主要な15の有効成分とその効能|メディカルハーブ、ハーブティー
ハーブの成分と効能
ハーブには様々な成分が存在していて、それが薬効成分として私たちの体や心に働きかけ、バランスを整えてくれます。化学的にあらゆる成分の効能が実証されていますが、まだ解明されていないこともあります。ここではよく目にする、ハーブの代表的な成分15種類を紹介していきます。
ハーブの代表的な成分とその特徴
アルカロイド
アルカロイドは、窒素を含み、塩基性を示す天然由来の天然化合物の総称です。強い苦みがあります。強い薬理作用を示すものもありますが、毒性を示すものも多くあります。向神経薬や幻覚作用、神経の興奮作用などがあります。アルカロイドの代表はアヘンから分離されたモルヒネです。コカインやフグの猛毒であるテトロドトキシンもアルカロイドの一種です。その他、カフェイン、パーキンソン病の治療薬であるアトロピン、ドーパミンなどもアルカロイドの一種です。
代表的なハーブ
オートムギ、コーンシルク、チェストツリー、チコリ、パッションフラワー、バーベイン、バレリアン、フェヌグリーク、ホーステールなど |
クマリン
クマリンは、ラクトンの一種である芳香族化合物で、香料としても使用されています。桜餅の天然の香り成分です。シナモンやコーヒーの香り成分もクマリンの一種です。アルコールなどの揮発油に溶けやすいですが、水にもすこし溶けるので、ハーブティーにしたときに微量含まれます。バニラに似た甘い芳香を持ちますが、苦い味がします。抗酸化作用や抗菌作用がありますが、肝毒性もあるため、大量摂取や日常的な長期利用には向いていません。
代表的なハーブ
アニスシード、アンジェリカ、クリバーズ、シナモン、ヤロウ、ラベンダー、リコリス、レッドクローバーなど |
サポニン
サポゲニンと糖から生成される配糖体の総称です。水に混ぜると泡立ち、天然の界面活性作用を示します。そのため、サポニンを含む植物を昔から洗濯やシャンプーとして使っていた国が多くあります。中には毒性を示す成分もありますが、生薬にサポニンを含むものが多く見られます。朝鮮人参もその一つです。種類により、去痰、血糖値上昇抑制といった作用があります。
代表的なハーブ
アイブライト、アルファルファ、オートムギ、クリバーズ、ゴールデンロッド、シェパーズパース、タイム、ホーステール、マレイン、ヤロウ、リコリス、ワイルドストロベリーなど |
精油
精油は揮発性の芳香物質です。アロマセラピーでは、植物の精油部分のみを抽出し、香りとその作用を楽しみます。脂溶性物質ですが、ハーブティーにしたときに微量含まれます。アロマセラピーにおいて、精油に様々な作用があるように、一言で作用を言い表せませんが、多くに抗菌、抗炎症、鎮静作用などがあります。
代表的なハーブ
エキナセア、エルダーフラワー、オレガノ、コリアンダー、ゴールデンロッド、シナモン、ジャスミン、ジュニパー、ジンジャー、スペアミント、セージ、タイム、チェストツリー、ディル、バジル、バーベイン、バレリアン、ヒソップ、フィーバーユー、マジョラム、ラベンダー、レディースマントル、レモングラス、レモンバーベナ、ローズ、ローズマリーなど |
タンニン
タンニンは、タンパク質、アルカロイド、金属イオンと反応、結合し、難溶性の塩を形成する水溶性化合物の総称です。古くから皮をなめす(=tan)ために使われてきました。強い苦みがあります。収斂作用、止瀉作用、整腸作用などがあります。ワインや柿に含まれます。渋柿を干し柿にして甘さを出すのは、タンニンの働きです。また、お茶に含まれるカテキン類もタンニンの一種です。
代表的なハーブ
アイブライト、エルダーフラワー、オレガノ、キャラウェイ、クローブ、ゴールデンロッド、シナモン、ジャスミン、ジュニパー、タイム、チコリ、バジル、バーベイン、ブルーマロウ、マーシュマロウ、リンデン、ルイボス、レモンバーム、ローズ、ローズマリーなど |
苦味質
苦味を感じさせる化合物の総称です。アルカロイド、シナリンなど、様々な物質が含まれます。苦み成分は唾液を分泌させるので、消化促進や食欲増進、健胃をもたらします。また、強肝作用、利胆作用、緩下作用もあります。
代表的なハーブ
アグリモニー、アーティチョーク、アンジェリカ、オリーブ、オレガノ、オレンジブロッサム、キャットニップ、コルツフット、スカルキャップ、タイム、ダンデライオン、チェストツリー、チコリ、バジル、バードック、バーベイン、ヒソップ、ホップ、マジョラム、レディースマントル、ローズマリーなど |
粘液質
水分を吸収するとゼリー状になる、粘りを出す物質の総称です。主に多糖類からなります。粘り気は、粘膜を保護し、痛みをやわらげます。熱を保ったり、保湿の作用もあります。
代表的なハーブ
