Ayurveda,  アーユルヴェーダの基本概念

ヴァータタイプの人の特徴|アーユルヴェーダのドーシャ

ヴァータ タイプ|Vata Type

アーユルヴェーダの健康法では、体質を診断し、その体質に合った施術やアドバイスを行います。体質はドーシャと言われ、大きく分けるとヴァータ(V)、ピッタ(P)、カパ(K) の3種類。また、複合型であるヴァータ・ピッタ(VP)、 ヴァータ・カパ(VK)、ピッタ・ヴァータ(PV)、ピッタ・カパ(PK)、カパ・ヴァータ(KV)、カパ・ピッタ(KP)、ヴァータ・ピッタ・カパ(VPK・トリドーシャ) を含めると10種類の体質があります。(2種複合型の場合は、最初にくるドーシャが強くなります。)まず、自分の体質を診断したい場合、ドーシャの基本について知りたい場合は下記を参照ください。

ドーシャの体質診断 ドーシャ

目次

  1. ヴァータタイプの特徴
  2. ヴァータの複合型
  3. ヴァータタイプと日常生活のワンポイント
  4. ヴァータタイプとアロマ
  5. ヴァータタイプと食事法



ヴァータタイプの特徴

全ての人は、3つのドーシャの特徴を持ち合わせているので、ヴァータタイプの人だからといって、全てがヴァータの特徴に当てはまる訳ではありません。しかし、多くの部分の特徴を持ち合わせています。

外見:痩せ型

ヴァータの人の外見は、やせ型で華奢な体つきです。背は高いか低いのどちらかの場合が多いです。関節は付き出ていて鳴りやすいです。顔や顎が細く、ゴツゴツした印象があります。歯は不揃いで、歯茎は痩せています。目は細く小さく、乾きがちで、茶色や灰色の場合もあります。鼻は小さく高い傾向があります。肌は乾燥していて、荒く冷たいです。色黒の可能性もあります。髪は黒く、細く、乾燥していてクセがあります。足が長く細いことが多く、少し曲がっているかもしれません。指は長くて細く、爪はひび割れしやすいです。

体質:乾燥、冷え

寒さに弱く冷え性の傾向があります。食は基本的に細いですが、不安定です。いつも違う時間に食べたり、量も異なります。精神状態によって、食事を抜くこともあれば、反対にやけ食いに走ることもあります。睡眠は浅く、音に敏感なので、静かなところでしか熟睡できません。寝つきが悪く、途中で目が覚めやすいです。不眠症になりやすいかもしれません。睡眠中は飛んだり走ったり、怖い夢を見ます。不調は痛みや精神的な部分に表れることが多いです。心配や恐れの感情、抑うつ症状が出やすいです。腸にガスが溜まりやすいです。便は乾き気味で硬く、便秘気味です。脈は細く、弱く、むらがあります。怪我をしても治りが早いです。

性格:芸術家、自由、極端、活動的

想像力が豊かなので、アイディアが次々と浮かびます。芸術的なセンスもあります。自由を好み、束縛を嫌がります。落ち着きがないところもあります。新しいものや変化が好きで、順応性があります。そのため、初対面の人とすぐに仲良くなれたり、新しい環境にもすぐ馴染みます。一方で衝動的で、気分が変わりやすく、集中力がない一面もあります。動きが早く、活動的、好奇心旺盛、おしゃべり好きで、広く浅く友好関係を築きます。記憶力は、覚えることも早いですが、忘れることも早いです。信念が変わりやすいところがあります。話し方は早口で無秩序です。手を使って話します。お金は稼ぐことが得意ではありますが、衝動的に使ってしまうことがあり、消費しやすいです。転職をしたり引っ越しをすることが多い傾向があります。

ヴァータタイプの特徴まとめ

<キーワード>極端、不規則、不安定、乾燥、小さい、etc

体格 やせ型
乾燥肌、冷たい、浅黒い、薄い
細い、乾燥、黒い、縮れ、巻き毛
細い、小さい、濃茶、灰色、黒色
小さい、薄い
歯並びが悪い、歯茎が痩せている
小さい、細い、高い
輪郭 長い、角張っている
食欲 細い、不安定
動き 早い、活動的
性格 想像力が豊か、落ち着きがない、怖がり
体質 寒がり、冷え性
記憶力 覚えることも忘れることも早い
睡眠 浅い
話し方 早口、よくしゃべる
信念 変わりやすい
精神 芸術的、創造的、アイディアが次々と浮かぶ

ヴァータの複合型

もしドーシャの診断の総合結果で、2つ以上のドーシャが当てはまったら、この複合型もチェックしてみてください。2つのドーシャが当てはまる人でも、どちらかがやや強い傾向にあり、それによって若干の体質の違いがあります。

ヴァータ・ピッタ(VP)

