摂りすぎもダメ!オメガ6系、オメガ3系脂肪酸の効果や種類、摂取量など

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オメガ脂肪酸とは?

今、色々な健康食品やダイエットの分野でオメガ3、オメガ6といった言葉を耳にします。体にいいものであることは分かるのですが、一体どんなものなのでしょうか?ここでは根本を理解するために、オメガ脂肪酸とは何かという化学的な基本から説明します。そして、実際にどのように効果があるのかをお伝えします。そうするとただやみくもに摂取するだけでは逆に体に良くないことが分かるので、正しい摂取方法もお伝えしていきます。その前に脂肪酸の基本を知りたい場合は下記をまずご覧ください。

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目次

1. オメガ脂肪酸とは?定義と化学的な構造
2. オメガ脂肪酸の種類―代表的な23種―
3. 体内でのオメガ脂肪酸の変換の仕組み
4. オメガ9, 6, 3系脂肪酸の特徴と効能
—-オメガ9系脂肪酸
—-オメガ6系脂肪酸
—-オメガ3系脂肪酸
5. 理想的なオメガ脂肪酸の摂取方法と含まれる油脂

 






 

 

オメガ脂肪酸の定義

不飽和脂肪酸は全て、オメガクラシフィケーションという方法で、脂肪酸名とは別に、オメガ3、オメガ6、オメガ9・・・などという表し方をされます。これは不飽和脂肪酸の中にある二重結合が、どの位置にあるかを指しています。二重結合が2つ以上ある多価不飽和脂肪酸の場合は、一番左にある二重結合の位置です。(飽和脂肪酸の中には二重結合は存在しないので、オメガ脂肪酸はありません。)例えば、下の化学構造はオレイン酸のものですが、二重結合が左から数えて9個目の炭素(C)にあります。よってオレイン酸はオメガ9に分類されます。リノール酸の場合、二重結合は6個目と9個目の炭素(C)にありますが、左側(数が少ない方、若しくはCH3に近い方)の二重結合の位置を示すので、リノール酸はオメガ6に分類されます。

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オメガは、二重結合の場所を表しているだけ!

このように、オメガクラシフィケーションで分類されたオメガ3、オメガ6、オメガ9・・といった脂肪酸は、同じオメガ系でも色々な種類が存在することがわかります。そして、どの部分に1つ目の二重結合が存在するかをただ表しているだけで、その脂肪酸には何個の二重結合があるか、どんな脂肪酸なのか、などといった情報を詳しく表しているわけではありません。

 

代表的なオメガ脂肪酸の種類

C18:3(ω3)というのは、炭素(C)が18個ある脂肪酸で、3つの二重結合があり、オメガ(ω)3であることを意味します。ω3はn-3と表すこともあります。α-リノレン酸とγ-リノレン酸のように、C18H30O2という同じ化学式を持っていても、二重結合の位置が異なるとオメガの系統が変わり、違う脂肪酸になります。

オメガ3系脂肪酸

α-リノレン酸 C18H30O2 C18:3 (ω3)
ステアドリン酸 C18H28O2 C18:4 (ω3)
エイコサテトラエン酸 C20H32O2 C20:4 (ω3)
エイコサペンタエン酸(EPA) C20H30O2 C20:5 (ω3)
ドコサペンタエン酸(DPA) C22H34O2 C22:5 (ω3)
ドコサヘキサエン酸(DHA) C22H32O2 C22:6 (ω3)
テトラコサペンタエン酸 C24H38O2 C24:5 (ω3)
テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸) C24H36O2 C24:6 (ω3)

オメガ6系脂肪酸

リノール酸 C18H32O2 C18:2 (ω6)
γ-リノレン酸 C18H30O2 C18:3 (ω6)
ジホモ-γ-リノレン酸 C20H34O2 C20:3 (ω6)
アラキドン酸 C20H32O2 C20:4 (ω6)
ドコサテトラエン酸(アドレン酸) C22H36O2 C22:4 (ω6)
ドコサペンタエン酸(オスボンド酸) C22H34O2 C22:5 (ω6)

オメガ7系脂肪酸

パルミトレイン酸 C16H30O2 C16:1 (ω7)
バクセン酸 C18H34O2 C18:1 (ω7)

オメガ9系脂肪酸

オレイン酸 C18H34O2 C18:1 (ω9)
イコセン酸 C20H38O2 C20:1 (ω9)
ミード酸 C20H34O2 C20:3 (ω9)
エルカ酸 C22H42O2 C22:1 (ω9)
ネルボン酸 C24H46O2 C24:1 (ω9)

