各植物油脂・キャリアオイルの効能

ホホバオイルの13の効果効能と使い方|頭皮や髪、クレンジングなどの用途に!

ホホバオイル|ホホバ油の効果効能

目次

  1. ホホバオイルのデータ
  2. ホホバオイルの代表成分
  3. ホホバオイルの特徴
  4. ホホバオイルの13の効果効能
  5. ホホバオイルの使い方
  6. 手作り石けんとホホバオイル



ホホバオイルのデータ

名前 ホホバオイル、ホホバワックス、ホホバ油
学名 Simmomdsia sinensis,Buxus sinensis
科名 ツゲ科
使用部位
抽出方法 低温圧搾法(コールドプレス、冷搾法、常温絞り)
香り 香ばしいような香り
金色
使い心地 さらさらしていて軽い
酸化 非常に酸化しにくい
浸透力 優れている
ブレンド 単独にもブレンドにも向いている
肌質 すべての肌質
部位 ボディー、ハンド、フェイシャル、フットマッサージに。
注意点 まれにアレルギーや皮膚炎を引き起こす場合がある。
ヨウ素価 76.5 ※
鹸化価(NaOH) 65.2 (63-70) ※
鹸化価(KOH) 91.3 (88-99) ※

※ヨウ素価と鹸化価の値は、下記の成分量をベースに計算した数値です。カッコ内の数字は、一般的に言われている数値の範囲です。これらは同じ植物のオイルでも、原料の種類、地域、抽出方法、商品やロットなど様々な条件によって変化する数値なのでお気を付けください。ヨウ素価と鹸化価の一覧と解説は下記をご覧ください。

鹸化価 ヨウ素価

ホホバオイルの代表成分

ホホバオイルは他のオイルと違って、厳密にいうと油脂ではなく「ワックスエステル」です。ワックスエステルは、長鎖脂肪酸と脂肪族アルコールがエステル結合してできるものです。(油脂は脂肪酸とグリセリンが結合したもの)

主な脂肪酸

飽和脂肪酸 
パルミチン酸 1.2 %
ステアリン酸 0.1 %
アラキジン酸 0.1 %
ベヘン酸 0.2 %
ネルボン酸 1.3 %
一価不飽和脂肪酸
エルカ酸 13.6%
パルミトレイン酸 0.3%
バクセン酸 1.1%
イコセン酸 71.3%
多価不飽和脂肪酸
リノール酸 0.1 %

※『植物オイルハンドブック』より

主な脂肪族アルコール

オクタデカノール 1 %
エイコサノール 44 %
ドコサノール 45 %
テトラコサノール 9 %

※『キャリアオイル事典』より

ワックスエステルの組成

C38エステル 6%
C40エステル 30%
C42エステル 49%
C44エステル 8%

脂肪酸について、脂肪酸の摂取方法などは下記をご覧ください。

脂肪酸 必須脂肪酸 オメガ脂肪酸 トランス脂肪酸



ホホバオイルの特徴

過酷な砂漠地域で水分を保持できる植物

ホホバは、不毛地帯や半砂漠地帯でもよく育つ植物です。南カリフォルニア、アリゾナ、メキシコ等の砂漠地帯に生息しています。皮のように厚く、固い表皮を持った皮を持つので、過酷な環境でも水分を逃さず保持し、生き続けられるのです。

酸化安定性がすごい

砂漠でも育つ性質から、ホホバはとても熱に強い植物です。そのため、ホホバオイルは酸化安定性が驚くほど高いです。370℃以上の高温で4日間熱し続けても品質の変化がないと言われています。また、普通に使用している分には、数年間の保存が可能と言われています。

低温で固体化するワックス

ホホバオイルは、厳密に言うと植物性の「ワックス」に分類されます。 10℃以下で固体になり、常温で液体に戻ります。

驚異のワックスエステル含有量

ホホバオイルは、種子からワックスが抽出されますが、重さの50-60%がワックスエステル混合物と言われています。ホホバオイルとなった時のほとんどがワックスエルテルです。この含有量は驚異的で、どの植物よりも多いと言われています。ワックスエステルとは肌の弾力や潤いを保たせてくれたり、様々な効能をもたらしてくれる成分で、私たちの皮膚にも20-30%も含まれています。

ホホバオイルの13の効果効能

皮脂バランス調整作用、保湿作用、殺菌作用、反バクテリア作用、抗炎症作用、乾癬・湿疹の改善、消炎作用、関節炎・リウマチの緩和など

1. 全ての肌質に合う

ホホバオイルは、皮脂バランス調整作用があり、脂性肌には皮脂を抑制し、反対に乾燥肌には皮脂分泌を促進できます。また、低刺激なため、どんな肌質にも使える万能なオイルと言われています。

2. 肌に似た成分で浸透力抜群

ホホバオイルの構成要素のほとんどが、ワックスエステルと呼ばれる長鎖の脂肪酸と長鎖の脂肪族アルコールから成るエステルです。これは、私たちの角質層にも20-30%程の割合で含まれているため、とても馴染みやすく、浸透しやすいのです。

3. 保湿力がすごい

砂漠地帯でも自生できるホホバは、もとから高い保湿能力を持っています。これはオイルになっても変わらず、乾燥が原因の、しわ、老化、肌荒れ等といった様々な症状に効果があります。

