプテカルダモンゲットウタイム・マストキナニアウリユーカリグロスプユーカリ・スミティラベンサラローレル

 

ラクトン類

14. ラクトン類

どの成分よりも抗炎症作用が強いです。揮発性が高く、高刺激です。柑橘系に含まれるフクロマリン類の成分は、光毒性をもたらすものがあります。妊娠中や幼児は避けましょう。

作用

粘液分泌調整作用、去痰作用、脂肪分解作用、抗痙攣作用

精油 ※ラクトン類の割合が一番多いもの

ロベージ

 

カルボン酸・有機酸類

15. カルボン酸・有機酸類

酸は水に溶けると水素イオンを発生し、作用性のとても高いものです。水溶性のため、精油に含まれる量は微量となります。

作用

抗炎症作用、冷却作用

精油 ※カルボン酸、有機酸類の割合が一番多いもの

バーチベンゾインマートル

 

 

 

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