Nakshatra

ナクシャトラの特別な位置とコンビネーション|インド占星術・ジョーティッシュ・Jyotish

ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27分割したものです。インド占星術を深める上でとても大切な考え方です。ここではナクシャトラのおける特別な意味を持つ配置やコンビネーションを見ていきます。ナクシャトラの基本の説明は下記へ。

ナクシャトラとは

目次

  1. ヨガとは
  2. 性質を高めるヨガ
  3. 緊張をもたらすヨガ
  4. ガンダンタ



Yoga ヨガとは

ヨガという言葉は、サンスクリット語で結合というような意味があります。私たちが体を動かして行う「ヨガ」よいうような使われ方もありますが、ここでいうヨガはまた違う意味になります。ここでのヨガは、コンビネーションというような意味で、特別なコンビネーションや特別な条件のもとに星や星座があるときに、特別な意味を成す場合に使われます。

性質を高めるヨガ

Vargottama|ワルゴッタマ

Vargaは分割、Uttamaは最高を意味します。そのため、ワルゴッタマは最高の分割とも訳せます。ワルゴッタマヨガはラグナチャートと分割チャートを見る際など、他の場面でも使われる名前です。永遠の魂と、分離された個々の魂が求めるものが同じで、分離を体験しつつも一体を感じられるような、強い惑星の配置を意味します。つまり心、身体、スピリットが完全に調和していることを示しています。ここでは、とてもポジティブに働くナクシャトラの位置となります。この位置に惑星が在住しているときは、いい影響があります。

星座   度数 ナクシャトラ
活動宮 おひつじ座 0°00’~3°20′ 1. アシュヴィニー 1パダ
かに座 7. プナルヴァスー 4パダ
てんびん座 14. チトラー 3パダ
やぎ座 21. ウッタラアシャダ 2パダ
不動宮 おうし座 13°20’~16°40′ 4. ロヒニー 2パダ
しし座 11. プールヴァパルグニ 1パダ
さそり座 17. アヌラダ 4パダ
みずがめ座 24. シャタビシャ 3パダ
柔軟宮 ふたご座 26°40’~30°00′ 7. プナルヴァスー 3パダ
おとめ座 14. チトラー 2パダ
いて座 21. ウッタラアシャダ 1パダ
うお座 27. レヴァティ 4パダ



Pushkara degree|プシュカラ度数

Pusuは栄養を与える、Karaは原因となるもの、行う人、という意味です。この度数に惑星が位置しているとき、その惑星の質を高めてくれます。

星座 度数
おひつじ座 21°
しし座 19°
いて座 23°
おうし座 14°
おとめ座
やぎ座 14°
ふたご座 18°
てんびん座 24°
みずがめ座 19°
かに座
さそり座 11°
うお座

Pushkara pada (navamsha)|プシュカラパダ

プシュカラパダは、そのパダに星座があるときに栄養を与え、惑星の質を高めてくれます。padaはnavamshaと言い換えられるときもあります。この場所に位置している惑星は、そのナクシャトラの支配星の影響を強く受け、そこからのポジティブな影響を受けながら、自らがよりよい質へと成長していくようなイメージです。惑星自体が在住している星座に影響を受けて高揚する場合と影響の仕方が少し異なります。

星座 度数 ナクシャトラ 支配星 Pushkara navamsha

おひつじ座、しし座、いて座

20°00’~23°20′ 2. バーラニー11. プールヴァパルグニ20. プールヴァアシャダ / 3rd Pada 金星 てんびん座
26°40’~30°00′ 3. クリッティカー11. プールヴァパルグニ21. ウッタラアシャダ / 1st Pada 太陽 いて座

おうし座、おとめ座、やぎ座

06°40’~10°00′ 3. クリッティカー11. プールヴァパルグニ21. ウッタラアシャダ / 4th Pada 太陽 うお座
13°20’~16°40′ 4. ロヒニー13. ハスタ22. シュラヴァナ / 2nd Pada おうし座

ふたご座、てんびん座、みずがめ座

16°40’~20°00′ 6. アールドラー15. スワティ24. シャタビシャ / 4th pada ラフー うお座
23°20’~26°40′ 7. プナルヴァスー16. ウィシャカ25. プールヴァバッドゥラ / 2nd pada  木星 おうし座

かに座、さそり座、うお座

00°00’~03°20′ 7. プナルヴァスー16. ウィシャカ25. プールヴァバッドゥラ / 4th pada 木星 かに座
06°40’~10°00′ 8. プシャ17. アヌラダ26. ウッタラバッドゥラ / 2nd pada 土星 ふたご座



