苦参（くじん）の効果効能

東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。

目次

苦参のデータ 苦参の特徴 苦参の使い方

苦参のデータ

名前	苦参（くじん）、苦骨（くこつ）、川参（せんじん）など
英語	Sophora Root
ラテン名	Sophorae Radix
学名	Sophora flavescens Aiton
使用部位	根（しばしば周皮を取り除いたもの）
成分	アルカロイド（マトリン、オキシマトリン）、フラボノイド（クラリノール）、トリテルペノイドサポニンなど
四気	寒性
五味	苦
帰経（臓腑弁証）	肝、腎、大腸、小腸
効能分類	清熱薬、外用薬

苦参の特徴

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心]（しん）を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

特徴

クララという植物の根を使用しています。苦参という名前の通り、とても苦味が強いです。茎や葉を煎じた液は、農業の害虫駆除剤としても利用されています。

東洋医学の効能

熱を冷まし[湿]を除去

[清熱]し利尿をはかり、膀胱炎、排尿困難、排尿痛、熱性の下痢や下血などに用いられます。[湿熱]による皮膚の炎症にも使われ、痒みを治します。その他湿疹、皮膚化膿症、皮膚掻痒症、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に使用します。

外用として

湿疹、あせも、皮膚掻痒症などに、外用としても使用します。皮膚の炎症を鎮めて痒みを止めます。

適応症

熱性の血便・下痢、胃腸系のかぜによる下血、黄疸、出血を伴うおりもの、小児肺炎、小児の慢性消化不良、急性扁桃炎、痔瘻、脱肛、皮膚掻痒、化膿し崩れたできもの、陰部のかゆみ、火傷など

苦参の使い方

ブレンド例

炎症性の皮膚病を治します。

苦参＋黄苓

痒みの強い炎症性の皮膚病を治します。

苦参＋地黄

『漢方294処方生薬解説』より

処方例

配合されている漢方薬の一例です。

三物黄苓湯	清熱剤
消風散	祛風剤
当帰貝母苦参丸	理血剤

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