各生薬の効能

当帰(とうき)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬

当帰(とうき)の効果効能

東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。

目次

  1. 当帰のデータ
  2. 当帰の特徴
  3. 当帰の使い方



当帰のデータ

名前 当帰(とうき)
英語 Japanese Angelica Root
ラテン名 Angelicae Acutilobae Radix
学名
  • Angelica acutiloba Kitagawa
  • Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino
使用部位 根を湯通ししたもの
成分 精油(リグスチリド、ブチリデンフタリド)、ポリアセチレン類(ファルカリンジオール、ファルカリノール、ファルカリノロン)、コリン、クマリンなど
四気 温性
五味 甘、辛
帰経(臓腑弁証
気血水弁証 血虚瘀血
効能分類 補血薬

その他の当帰の記事をチェック: #アンジェリカ

当帰の特徴

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

特徴

西洋のメディカルハーブではアンジェリカという当帰の近縁種が使われています。当帰は[補血]の生薬の代表で、様々な処方に配合されています。

東洋医学の効能

[血]を補って婦人科系の不調に

[血]の不足は様々な婦人科系の不調に関わっています。[血]を補うことにより、月経量の減少、月経停止、月経過多、月経不順、月経痛、子宮内膜症、腹痛などを治します。

安胎作用

身体を温め、婦人科系の働きを活性化し、不妊症を改善します。妊娠中には安胎作用があります。

精神の安定

[血]は精神活動にも深くかかわっています。当帰は[血]を補うので、[血虚]によるめまい、不安、動悸などを改善します。

[血]の流れを良くして痛みに

経絡の[血]の流れを良くして、頭痛、胸痛、筋痛などを改善します。

皮膚疾患に

[血]は皮膚とも深くかかわります。[血]が補われることによって、皮膚化膿症、打撲などにもいいです。皮膚の乾燥を潤します。

その他

[補血]により腸を潤し便秘を改善します。便が乾燥して便秘がちな場合に向いています。

適応症

月経量の減少、月経停止、月経過多、月経不順、月経痛、子宮内膜症、腹痛、不正子宮出血、貧血性の頭痛、めまい、麻痺、乾燥性の便秘、下痢、化膿性のできもの、打撲傷など

当帰の使い方

ブレンド例

[補血]をして貧血を治します。

当帰+艾葉

腹部の血行を促進して、腹痛と冷えを取り除きます。

当帰+桂皮

『漢方294処方生薬解説』より

処方例

配合されている漢方薬の一例です。

当帰芍薬散 和解剤
補中益気湯 補気剤
帰脾湯 気血双補剤
当帰飲子 祛風剤
紫雲膏 外用剤




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