Nakshatra

19, ムーラ(Mula)の意味|ナクシャトラの解説|インド占星術・ジョーティッシュ・ヴェーダ

ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27に分けたものです。ナクシャトラ自体の説明は下記のナクシャトラのページをご覧ください。ここではナクシャトラの19個目、ムーラの説明をしていきます。

ナクシャトラとは ナクシャトラ一覧

目次

  1. ムーラの意味
  2. ムーラのパーソナリティー
  3. ムーラのデータ
  4. ムーラの特徴詳細



ムーラの意味

本当の自分を知る旅の土台を築く場所

ムーラのナクシャトラから、モークシャという自分自身の知識を知るための魂の道の最後のパートが始まります。Mulaは根を意味し、ムーラダーラチャクラと関係しています。ムーラは、私たちがすべての問題の源であると同時に、すべての恩恵の源でもあることを示しています。ムーラの人は肉体的、客観的、物質的に見える世界に根差していますが、願望はサトルレベルでスピリチュアルです。木が強く育つには、まず強い根が育たなければいけないことを認識すれば、人生に対する不満が軽減されるかもしれません。魂はスピリチュアルな探求をするにあたって、特にムーラの場所では物質的な責任を放棄することはしません。ムーラの人は、より高次の望みに向かって動いていく前に、強力な土台を作り、実践的でなければなりません。ムーラの人は人生の中で、自分の根をごっそり切り取って、新しい根を張ろうとするような激しい経験をするかもしれません。自滅的なムーラの一部の特徴が現れるとそのようになります。



ムーラのパーソナリティー

月のナクシャトラがムーラの人のパーソナリティーを説明していきます。インド占星術では全ての惑星がどのナクシャトラに位置するかを見ますが、その中でも特に月のナクシャトラは重要視されていて、パーソナリティーにも影響を与えます。自分の月のナクシャトラをチェックしたい場合はこちら

ナクシャトラファインダー

ムーラの人は平和主義者です。正義を強く信じています。人間関係も良好です。強くしっかりした考えを持っています。ソーシャルワークに興味をもち、情熱的に参加するかもしれません。ムーラの人の人生の傾向は、いくつかのハードルを破りながら、本来の自分自身に到達します。そのため、ムーラの人にはどんな挑戦的な状況にも対処できる強さが備わっています。何かを決めたら、それをするだけです。ムーラの人は未来について不安になることも、人生の苦労について心配することもありません。物質的な豊かさを得ることができますが、ムーラの人はあまり興味が無いかもしれません。そのためか、収入より多くのお金を使うこともしばしばあります。困っている人々を助けるために多くのイベントに参加し、それはムーラの人に多くの尊敬を集めます。そして正直な性格から、多くの友人に恵まれます。


更に専門的にムーラの特徴を知りたい人は下へ進んでください。

ムーラのデータ

※インド占星術の星座はサイデリアル方式のため、一般的な西洋占星術の星座とは位置にズレがありますのでご注意ください。

名前 Mula, Moola
読み方 ムーラ
天文学の星 さそり座ε星=ララワグ、ζ(ゼータ)星、η(イータ)星、θ星=サルガス、ι(イオタ)星、κ(カッパ)星=ギルタブ、λ(ラムダ)星=シャウラ、μ(ミュー)星、ν(ニュー)星=ジャバハー
星座の対応 いて座 0°00′ – 13°20′ 
支配星 ケトゥー
神様 Nirrti
シンボル ゾウの突き棒
人生の目的 カーマ
動物
ジェンダー
ドーシャ ヴァータ
エレメント
グナ サットヴァーラジャスーラジャス
カースト ブッチャー
ガナ Rakshasa(悪魔)
方角
Yay, Yo, Baa, Bee
マスタード
身体 左半身
鉱物 キャッツアイ
ラッキーナンバー 7

パダ|Padas

Pada 1 おひつじ座
Pada 2 おうし座
Pada 3 ふたご座
Pada 4 かに座

ムーラの特徴詳細

支配星:ケトゥー

ムーラはケトゥーに支配されるナクシャトラの中の3番目で、一番最後になります。ケトゥーは自分自身の真の知識を思い出す、モークシャの象徴です。ケトゥーは究極の目的地に向けて魂を喚起する、モークシャの役割をここで果たしていきます。魂は地球に楽しむために生まれてきますが、それに執着はしません。最終的な目的であるモークシャは、生と死の繰り返しからの解放です。自由、解放、責任という重荷からの脱却を求め、普段の生活でやるべきことについて気にかけません。ケトゥーは個人の根っこを否定することができますが、根なしに木はどのように成長できるでしょうか。ムーラはいて座に対応していて、いて座の支配星は木星です。木星はスピリチュアルな叡智をもたらし、ケトゥーは過去を示します。もし私たちが過去という根っこと調和したら、真の知識が繁栄します。つまり、もし私たちが今日を受け入れたら、明日に満足することができます。人によっては、ムーラがもたらすものは決して簡単でないと感じることもありますが、木星が叡智と正しい道を導いてくれます。



