山薬(さんやく)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬
山薬(さんやく)の効果効能
東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。
目次
山薬のデータ
| 名前 | 山薬(さんやく)、山芋(さんう)など |
| 英語 | Dioscorea Rhizome |
| ラテン名 | Dioscoreae Rhizoma |
| 学名 |
|
| 使用部位 | 周皮を取り除いた根茎 |
| 成分 | デンプン、多糖類、糖たんぱく質、アミノ酸など |
| 四気 | 平性 |
| 五味 | 甘 |
| 帰経(臓腑弁証) | 肺、脾、腎 |
| 気血水弁証 | 気虚、血虚 |
| 効能分類 | 補気薬 |
山薬の特徴
※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。
特徴
山薬は、日本では食材としてもお馴染みのヤマイモを使用した生薬です。
東洋医学の効能
[脾胃]を補う
胃腸虚弱な人に使用し、消化を助け、下痢を止め、便通を整えてくれます。小児の[脾虚証]による寝汗を治します。
[腎陽虚]に
[腎陰]を補うため、[腎虚]の泌尿器系の症状に併せて、のぼせ、ほてりなどの熱感が強い場合に使用します。[腎]を補う生薬には、地黄のように胃もたれをしやすいものが多いですが、山薬は[脾胃]にやさしいことが特徴です。
[肺]を補う
[肺]の[気]と[陰]を補うため、呼吸器系疾患の改善に向きます。気管支粘液の分泌を促進し、慢性のせき、息切れ、痰を改善します。
その他
[口渇]を鎮め、糖尿病の体質改善に使用されます。
適応症
[脾陽虚]による下痢、長期の下痢、虚弱によるせき、糖尿病、遺精、おりもの、頻尿など
注意事項
[痰湿]、[気滞]の重い状態の場合は禁忌
山薬の使い方
ブレンド例
[脾][胃]の虚弱による食欲不振、倦怠感、下痢を治します。
| 山薬+人参 |
[陰虚]による寝汗、熱感、[口乾]、疲労感を治します。
| 山薬+地黄 |
『漢方294処方生薬解説』より
処方例
配合されている漢方薬の一例です。
| 啓脾湯 | 消導剤 |
| 牛車腎気丸 | 補陽剤 |
| 八味地黄丸 | 補陽剤 |
| 六味地黄丸 | 補陰剤 |
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