緊張をもたらすヨガ

Ashtamamsha|アシュタマムシャ

Ashtamは8、amshaは分割を意味します。特別な8個のパダのことを示しています。このパダに惑星が在住している場合、その星座とパダに対応する星座の関係で、緊張感が出ます。活動宮の場合は8つ目の星座、柔軟宮の場合は4つ目の星座となります。不動宮に関しては対応するものはありません。パダの詳細は下記へ。

ナクシャトラとパダ

度数 星座 Ashtamamsha Nakushatra & pada
23°20’~26°40′ おひつじ座 さそり座 2. バーラニー 4パダ
10°00’~13°20′ ふたご座 やぎ座 6. アールドラー 2パダ
23°20’~26°40′ かに座 みずがめ座 9. アスレシャ 3パダ
10°00’~13°20′ おとめ座 おひつじ座 13. ハスタ 1パダ
23°20’~26°40′ てんびん座 おうし座 16. ウィシャカ 2パダ
10°00’~13°20′ いて座 かに座 19. ムーラ 4パダ
23°20’~26°40′ やぎ座 しし座 23. ダニシュタ 1パダ
10°00’~13°20′ うお座 てんびん座 26. ウッタラバッドゥラ 3パダ

Gandanta|ガンダンタ

Gandanta(ガンダンタ)とは、サンスクリット語で「結び目の終わり」という意味です。Gandは結び目、antaは終わりを意味します。ナクシャトラと星座の境目が重なっているポイントの前後48’を差します。この境目の48’は、魂が成長するポイントです。硬く結ばれている結び目ほど、解くのに時間がかかります。また、結び目を無理やり解こうとすればするほど、かえって結び目が硬くなってしまうことがあります。このガンダンタの期間や、ガンダンタの期間に生まれた場合には、今世の心の成長ポイントが隠されています。

ガンダンタの期間

度数 星座 ナクシャトラ
29°12′ – 30°00′ うお座 27. レヴァティ
0°00′ – 0°48′ おひつじ座 1. アシュヴィニー
29°12′ – 30°00′ かに座 9. アスレシャ
0°00′ – 0°48′ しし座 10. マガー
29°12′ – 30°00′ さそり座 18. ジェシュタ
0°00′ – 0°48′ いて座 19. ムーラ

ガンダンタの影響

個人のホロスコープの中で、このガンダンタに当てはまる惑星があると、そのテーマにおいて、今世の魂が成長するポイントがそれであることが分かります。ガンダンタは、成功や失敗、ラッキーやアンラッキーではなく、自分の内側にある真実を隠し、自分(=真実)を理解することが難しくなる、内側での感覚です。成長するために、そのテーマに関して一旦ヴェールをかぶせ、集中して学べるようにしているイメージです。そしてガンダンタのもう一つの特徴は、全て星座が水のエレメントから火のエレメントに変わるときに起きています。火と水は反対の性質を持っています。火は水を温め、水は火を消します。火と水が衝突することで台風のような激しいエネルギーを発生することもできます。このように反対の性質を持っているエレメントに移動するタイミングは、大きなエネルギーが生まれやすいのです。火と水からは台風だけでなく、ミストやスチームも創り出すことができます。台風になるか、ミストになるかは、そのほかの惑星の影響や、自分自身によっても変わります。

月のガンダンタ

惑星の中でも特に月がガンダンタの場合は、特に影響が大きくなります。それは月がダイレクトに心に繋がっているからです。更にガンダンタの中でも、おひつじ座、しし座、いて座の0°が一番激しくなります。このガンダンタは、生まれてからすぐの幼いころに影響が出てきます。でも一旦その学びのテーマを終えると、魂が成長し、素晴らしい人生になると言われています。

月がガンダンタのうお座、かに座、さそり座(星座の終わりに位置している時)の場合、水星からケトゥーにダシャーが変わるときに急速な変化があります。また、月がガンダンタのおひつじ座、しし座、いて座(星座の始まりに位置している時)の場合、ケトゥーダシャーの始まりに人生の新しいスタートとなります。




次はこれを要チェック

ナクシャトラの移り変わりが分かる

ナクシャトラのカレンダー

ナクシャトラの基本

ナクシャトラとは ナクシャトラ一覧 アーユルヴェーダの基本 インド・ヨーガ哲学