各生薬の効能

蒼朮(そうじゅつ)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬

蒼朮(そうじゅつ)の効果効能

東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。

目次

  1. 蒼朮のデータ
  2. 蒼朮の特徴
  3. 蒼朮の使い方



蒼朮のデータ

名前 蒼朮(そうじゅつ)、茅朮(ぼうじゅつ)など
英語 Atractylodes Lancea Rhizome
ラテン名 Atractylodis Lanceae Rhizoma
学名
  • Atractylodes lancea De Candolle
  • Atractylodes schinensis Koidzumi
  • それらの雑種
使用部位 根茎
成分 精油(β-ユーデスモール、ヒネソール)、ポリアセチレン化合物(アトラクチロジン)など
四気 温性
五味 辛、苦
帰経(臓腑弁証
気血水弁証 水滞
効能分類 利水薬

その他の蒼朮に関する記事をチェック: #ソウジュツ

蒼朮の特徴

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

特徴

ホソバオケラなどの根茎を使用しています。近縁種が基原の白朮との歴史的文献の中での明確な区別は不明点も多いです。現在は純度試験によって区別されています。[湿]を除くというメインの効能は似ていますが、蒼朮の方がより除湿作用に優れ、白朮はより消化器の機能を高めることに優れています。漢方の処方の中には蒼朮、白朮ともにたくさん使われていて、その中にはどちらを使ってもよいとされる処方も多くあります。

東洋医学の効能

香りによって湿気を除く

芳香によって[湿邪]を取り除く芳香化湿作用があります。そのため、[湿邪]による消化不良、腹部膨満感、むかつき、嘔吐、下痢などの胃腸の不調に用いられます。湿度の上昇以外に、冷たいものや脂の摂りすぎも[湿邪]を増やす原因となります。

鎮痛作用

利水によって[風湿]を除き、[気]を巡らすことによって、[風湿]による関節痛や筋肉痛を治します。

適応症

[湿邪困脾]、疲労がひどくすぐに横になりたくなる、上腹部のつかえ感とお腹の張り、食欲不振、嘔吐、水様性下痢、細菌性下痢、マラリア、[痰飲]、むくみ、かぜ、[風寒湿]による不調、夜盲症など

蒼朮の使い方

ブレンド例

尿が出にくいことによるむくみや下痢を治します。

蒼朮+茯苓

[脾胃]を補って、体表の[湿]を除いて、神経痛や関節炎を治します。

蒼朮+白朮

『漢方294処方生薬解説』より

処方例

配合されている漢方薬の一例です。

越婢加朮湯 祛湿剤
治頭瘡一方 祛風剤
二朮湯 祛湿剤
胃苓湯 祛湿剤




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