不飽和脂肪酸とは?|一価・多価不飽和脂肪酸の種類やその利点

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不飽和脂肪酸とは?

不飽和脂肪酸とは、一つ以上の二重結合を持つ脂肪酸のことをいいます。一部の炭素(C)に結合している水素(H)の数が少なく、その部分の炭素(C)が二重結合になっています。そのため、炭素(C)に対してと水素(H)が飽和されている飽和脂肪酸に比べて、他の物質と結合しやすい性質があります。それは体内で色々な物質と共に働くことができるので、体にとってとても重要です。一方でその特徴は酸化しやすいという欠点もあります。ここでは不飽和脂肪酸の基本的な特徴や化学構造、具体例を紹介していきます。

目次

  1. 不飽和脂肪酸の化学構造
  2. 不飽和脂肪酸の特徴
  3. 不飽和脂肪酸は身体に不可欠な栄養素
  4. 不飽和脂肪酸の分類と19種類の具体例
  5. 不飽和脂肪酸を多く含む31種類の植物油脂

 






 

 

不飽和脂肪酸の化学構造

不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸と違って、二重結合が必ず1個以上あります。下の化学構造は炭素(C)が18個のオレイン酸の例になります。数字は炭素の数を表示しています。炭素(C)18個に、水素(H)が結合していますが、9番目と10番目の炭素(C)のところだけ水素(H)が無く、代わりに炭素同士が二重結合しています。下のオレイン酸を数値で表すと、C18H34O2C18:1などと表します。C18:1は、炭素(C)が18個と、二重結合が1個という意味です。そして、9番目の炭素(C)が二重結合になっていることから、オメガ9とも言われます。詳細はオメガ脂肪酸のページでお伝えします。

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不飽和脂肪酸の特徴

融点が低い

不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸に比べて融点が低い性質があります。そのため常温で液体の「油」に分類されるものが殆どです。詳しい分類方法は下記の脂質の分類のページをご覧ください。

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植物性の油脂に多い

不飽和脂肪酸は、植物性の油脂や魚に多く含まれます。融点が低いため、寒冷地の魚などにとって有用であることが想像つきます。

酸化しやすい

不飽和脂肪酸のなかにある二重結合は、容易に他の物質と結びつきやすい性質があります。そのため酸化の原因となる酸素などとも簡単に結合するため、二重結合が多い脂肪酸程酸化しやすい性質があります。その酸化の度合いをあらわす数値の一つにヨウ素価というものがあります。詳しくは「ヨウ素価」のページでお伝えします。

加熱に弱い

不飽和脂肪酸が多い油脂は、酸化しやすい、つまり加熱に弱い性質があります。加熱すると酸化を早め、脂肪酸が過酸化脂質へと変化するのを加速させます。過酸化脂質は体にとって有害なものなので、注意が必要です。詳しくは下記の油の酸化のページでお伝えします。そのような性質のため、特に多価不飽和脂肪酸が多く含まれる油脂は、加熱しない方がいいです。

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粘性が低い

不飽和脂肪酸が多い油脂は、粘性が低く、さらっとしている特徴があります。そのため、肌に使用すると軽くさっぱりした質感になるものが多いです。脂性の肌質の人でも使いやすいものが多いです。粘性が高いので、肌への浸透が早く、浸透率もいいと言われています。

 

不飽和脂肪酸は体に不可欠な栄養素

一価不飽和脂肪酸の効能

不飽和脂肪酸の中でも特に、一価不飽和脂肪酸の効果については、悪玉コレステロールを増やさず、善玉コレステロールを減少させず、かつ血中中性脂肪を増やさない性質があります。

特に必須脂肪酸は大切

多価不飽和脂肪酸の中でも、体にとって大切な栄養素ですが体内で合成されない脂肪酸を必須脂肪酸と言います。それはリノール酸とα-リノレン酸の2種類です。(広義ではその二つから生成される他の脂肪酸も含めることがあります。)必須脂肪酸の体への効果は多岐にわたるので、詳しくは必須脂肪酸のページをご覧ください。

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オメガ3系・6系多価不飽和脂肪酸も大切

多価不飽和脂肪酸は、二重結合がどの位置にあるかによって、オメガ3、オメガ6、オメガ9・・・というように分類されます。その中でも特にオメガ3系とオメガ6系の脂肪酸は特に、心臓や血管、免疫や神経系を始めとした様々な分野で体にいい作用を及ぼします。必須脂肪酸のリノール酸はオメガ6系の代表で、α-リノレン酸はオメガ3系の代表です。また、魚に多く含まれるDHAやEPAといった栄養価の高い脂肪酸はオメガ3系で生成されます。詳しくはオメガ脂肪酸のページをご覧ください。