神様:Nirrti

ニルリティという死と破壊の女神がムーラを支配しています。この神は、物質的なレイヤーの破壊と、スピリチュアルな世界を創る基礎を擬人化したものです。ムーラの影響で経験した学びは、人格を変えます。破壊的な性質のニルリティは、ムーラの人にある側面では自滅的で、物事を台無しにする性質があることを示しています。そのため、根、伝統、安全の重要性を覚えておく必要があります。スピリチュアルな木が成長していくために、剪定をする必要がありますが、もし完全に気を切り倒してしまった場合、彼らのスピリチュアリティは一度消滅し、回復するのに時間がかかるかもしれません。ヴェーダの考えの中には、自分自身の真実にたどり着くために、カルマという根っこを燃やす必要があるという考え方もありますが、この極端な方法は準備ができている人でないと厳しい経験になりえます。多くの人にとっては、今の根を保ったまま、そこから成長をしていく方が穏やかです。ニルリティは女神カーリーとも繋がっています。カーリーという名前は、Kalaから来ていて、それは黒、時間、死、シヴァという意味があります。カーリーは暗闇と暴力を象徴していますが、母なる女神として崇拝されています。彼女は生命の中心に存在する愛です。そしてそれは生と死を繰り返す不滅の魂です。カーリーは私たちに永遠の命を与えますが、永遠の命を理解するには、永遠でないものへの執着を完全に無くさなければなりません。何もそれ自身の性質を変えることができないので、永遠のものだけが永遠になりえます。死を間逃れないもの、つまり一過性のものは変化し続けます。ある側面だけを見ると、カーリーは恐ろしく破壊的に見えますが、この究極の意味を理解すると、カーリーは愛そのものであることが分かります。ムーラは神への道に進むために、私たちの常に変化する世界の、常に変化する欲望に執着しないことを求めます。ムーラの経験は、準備ができていない人は恐ろしいと感じる場合もありますが、準備ができている人にとっては光のガイドになります。

ナクシャトラと神様・シンボル

シンボル:ゾウの突き棒

ムーラのシンボルは象の突き棒で、これは象が正しい道に歩くことをガイドします。人間で言うと突き棒は、私たちがスピリチュアルな道を歩き続けるために、ずれたり立ち止まったりした場合に現れるサインを表しています。ガネーシャは突き棒を持った姿で描かれます。これは彼が象をガイドする能力があることを示しています。象は大きく扱いにくい動物なので、正しい方向に歩かせるために少し突く必要があります。同じように、ムーラの魂は大きく、同じ方向で立ち往生しがちなので、突くことが正しい道へ行くのに役立ちます。

ナクシャトラと神様・シンボル

動物:犬

犬はシヴァの激しい面を象徴するバイラヴァの乗り物です。バイラヴァはカーリーと一緒に崇拝され、52のシャクティ寺院全てを守っています。野生の犬は恐ろしいですが、バイラヴァの乗り物としては、恐ろしい性質を制御できる力を示しています。野生の犬は激しく、攻撃的で危険な面を持ちますが、しつけされた犬は愛らしいペットになることができます。もしムーラが自分の激しい本能を引き継ぐ法を選べば、野性的で攻撃的になりえますが、もし魂の成長を選ぶのであれば、真面目で魅力的、愛らしく、忠誠心があり、愛情深くなります。

ナクシャトラと動物

人生の目的:カーマ

ここでのカーマは性欲、宗教、人生、大義のための情熱です。ムーラの特徴として、根っこは低い欲望に根差しているので、そのままだとムーラの情熱は衝動的な性欲、世俗的な欲望に変換される可能性があります。一度目の前のエゴに支配された欲望を超越することを学ぶと、彼らの情熱はとても神聖なものになります。純粋な形で神を崇拝することは、ムーラのエネルギーを高次にしてくれるのを助けます。ムーラの人が覚えておかないとならない重要なことは、自分自身が根っこであることです。自分が肉体的、客観的、物質的なこの世界に根を張っていないといけません。しかし彼らの願望はサトルレベルでスピリチュアルです。人生に対する不満は、木を上に成長させるためには強い根が必要であると気づいたときに軽減されます。

ナクシャトラと人生の目的

星座:いて座

ムーラ
いて座
1パダ 2パダ 3パダ 4パダ
おひつじ座 おうし座 ふたご座 かに座

ムーラはいて座に対応しています。いて座は、魂がモークシャに向かって動くことができるように、低い衝動を制御しようと頑張っている場所です。ムーラは真の自分の発見に向けて動いていて、世俗的な欲と、スピリチュアル的な自己との対立が現れます。ムーラの人は、完全に世俗的、または完全にスピリチュアル的になる可能性があり、一方向に落ち着くのに苦労することがあります。

ナクシャトラとパダ




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