各生薬の効能

陳皮(ちんぴ)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬

陳皮の効果効能

東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。

目次

  1. 陳皮のデータ
  2. 陳皮の特徴
  3. 陳皮の使い方



陳皮のデータ

名前 陳皮(ちんぴ)、陳橘皮(ちんきっぴ)、橘皮(きっぴ)、黄橘皮(おうきっぴ)など
英語 Orange peel
ラテン名 Citri Unshiu Pericarpium
学名
  • Citrus unshiu Marcowicz(温州蜜柑)
  • Citrus reticulata Blanco(マンダリンオレンジ)
使用部位 成熟した果皮
成分 精油(d-リモネン)、フラボノイド(ヘスペリジン)、シネフリンなど
四気 温性
五味 辛・苦
帰経(臓腑弁証
気血水弁証 気滞水滞
効能分類 理気薬、去湿健胃薬

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陳皮の特徴

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

特徴

オレンジピールとしてメディカルハーブとしても利用されています。オレンジの花はオレンジブロッサムとして利用されています。陳皮と橘皮を別と考える場合もありますが、ここでは同じものとしています。外側が赤褐色で、裏側が白くきめが細かいものが良品とされています。

東洋医学の効能

陳皮は[気]を巡らし、[湿]を取り除きます。陳皮の甘味は[脾胃]に、酸味は[肝]に働きます。そのため、[気]を巡らせて[脾胃]の[湿]や[食積]を取り除くので、吐き気や胃もたれなどを改善します。そして[肺気]も巡らせ[湿]を取り除くので、痰を伴う咳の症状も改善します。

適応症

胃腸の不調、食欲不振、腹部の張りや膨張感、嘔吐、しゃっくり、痰を伴う咳

陳皮の使い方

常用量

1~3g

ブレンド例

[胃気]を補って、[気逆]や[湿]の滞りによる嘔吐・食欲不振・腹部膨満感・腹痛・下痢を治します。

陳皮+生姜

[脾胃]を補って、胃腸虚弱や[元気]不足を取り戻します。

陳皮+人参

『漢方294処方生薬解説』より

処方例

陳皮が使われている漢方薬の例です。[湿]が多い日本では、[湿邪]による不調が多く、その[湿邪]を取り除いてくれる陳皮は何十種類もの漢方に使われています。ここでは一部を紹介しています。

二陳湯 化痰剤
六君子湯 補気剤
平胃散 祛湿剤
釣藤散 祛風剤
半夏白朮天麻湯 化痰剤
茯苓飲 祛湿剤




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