オメガ10系脂肪酸

サピエン酸 C16H30O2 C16:1 (ω10)

オメガ11系脂肪酸

セトレイン酸 C22H42O2 C22:1 (ω11)

 

体内でのオメガ脂肪酸の変換

油脂を体内に取り入れると、その油脂を構成していた脂肪酸が個々にバラバラになります。そして各脂肪酸は、体内の酵素によって、他の脂肪酸へと合成されていきます。例えば、オメガ6系のリノール酸は、体内に入ると、γ-リノレン酸→ジホモ-γ-リノレン酸→アラキドン酸・・・というように変化していきます。すべてオメガ6系の脂肪酸です。オメガ3系では、α-リノレン酸を始まりとして、ステアドリン酸→エイコサテトラエン酸→エイコサペンタエン酸・・・・と変化していきます。このように、私たちは自分の体内で様々な種類の脂肪酸を合成することができます。

オメガ9系脂肪酸(オレイン酸)の体内の合成

パルミチン酸

ステアリン酸

オレイン酸

オメガ11系脂肪酸(サピエン酸)の体内の合成

パルミチン酸

サピエン酸

オメガ6系脂肪酸の体内の合成

リノール酸

γリノレン酸

ジホモγリノレン酸

アラキドン酸
・・・

オメガ3系脂肪酸の体内の合成

α-リノレン酸

ステアドリン酸

エイコサテトラエン酸

エイコサペンタエン酸(EPA)

ドコサペンタエン酸

ドコサヘキサエン酸(DHA)
・・・

オメガ3系脂肪酸、オメガ6系脂肪酸がもてはやされる理由

このようにオメガ脂肪酸には沢山の種類があり、体内でまた違う化合物に変化していきます。その中でも、特にオメガ3系、オメガ6系は体にとって重要な働きをしてくれます。そして、オメガ3系の合成の一番はじめのα-リノレン酸とオメガ6系の合成の一番はじめのリノール酸は、体に必要でありながら人間の体内で合成することができないので、「必須脂肪酸」と言われます。(※広義では、オメガ3系6系で合成される他の脂肪酸も必須脂肪酸に含まれている場合もあります。)必須脂肪酸は、食事から摂取しないといけないのでとても重要な栄養素です。それに続く脂肪酸が体内で合成できなくなってしまい、様々な不調につながります。それは必須脂肪酸欠乏症とも言われます。詳しくは必須脂肪酸のページへ。

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オメガ9系、オメガ6系、オメガ3系脂肪酸の役割

オメガ9系脂肪酸

オメガ9系の脂肪酸の代表は、オレイン酸です。オレイン酸は母乳にも含まれるとても大切な脂肪酸です。美容の有効成分として化粧品にも多く使われています。しかしオレイン酸は、飽和脂肪酸のステアリン酸から人の体内で合成できるため、必須脂肪酸には含まれていません。エルカ酸は菜種の種やからしの種から得られる油脂に含まれますが、発がん性や心臓病のリスクを高める可能性があると言われているので注意が必要です。

 

オメガ6系脂肪酸

オメガ6系に分類される脂肪酸は沢山あります。その中でも、日本人が摂取するオメガ6系の総脂肪酸量の98%がリノール酸という調査結果があります。殆どがリノール酸です。その中でも、植物油のアマニ油や大豆油には、γ-リノレン酸が豊富です。γ-リノレン酸は、オメガ3系の脂肪酸で、体内ではリノール酸の次に合成されます。

オメガ6系脂肪酸の特性

オメガ6は私たちの体で大切な役割をします。器官組織もおおもとに働きかけ、細胞膜の形成に関わります。中枢神経系の細胞膜構成にも関わります。一方、過剰になると、炎症を主とした様々な疾患を引き起こします。オメガ6の代表のリノール酸は、日本人は摂りすぎの傾向があります。また、精製油を使用することにより、そのリノール酸が一部トランス化されたものであることがあります。そのため、私たちの体に必要であるものの、たまにリノール酸は危険というように言われていることがあります。摂取量を守ることが大切です。

