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気候の変化と体調の関係|東洋医学と六淫・六気

気候の変化と体調の関係

気候の移り変わりは自然の摂理です。決して悪いものではありませんが、東洋医学では気候の変化が体の適応能力を超えてしまった時、病因になりえると考えます。このページでは気候の変化と体調がどのように関連しているかをみていきます。東洋医学の病気の考え方については下記をご覧ください。

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

目次

  1. [五気]と[六気]について
  2. 病気の原因[六淫]とは
  3. [六淫]の特性
  4. 各[六淫]の説明



[五気]・[六気]について

気候は、五行配当表にある[五気]が対応しています。[風熱湿燥寒]の5つです。[熱]を[火]と[暑]にして[六気]とも言われます。これは、気候の移り変わりの性質を単純に表したものです。不調の原因になるものではありません。これらの要素が、体の適応能力を超えた時に[転化](変化すること)し、病因である[六淫](りくいん)になります。

五行
五臓
五気 湿
六気 湿
六淫 風邪 火邪暑邪 湿邪 燥邪 寒邪
五季 土用(長夏)

病気の原因[六淫]とは

[六淫]とは[六気]が病気をもたらす原因に変化したものです。[六気]に対応するように、[風邪]・[火邪]・[暑邪]・[湿邪]・[燥邪]・[寒邪]と言います。どんな時に[六気]が[六淫]となり、[六淫]にはどんな特徴があるのでしょうか?

[六気]が[六淫]に変化する4つの特徴

1. 過剰

夏が暑すぎる、冬が寒すぎるなど、[六気]の変化が強すぎる時、病因の[六淫]となりえます。

2. 不足

夏なのに冷夏で暑くない、冬なのに暖冬で暖かいなど[六気]の変化が足りない時、病因の[六淫]となりえます。

3. 季節外れ

冬に春のように暖かい日があったり、春に大雪が降るなど、季節外れの天候が現れる時、[六気]が病因の[六淫]となりえます。

4. [正気]が足りない

気候の変化があったとしても、個人の[正気]が十分であれば病気になりません。[正気]が十分なとき、どんな気候でも[六淫]にはなりません。逆に[正気]が足りないときは、通常の[六気]が病因の[六淫]となりえます。

[六淫]の特性

外から侵入

東洋医学と病気の原因のぺージでも説明していますが、東洋医学では、病因には、外側からやってくるものと自分の内側が原因のものに分けて考えられています。[六淫]は、外からくる外感性の病因です。[肺]に対応する、体表・鼻・口から体内に入ります。[六淫]の中の[寒][湿]は体表から、[熱][燥]は口や鼻から入りやすいです。

季節と関連

ページ上の表をみると、季節と[六淫]の関係が分かります。春には[風邪]に侵されやすく、秋には[燥邪]に侵されやすいなど、季節に深く影響しています。一方で、異常気象のときは夏でも[寒邪]に侵されるなどといったこともあります。

地域と関連

[六淫]は地域とも深く関連しています。寒い地域では[寒邪]に侵されやすいですし、乾燥した地域では[燥邪]に侵されやすいです。

2つ以上の要素と一緒に

[六淫]は単独で襲ってくることもありますが、[寒邪]と[燥邪]とか、[風邪]と[熱邪]などと2つ以上がセットになって体に侵入してくることが多いです。

陰陽の性質

[六淫]にも陰陽の性質があります。陰邪は[寒][湿]で、下半身や体内など、体の陰の部分を襲ってきやすい傾向があります。反対に、 [風][火][暑][燥]は陽邪で、上半身や体表など、体の陽の部分を襲ってきやすい傾向があります。

陰邪 陽邪
寒・湿 風・火・暑・燥
下半身や体内を襲う 上半身や体表を襲う

陰陽五行説

各[六淫]の説明

[六気]もしくは[六淫]の6つの要素の詳しい説明は下記のリンクをご覧ください。




次はこれを要チェック

陰陽五行説 アーユルヴェーダの基本