各植物油脂・キャリアオイルの効能

菜種油(なたね油)とは?効果効能と使い方|健康にいい種類の選び方も!

菜種油|なたね油の効果効能

目次

  1. 菜種油のデータ
  2. 菜種油の代表成分
  3. 菜種油の特徴
  4. 菜種油の効果効能
  5. 菜種油とキャノーラ油の違い
  6. 健康な菜種油の選び方



菜種油のデータ

名前 菜種油、なたね油、レイプシードオイル、Rapeseed oil
学名
  • Brassica napus
  • Brassica campestris
科名 アブラナ科
使用部位 種子
抽出方法 低温圧搾法、溶剤抽出法など
香り 無臭
黄色
酸化 酸化しやすい
注意点 高精製された種類、エルカ酸の含有率が高い種類には注意
ヨウ素価 143.8 ※
鹸化価(NaOH) 135.9 ※
鹸化価(KOH) 190.3 ※

※ヨウ素価と鹸化価の値は、下記の成分量をベースに計算した数値です。これらは同じ植物のオイルでも、原料の種類、地域、抽出方法、商品やロットなど様々な条件によって変化する数値なのでお気を付けください。ヨウ素価と鹸化価の一覧と解説は下記をご覧ください。

鹸化価 ヨウ素価

菜種油の代表成分

主な脂肪酸(100gあたり)

飽和脂肪酸 8%
ステアリン酸 1 %
パルミチン酸 7 %
一価不飽和脂肪酸 26.5%
パルミトレイン酸 0.5 %
オレイン酸 21 %
エルカ酸 5%
多価不飽和脂肪酸 64.7%
リノール酸 56 %
リノレン酸 8 %
アラキドン酸 0.7 %

※『植物オイルハンドブック』参照

脂肪酸について、脂肪酸の摂取方法などは下記をご覧ください。

脂肪酸 必須脂肪酸 オメガ脂肪酸 トランス脂肪酸



菜種油の特徴

中国で大量生産

菜種油はセイヨウアブラナから採取されます。アブラナはキャベツの近縁種で、学名のBrassicaは、ラテン語でキャベツを意味します。主に中国で大量に栽培されています。油は種子の重さの35~40%程含まれています。油が抽出されたあとは、家畜の餌となります。

殆どが高精製されたもの

菜種油の多くが溶剤抽出法などで抽出され、高精製されたものが出回っています。そういったものは、健康増進やアロマセラピーのキャリアオイルとしては何の効果も得られません。しかし、珍しいものの、低温圧搾法で抽出された安心できるものも存在します。ここで紹介している代表成分や効果効能は、そのような安全な菜種油に関して記述しています。

エルカ酸含有率に注意!

菜種油には、エルカ酸が高い割合で含有している種類があります。エルカ酸は発がん作用や、成長変質、心臓障害、消化や肝臓の障害を引き起こすと言われています。エルカ酸が5%以下に抑えられている品種は、リノール酸が多く含まれます。心筋炎のリスクが減少したり、血栓を予防したりする作用があります。菜種油を使用するときは、種類によって全く作用が異なってくるので注意が必要です。最後の項目で健康な菜種油の選び方をまとめています。(一方でエルカ酸に対するネガティブな実験結果は、植物油脂の消化の仕方が人間と異なるラットに対して証明されたもので、人に対して本当に害があるかは反対意見もあるようです。実際にエルカ酸が40%ほどを占めるマスタードオイルはインドではアーユルヴェーダでも使われる食用オイルとして古くから使われています。)

菜種油の効果効能

血中コレステロール低下作用、アルツハイマーの予防、抗酸化作用、抗血栓作用など

コレステロールの低下や血栓予防に

高品質の菜種油は、リノール酸を多く含む脂肪酸組成になります。そのため血中コレステロールを下げる働きがあります。また、血栓形成を予防します。心臓血管系の保護をし、心筋炎のリスクを低下させます。

菜種油とキャノーラ油の違い

キャノーラ油は改良されたもの

キャノーラ油と菜種油は違うものです。菜種油はセイヨウアブラナから抽出されるオイルに対し、キャノーラ油はセイヨウアブラナを品種改良させたキャノーラ種から抽出されるオイルです。菜種油の中に含まれる、体に良くないと言われている成分、エルカ酸とグルコシノレートが含まれないように品種改良されています。もとからエルカ酸の含有が殆ど無い、安全なセイヨウアブラナから抽出された菜種油もあるので、それらと区別するためにキャノーラ種から抽出されたものをキャノーラ油と言います。

キャノーラ油の多くは遺伝子組み換えの原料

キャノーラ油の原料となるセイヨウアブラナのキャノーラ種は、遺伝子組み換えした品種が多くあります。しかし、キャノーラ油は遺伝子組み換えの表示義務が無いので、私たちが商品を見るだけでは、遺伝子組み換えの原料かどうかは判断できません。気になる方はメーカーに問い合わせるなど、注意が必要です。

健康な菜種油を選ぶ!

いままでの説明のとおり、菜種油は色々な種類が出回っています。最後によりいい菜種油を選ぶポイントをまとめています。

1. エルカ酸の含有率が少ない

菜種油は色々な種類がありますが、一番気をつけなけらばならないのは、エルカ酸の含有率です。反対意見もありますが、前述したようにエルカ酸は様々な疾患のリスクを高める可能性があるので、注意してください。

2. 遺伝子組み換えの原料かどうか

実際はキャノーラ油の中に、遺伝子組み換えの原料が多く使われていますが、その表示義務がありません。厳密にいうと菜種油とキャノーラ油は違うものになりますが、同じもののように売られている場合があるので、菜種油を購入する場合は、原料がどんなものなのか、注意が必要です。

3. 冷静一番搾りがベスト

菜種油は、多くが溶剤抽出法で抽出され、精製されたオイルです。「植物油脂は危険?」の記事で紹介したように、そのような工程で作られたオイルは、トランス脂肪酸などの有害な物質が含まれている可能性があります。種類は少ないですが、低温圧搾法で抽出された、一番搾りの未精製油が一番安心安全です。




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