アニスシード、コリアンダー、サマーセイボリー、シナモン、フェヌグリーク、フラックスシード、ブルーマロウ、ボリジ、マーシュマロウ、マレイン、メドウスイート、リンデン、レモンピール、ワイルドストロベリーなど |
ビタミン
ハーブの中にビタミンは多く含まれます。B群とCは水溶性、A,D,E,Kは脂溶性になります。基本的に抗酸化作用があり、老化防止や美容に効果を発揮します。
- ビタミンAはレチノールとも呼ばれます。βカロチンが体内に吸収されるとビタミンAになります。抗酸化や目の機能に関わります。皮膚粘膜にもよく、美容に効果的です。
- ビタミンB群はニキビや肌荒れに最適です。抗酸化作用や美白作用があります。
- ビタミンCは水溶性の抗酸化物質です。メラニンの色素沈着の防止、コラーゲンの生成に関わります。老化防止や美容にいい成分です。ビタミンEと一緒に摂ることで、相乗効果があります。
- ビタミンEは脂溶性の抗酸化物質です。他の物質の代わりに酸化され、他の物質が酸化するのを防ぎます。代謝促進や老化防止、動脈硬化や内分泌系の不調に作用します。
代表的なハーブ
アイブライト、アグリモニー、コーンシルク、ジンジャー、ターメリック、バジル、パセリ、フェヌグリーク、フェンネル、マテ、ミルクシスル、メドウスイート、レモンピール、ワイルドストロベリーなど |
フィトステロール
植物由来のステロールをフィトステロールと言います。動物由来のものはコレステロールです。脂溶性ですが、ハーブティーにしても微量含まれます。コレステロールの吸収を抑え、減少させます。
代表的なハーブ
アーティチョーク、アンジェリカ、カレンデュラ、ソウパルメット、ダンデライオン、ネトル、フラックスシード、プランテーン、ホップ、マルベリー、マレイン、ミルクシスルなど |
フェノール酸
ポリフェノールの一種です。ポリフェノールはポリ(たくさんの)フェノールという意味で、ほとんどの植物に含まれ、種類は数千に及びます。その一部がフェノール酸と呼ばれ、フェノール酸にはクロロゲン酸などが含まれます。主に消化器系や代謝に関わります。
代表的なハーブ
アーティチョーク、クローブ、コリアンダー、サマーセイボリー、スペアミント、セージ、ダンデライオン、マーシュマロウ、リンデン、ルイボス、レッドクローバー、ローズマリーなど |
フラボノイド
フラボノイドもフェノール酸と同じくポリフェノールの一種です。さらに、カテキン、タンニン、イソフラボンなどがフラボノイドの一種です。アントシアニンをはじめとした天然の色素と知られる物質も多くあります。紫外線吸収、抗酸化、抗菌、抗炎症、発汗、利尿、鎮静など様々な作用があります。
代表的なハーブ
エルダーフラワー、カモミールジャーマン、カレンデュラ、サフラワー、ジャスミン、ジュニパー、セントジョーンズワート、ネトル、パッションフラワー、ヒソップ、ペパーミント、マテ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レモンバーベナ、レモンバームなど |
ミネラル
ミネラルは有機物に含まれる炭素・水素・窒素・酸素以外の必須元素のことを指します。人の体内では生成されません。鉄、カルシウム、カリウム、亜鉛、ケイ素などがあります。炭水化物やタンパク質、脂質の代謝に関わり、血液、骨、歯、筋肉の調整に大きく影響します。
代表的なハーブ
アイブライト、アグリモニー、エルダーフラワー、コーンシルク、ジンジャー、スカルキャップ、ダンデライオン、ネトル、ハイビスカス、パセリ、ビルベリー、フェヌグリーク、フェンネル、ホーステール、ワイルドストロベリーなど |
樹脂
木の樹皮から分泌される樹液に含まれる物質です。水に溶けませんが、ハーブティーにも微量含まれます。フランキンセンスやベンゾインをはじめ、アロマセラピーの精油としても多く使われます。
代表的なハーブ
アンジェリカ、オレガノ、キャラウェイ、ゴツゴーラ、サマーセイボリー、シナモン、ジュニパー、ヒース、マジョラムなど |
糖類
炭水化物から食物繊維を除いたものを「糖質」といい、さらに糖質から多糖類や糖アルコールなどを除いた、単糖類と二糖類の総称を「糖類」と言います。果糖、ぶとう糖などが含まれます。糖類は脳、神経系などの活動のエネルギー源となります。
代表的なハーブ
アニスシード、アンジェリカ、シナモン、ジュニパー、チコリ、メドウスイート、ワイルドストロベリーなど |
配糖体
配糖体は、糖類と、糖以外の成分が結合した化合物です。沢山の種類がありますが、多くが強心、利尿、緩下の働きがあります。
代表的なハーブ
イエロードックルート、エキナセア、クリバーズ、ゴツゴーラ、パセリ、バーベイン、ヒソップなど |
次はこれを要チェック
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