VPタイプは、ヴァータとピッタの差が殆どないですが、ややヴァータが優勢のタイプです。ヴァータタイプのように、華奢な体格の人が多く、友好的です。ピッタも混ざっているので、ヴァータの極端すぎるところや規則性がないところ、緊張しるぎる部分が緩和され、より知性的です。ヴァータ特有の寒さに弱いところや騒音が苦手なところに対して我慢できます。ピッタの意欲とヴァータの創造性が上手く組み合わさっています。すこし安定性に欠けるところがあります。

ヴァータ・カパ(VK)

VKタイプは、ヴァータとカパの差が殆どないですが、ややヴァータが優勢のタイプです。ヴァータとカパ反対の特徴を持ち合わせているので、このタイプはどのドーシャかすぐに分かりずらいことが多いです。体格はヴァータのように華奢であるにも関わらず、性格はカパのようにのんびりしていて落ち着いた印象があることが多いです。ヴァータのように動作は早くでも、カパのようにのんびり優柔不断な部分も持ち合わせます。寒さは苦手です。貯蓄を好む傾向があります。

ヴァータ・ピッタ・カパ(VPK、トリドーシャ)

3つのドーシャが等しいタイプをトリドーシャと言います。このタイプは、稀にしかいないと言われています。とてもいいバランスのため、バランスをキープできればとても健康で長生きする場合が多いです。しかし、一度バランスを崩すと、治療が難しいタイプでもあります。3つのドーシャの特徴を少しずつバランスよく持ち合わせています。



ヴァータタイプと日常生活のワンポイント

運動

どのドーシャかによって適する運動が異なります。ヴァータタイプの人は、常に活動的で動いています。そして疲れやす傾向があります。そのため、普段行う運動量は少ない方が良いタイプです。例えば、散歩や軽いサイクリングなどを30分ほど行います。

入浴

ヴァータタイプの人は、体が冷えやすい傾向があります。長風呂が向いていて好きな人が多いです。芯まで温まり、冷えないうちに眠ることでいい睡眠につながります。

睡眠

ヴァータタイプの人は、眠りが浅く、不規則です。音に敏感なので、途中で目が覚めてしまうこともしばしばあります。自分の一番リラックスできる寝方を知る必要があります。午後の早い時間に、10~20分ほどの短い仮眠をすると元気になります。

色はドーシャと強いつながりがあります。よく使うものや、洋服などに取り入れることで、ドーシャのバランスをとる手助けをしてくれます。ヴァータタイプの人は、青などの寒色系を好む傾向がありますが、基本的には赤、オレンジ、黄といった暖色系はヴァータを鎮めてくれるので、ヴァータタイプにはおすすめです。できることなら、強い印象のヴィヴィッドカラーや、黒、茶、青は避けます。ドーシャと色に関しての詳細は下記へ

ドーシャと色

パワーストーン

パワーストーンもドーシャのバランスをとる手助けをしてくれます。ヴァータを鎮める代表的なパワーストーンは、サファイヤ、ラスピラズリ、アメジスト、ルビー、オパールなどです。

季節・時間・年齢

ドーシャは自分自身の体質とは別に、季節や時間、年齢といった自分の体質以外からも影響されています。ヴァータの季節は秋と冬、ヴァータの時間は14:00-18:00、02:00-06:00、ヴァータの年齢は60歳以上です。ヴァータタイプの人が更に外部からヴァータの影響を受けると、より不調が出やすくなるので注意します。季節・時間・年齢のドーシャについては下記へ

ドーシャと時間

占星術

ドーシャは占星術とも関連しています。自分が生まれた時、大切な節目の時期、今の時期など、色々な観点から惑星と星座の位置をみると、その時自分に与えるドーシャの影響が分かります。土星、冥王星、水星はヴァータの傾向を強めます。また、日食もヴァータの傾向を強めます。星座は、風の質を持つ双子座天秤座水瓶座がヴァータの傾向を強めます。

占星術の基本

ヴァータタイプとアロマ

アロマセラピーの精油は、アーユルヴェーダのドーシャの不調に用いることができます。マッサージや芳香浴をはじめ、アロマセラピーではお馴染みの様々な手作りレシピに応用できます。基本的には、ヴァータタイプは乾燥し冷えてしまうので、精油は温かく保湿性があるものがお勧めです。また、香りの性質が甘・酸・温で、鎮静作用のある香りも向きます。ヴァータタイプにいい精油の一例は、パチュリシナモンローズウッドサンダルウッドなどです。ヴァータタイプにおすすめの精油、キャリアオイル、それらを使ったレシピなどをより詳しく見るには下記へ。

ヴァータとアロマ

ヴァータタイプと食事法

アーユルヴェーダでは食事をとても重要視しています。ドーシャによって、理想の食材や食べ方が異なります。ヴァータタイプの人におすすめの食事法の詳細は下記へ。

ヴァータタイプの食事法 アーユルヴェーダの食事法

食材別にドーシャへの影響を調べたい場合はこちらへ。

食材別ドーシャへの影響




次はこれを要チェック

ピッタタイプの特徴 カパタイプの特徴

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