各生薬・漢方薬の効能

瀉下剤の漢方薬|東洋医学の薬剤

瀉下剤一覧

瀉下剤(しゃげざい)とは、排便を促して、[裏証]の[実邪]を排除する漢方薬です。漢方薬にはいろいろな効能があるので、分類方法は場合によって違いがある場合があります。生薬の組み合わせも異なる場合が多々あります。また、副作用や組み合わせによる注意点がある場合がありますがここには記載しておりません。実際に使用する場合は、必ず専門の医師に相談してお使いください。

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

目次

  1. 応鐘散
  2. 桂枝加芍薬大黄湯
  3. 潤腸湯
  4. 小承気湯
  5. 大黄甘草湯
  6. 大承気湯
  7. 調胃承気湯
  8. 麻子仁丸



1.応鐘散(おうしょうさん)

芎黄散(きゅうおうさん)とも呼ばれます。[瘀血]を改善する大黄と川芎でできています。さらにパニック発作、動悸、めまい、上半身の筋の緊張などといった[気逆]を改善します。

八綱弁証 裏証・熱証・実証
気血水弁証 瘀血気逆
臓腑弁証

組成

大黄川芎

体質

体力中等度以上

適応症

便秘、便秘に伴うのぼせや肩こりといった症状に。

2.桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)

桂枝湯に芍薬と大黄を加えた処方です。芍薬は腸の動きを調整し、大黄は下剤の作用があります。[虚証]の慢性的な便秘、便秘に加えて腹痛がある場合、過敏性腸症候群による便秘などに向きます。

八綱弁証 裏証・寒証・実証・虚証
気血水弁証
臓腑弁証

組成

桂皮芍薬大棗生姜甘草大黄

体質

体力中等度以下

適応症

腹部膨満感や腹痛、便秘、しぶり腹(便意があるものの出ない、出ても少ない)といった症状に。

3.潤腸湯(じゅんちょうとう)

[血虚]の人のための便秘薬です。高齢者の慢性便秘にも向いています。[血虚]の場合、皮膚が乾燥し腸の分泌液も不足し、便が乾燥します。潤腸湯は[血]を補い、潤すことによって便通を良くしてくれます。

八綱弁証 裏証・実証・虚証・陰虚
気血水弁証 血虚
臓腑弁証

組成

当帰地黄大黄麻子仁桃仁杏仁枳実厚朴黄苓甘草

体質

体力中等度以下

適応症

皮膚乾燥がなどがある人の便秘に。

4.小承気湯(しょうじょうきとう)

[気滞]の人のための便秘薬です。腹部が張って膨満する便秘に。

八綱弁証 裏証・熱証・実証
気血水弁証 気滞
臓腑弁証

組成

大黄枳実厚朴

体質

体力がある人

適応症

腹部膨満感とたまに発熱がある人の便秘に。

5.大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)

大黄と甘草の二つの生薬からできているシンプルな処方です。主に下剤を飲むとお腹が痛くなってしまう人に向いています。大黄は下剤のはたらき、甘草が痛みを和らげる働きがあります。

八綱弁証 裏証・熱証・実証
気血水弁証
臓腑弁証

組成

大黄甘草

体質

適応症

頭重、のぼせ、湿疹、皮膚炎、吹き出物、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵、痔などを伴う便秘に。

6.大承気湯(だいじょうきとう)

[気滞]の人のための便秘薬です。小承気湯よりも強く、瀉下剤の中でも瀉下の降下が強い[攻下剤](こうげざい)の代表です。感染症の中期に、高熱が出て、意識障害が生じたときに[熱邪]を便から排出するためにも使われます。イライラの鎮静にも。

八綱弁証 裏証・熱証・実証
気血水弁証 気滞
臓腑弁証

組成

大黄芒硝枳実厚朴

体質

適応症

肥満体質の便秘、腹部が固くつかえる便秘、慢性便秘、高血圧、神経症、食あたりなどの症状に。

7.調胃承気湯(ちょういじょうきとう)

大黄甘草湯に芒硝を加えたものです。小承気湯大承気湯よりもお腹の張りやつかえが無く、軽度の便秘に使用します。

八綱弁証 裏証・熱証・実証
気血水弁証
臓腑弁証

組成

大黄芒硝甘草

体質

体力中等度

適応症

頭重、のぼせ、湿疹、皮膚炎、吹き出物、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵、痔などを伴う便秘に。

8.麻子仁丸(ましにんがん)

瀉下剤の中でも、腸管を潤しながら排便を促す[潤下剤](じゅんげざい)の代表です。便がコロコロしてスッキリ出ないときに使います。[気滞]の便秘に使われる小承気湯に、油分が多い麻子仁や杏仁が加えられているので、腸を潤してくれます。[血]を補う働きは無いので、[血虚]がある便秘の場合は潤腸湯を使います。高齢者の弛緩性便秘にもよく使われています。

八綱弁証 裏証・実証・虚証・陰虚
気血水弁証 気滞津虚
臓腑弁証

組成

麻子仁大黄枳実厚朴杏仁芍薬、(甘草

体質

体力中等度以下

適応症

便が固く塊状の人に向いています。そのような人の頭重、のぼせ、湿疹、皮膚炎、吹き出物、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵、痔などを伴う便秘に。




次はこれを要チェック

ハーブの効果効能一覧 東洋医学の基本 東洋医学の応用