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リノール酸の摂取しすぎに注意

リノール酸は体に必要な必須脂肪酸の一つですが、現代の食生活では摂りすぎの傾向があります。リノール酸は大切な栄養素ではありますが、摂りすぎによって炎症、アレルギー、喘息といった症状を誘発するとも言われているので、バランスが大切です。

 

不飽和脂肪酸の分類と具体例

不飽和脂肪酸は、二重結合の数によって更に分類されます。二重結合が1つのものを一価不飽和脂肪酸、若しくはモノ不飽和脂肪酸と言います。二重結合が2つ以上のものは、多価不飽和脂肪酸と言います。二重結合の数によって、多価不飽和脂肪酸はさらに、二重結合が2つ・3つ・4つ・・・となるごとにそれぞれ、ジ不飽和脂肪酸・トリ不飽和脂肪酸・テトラ不飽和脂肪酸・ペンタ不飽和脂肪酸・・・というように呼ばれることもあります。

一価不飽和脂肪酸(モノ不飽和脂肪酸)

脂肪酸 分子式 分子量 数値表現
ミリストレイン酸 C14H26O2 226 C14:1
パルミトレイン酸 C16H30O2 254 C16:1
オレイン酸 C18H34O2 282 C18:1
イコセン酸(ゴンド酸) C20H38O2 310 C20:1
エルカ酸 C22H42O2 338 C22:1
ネルボン酸 C24H46O2 366 C24:1

多価不飽和脂肪酸

ジ不飽和脂肪酸

脂肪酸 分子式 分子量 数値表現
リノール酸 C18H32O2 280 C18:2
ドコサジエン酸 C22H40O2 336 C22:2

トリ不飽和脂肪酸

脂肪酸 分子式 分子量 数値表現
α-リノレン酸 C18H30O2 278 C18:3(ω3)
γ-リノレン酸 C18H30O2 278 C18:3(ω6)
ジホモ–γ–リノレン酸 C20H34O2 306 C20:3

テトラ不飽和脂肪酸

脂肪酸 分子式 分子量 数値表現
ステアドリン酸 C18H28O2 276 C18:4
アラキドン酸 C20H32O2 304 C20:4(ω6)
エイコサテトラエン酸 C20H32O2 304 C20:4(ω3)
アドレン酸(ドコサテトラエン酸) C22H36O2 332 C22:4

ペンタ不飽和脂肪酸

脂肪酸 分子式 分子量 数値表現
エイコサペンタエン酸 C20H30O2 302 C20:5
ドコサペンタエン酸(オスボンド酸) C22H34O2 330 C22:5(ω6)
ドコサペンタエン酸(DPA) C22H34O2 330 C22:5(ω3)

ヘキサ不飽和脂肪酸

脂肪酸 分子式 分子量 数値表現
ドコサヘキサエン酸 C22H32O2 328 C22:6

 

不飽和脂肪酸が多い植物油脂

一価不飽和脂肪酸

70%以上が一価不飽和脂肪酸の植物油脂の例を挙げています。

植物油脂 一価不飽和脂肪酸の割合
ホホバオイル 約88%
椿油 約86%
マカダミアナッツオイル 約84%
ヘーゼルナッツオイル 約78%
メドウフォームオイル 約77%
マルラオイル 約76%
オリーブオイル 約73%
カシューナッツオイル 約73%
モリンガオイル 約72%
アボカドオイル 約71%
プルーンシードオイル 約71%
スイートアーモンドオイル 約70%

多価不飽和脂肪酸

70%以上が多価不飽和脂肪酸の植物油脂の例を挙げています。

植物油脂 多価不飽和脂肪酸の割合
ザクロオイル 約90%
カレンデュラシードオイル 約86%
桐油 約87%
インカインチオイル 約85%
ラズベリーシードオイル 約84%
月見草オイル 約82%
ローズヒップオイル 約80%
キウイシードオイル 約78%
ストロベリーシードオイル 約78%
グァバシードオイル 約77%
紅花油(高リノール酸型) 約77%
ヘンプシードオイル 約77%
ブラックカラントオイル 約76%
えごま油 約75%
パッションフルーツシードオイル 約74%
ククイナッツオイル 約71%
サボテンオイル 約70%
グレープシードオイル 約70%

 

 

 

次はこれを要チェック

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