4. 皮膚を柔らかくする

皮膚が固くなると、それが角質化したり、ニキビができたり、シミになったり、ターンオーバーを遅らせたり、セルライトの原因となったり、様々な症状につながります。ホホバオイルは皮膚を柔らかく保ち、若々しい肌を保つことを助けます。

5. 肌にハリと弾力をもたらす

ワックスエステルの特徴でもある、肌にハリと弾力をもたらす効果がホホバオイルにはあります。これはしわや老化を止め、若々しい肌を保つ作用につながります。

6. セルライトや妊娠線を防ぐ

ホホバオイルはセルライトや妊娠線の予防にも効果的です。皮膚を柔らかく保ち、代謝を促進します。妊娠中のホホバオイルでもマッサージは、医療機関でも行われているところがあると言われています。

7. ニキビ・吹き出物・角栓を改善する

ホホバオイルには優れた殺菌作用、反バクテリア作用、汚れを落とす作用があります。クレンジング等に使用すると、そういった作用が働き、ニキビや吹き出物を抑えます。その後のターンオーバーも促進してくれます。

8. 皮膚炎・アトピーを改善する

ホホバオイルは医療機関でも使われることが多く、皮膚炎やアトピーにも使われると言われています。炎症やかゆみを抑える効果があるため、特にそういった症状に有効と言われています。

9. 赤ちゃんのおむつかぶれやひび割れに

ホホバオイルは敏感肌、赤ちゃん肌にも使える万能のオイルです。そのため、赤ちゃんのおむつかぶれや、ひび割れた肌にも効果的と言われています。炎症を抑え、保湿と鎮痒が作用します。

10. 素晴らしいアンチエイジング効果

これまで見てきた、保湿効果やハリや弾力をもたらす作用も、アンチエイジングの一つの効果です。その他にも、ホホバオイルは高い抗酸化作用を持ちます。その作用の代表がビタミン類です。ホホバオイルに含まれるビタミンEは、抗酸化作用の代用で、シミやしわを防いだり新陳代謝を高めたりしてくれます。また、ビタミンAは皮膚を健康な状態に保つ作用があります。

11. 高いバリア機能で日焼け防止

過酷な環境で生き続けるホホバは、紫外線や乾燥からのバリア機能がとても高いです。そのため、皮膚を紫外線から守る、日焼け防止効果が期待できます。日焼け後の肌の炎症を抑える効果もあります。

12. 抜け毛など頭皮のトラブルに抜群

皮膚からの浸透が早いので、ヘッドマーサージは毛穴の汚れを取り、皮脂分泌のバランスを正常に保つのにとてもいい方法です。マッサージをするのは頭皮を柔らかく保つことにもつながるので、抜け毛、フケ、かゆみといった頭皮のあらゆる症状に効果的です。

13. 髪を傷みから守る

メキシコとアメリカ南西部の先住民であるプエブロ族は、ホホバを髪にも使っていました。紫外線による傷みから髪を守り、適度な保湿と油分によって、髪を健康な状態保つことができます。

ホホバオイルの使い方

効果効能をふまえて、実際ホホバオイルをどのように使ったらいいかをお伝えします。

髪や頭皮ケア

頭皮や髪にいいホホバオイルは、頭皮マッサージに最適です。シャンプー前に頭皮をホホバオイルでマッサージし、その後ラップなどで頭を蒸しながらしばらく放置します。そしてシャンプーをして流します。また、髪を紫外線から守る作用もあるので、出かける前に少量を髪に塗布することもできます。

クレンジング

肌のよごれを落とす作用があるので、ホホバオイルはクレンジングにも向きます。保湿作用もあるので、肌に必要な油分までクレンジングでなくなってしまう心配がありません。ニキビや角栓の原因になる汚れを綺麗に落としてくれます。

化粧水やクリーム

保湿効果や、アトピー、皮膚炎、ニキビなど肌のあらゆる悩みにいいホホバオイルは、化粧類やクリームに混ぜて使用することもおすすめです。手作りの材料として使用したり、すでに使っている化粧水などに少量混ぜて使用することもできます。

化粧水の作り方 天然100%クリームの作り方

日焼け止め

ホホバオイルは紫外線から皮膚を守り、かつ日焼け後の肌の炎症を緩和させる働きがあります。市販の強力な日焼け止めに比べるともちろん効果は穏やかですが、日焼け止めとしては一番ナチュラルで安全に使えます。

天然の日焼け止めとSPF値

マッサージオイル

ホホバオイルは頭皮や顔以外にも、全身に使用できます。皮膚を柔らかくし、セルライトのような皮膚の悩みにもいいので、ホホバオイルを使った定期的なボディーマッサージはおすすめです。

手作り石けんとホホバオイル

ホホバオイルは手作り石けんにとても合うオイルです。ただ、ホホバオイルは油ではなく「ワックス」に分類されるので、けん化価にはお気を付けください。ホホバオイルはけん化しにくいので、あまりメインの材料としては使用しません。少量加えることで、保湿力が高まり、しっとりとした石けんになります。石けんの作り方は下記へ。

固形石けんの作り方 液体石鹸の作り方




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