バランス状態

  • 血管の膨張とそれを抑える調整
  • 血液の流動性の調整
  • 中枢神経系の細胞膜構成
  • 細胞膜の透過度調整 など

過剰摂取による症状

  • リウマチ関節炎
  • 喘息
  • 乾癬
  • 血小板凝集
  • アレルギー
  • 炎症

オメガ6系脂肪酸の理想の摂取量

日本人は、オメガ6系脂肪酸を過剰摂取しているという実態から、厚生労働省は上限だけを定めています。総エネルギー摂取量の10%(22-30g/1日)を上限としています。国際的な機関では特にリノール酸の理想的な摂取量を、総エネルギーの2%(4-5g/1日)程としています。

オメガ6系脂肪酸の含まれる植物油脂

アップルシードオイル、イブニングプリムローズオイル、オプンティアシードオイル、カレンデュラシードオイル、グァバシードオイル、グレープシードオイル、サフラワーオイル、サンフラワーオイル、パッションフルーツシードオイル、ブラッククミンシードオイル、ポピーシードオイル、ミルクシスルオイルなど

 

オメガ3系脂肪酸

オメガ3系に分類される脂肪酸も沢山あります。その中でも、日本人が摂取するオメガ3系の総脂肪酸量の59%がα-リノレン酸という調査結果があります。また、α-リノレン酸と同じようにとても大切なオメガ3系の脂肪酸である、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)の日本人の摂取量は、1.8:1:0.3という割合になっています。DHA、EPA、DPAは、α-リノレン酸から体内で合成される割合は10~15%程になります。それだと1日に必要な量を満たせないことが多いので、それらの脂肪酸が豊富な魚などを食べて、直接補給することが大切と言われています。魚には別の問題があり、世界的な魚資源の不足の問題や、魚によってはダイオキシン、水銀、セシウムなどの汚染物質が含まれている場合があります。そのことから、よりα-リノレン酸由来のDHA、EPA、DPAが重要になってくると言われています。

オメガ3系脂肪酸の特性

オメガ3の主な特徴は、オメガ6を摂りすぎた場合に起こる不均衡を調整することです。現代人はオメガ6を摂りすぎている傾向があるので、とても重要な役割になります。

  • 炎症を抑える
  • 神経系の不調を調整
  • 血液系の不調を調整
  • 動脈硬化の予防
  • 血中コレステロールの低下
  • 血中の脂質の濃度低下
  • 血圧調整
  • 血液の粘性調整
  • 血小板の凝集調整
  • 乳がんなどの一部のがんの抑制
  • 血小板硬化症などの変性疾患の一部を抑制
  • 不整脈の発生防止
  • 血管内皮細胞の機能改善
  • 血栓生成防止

オメガ3系脂肪酸の理想の摂取量

オメガ3系の脂肪酸は、オメガ6系と比較して、少ない摂取量の傾向があります。厚生労働省は、日本では理想の一日の摂取量を、1~2.5gとしています。そのうち、EPAとDHAの合計が1g以上になることが望ましいとしています。α-リノレン酸の摂りすぎの症状はあまりわかっていませんが、過剰摂取は男性の前立腺がんのリスクを高めるかもしれないという意見もあるので、摂りすぎには注意が必要です。

オメガ3系脂肪酸の含まれる植物油脂

インカインチオイル、えごま油、キウイシードオイル、亜麻仁油、ローズヒップオイルなど

 

理想的なオメガ脂肪酸の摂取方法

オメガ3とオメガ6のバランスが大切!!

オメガ脂肪酸は、私たちの体内で様々に働いてくれていることが分かりました。一番大切なことは、摂取量のバランスです。どんなものもそうですが、いくらいいものでも、過剰になれば不調につながります。とくに摂取量が設けられているオメガ3, 6は摂取量を守り、その比率にも気を付けてください。オメガ3:オメガ6は、1:1~1:5が理想的と言われています。

バランスが取れた植物油脂

油脂以外の食品からもオメガ脂肪酸を摂る方法もありますが、植物油脂からの摂取はとても効率的です。オメガ3と6の比率が理想に近い植物油脂は、下記になります。オメガ3を1としたときのオメガ6の割合を記載しています。これらの植物油脂の中で自分に合ったものを一日に少量ずつ摂取するのはとても大切です。

植物油 オメガ3の割合 オメガ6の割合
くるみ油 1 5
シーバックソーンオイル(種) 1 1
シーバックソーンオイル(コンプリート) 1 1
ストロベリーシードオイル 1 1.2
パンプキンシードオイル 1 3.2
ブラックカラントオイル 1 3.5
プルーンシードオイル 1 4
ヘンプシードオイル 1 3.5
ラズベリーシードオイル 1 1.9
ローズヒップオイル 1 1.2

 

 

 

次はこれを要チェック

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