Yoga

ヨーガとは?本当の意味と起源・歴史|ヨーガ・アーユルヴェーダ・インド哲学

ヨーガの本当の意味

今ヨーガを行う人は年々増えていて、日本でのヨーガを行う人の人口は770万人にも及ぶという統計があります。現在ヨーガは運動やフィットネスの一部のジャンルとして考えられていることがほとんどです。本来の意味でのヨーガとは本当にそうなのでしょうか?

ヨーガの歴史をたどっていくと、インドが起源のヴェーダといわれる哲学にたどり着きます。その起源は今から約5000年前にも遡るといわれています。ここではヨーガの起源を探り、ヨーガの本当の意味を紐解いていきます。



約5000年前に存在したインドの哲学「ヴェーダ」とは?

ヴェーダ(Veda)は簡単に言うと、知識の源といわれる「音」と言われています。約5000年前のインドで、その音を聞くことができた聖者(リシ)たちによって伝えられてきました。知識の源である音は今も私たちのいる場所に存在し、ただそれを受け取ることができる人がいなくなってしまっただけとも考えられています。つまり、ラジオのチャンネルを変えてほかの音楽を聴くように、知識の源の音にチャンネルを合わせて聞くことができなくなってしまったようなイメージです。

その後4つに分類される

ヴェーダの哲学は膨大で、いろいろな分野にわたります。しかし根本は、「自分自身の知識を得る」ための教えです。そしてそれが、いかに幸せに、調和をして生きるかということを理解させてくれます。口頭で伝えられてきましたが、人々の記憶力の衰えによって、この大切な教えが消えてしまうことを恐れた聖者ヴャーサが、ヴェーダを4つに分類しました。

1, リグヴェーダ
2, ヤジュールヴェーダ
3, サーマヴェーダ
4, アタルヴァヴェーダ

そして、この4つの各項目は前半と後半に分かれています。

前半:カルマカーンダ(行いの部)
後半:ニャーナカーンダ(知識の部)

カルマカーンダは生活においての規則や規律が書かれています。ニャーナカーンダには自分自身の本質についての知識が書かれています。ウパニシャッド、ヴェーダンタとも呼ばれます。これらの内容は特定の宗教を述べた内容ではありません。生き方の哲学です。仏教やヒンドゥー教など、宗教は様々ありますが、根本は同じでこのヴェーダの哲学から派生している場合がたくさんあります。Tattva Bodha(タットヴァボーダ)はニャーナカーンダの入門書と言われ、幸せとは何か?私とは何か?といった、私たちの生きる世界についての知識を分かりやすく説明している文献です。このサイトでもその内容をお伝えしています。

インド・ヨーガ哲学

必要な人のもとへ

ヴェーダは、万人に共通する生きるための哲学です。同時に、私たちは何を信じるかを選択できる自由意思を持っています。ヴェーダは宗教や人種、年齢などにかかわらず万人にオープンですが、無理にその哲学を強要することはありません。必要な人、学びたいと思った人の前だけに現れ、手を差し伸べてくれる姿勢です。

ヨーガとは?

アーサナが体系化されたのはだいぶ後

ヨーガの中でも特にアーサナや呼吸法に重きを置くものをハタヨーガといいます。現代の運動としてのヨーガは、このハタヨーガに重点を置いたものになります。本来、アーサナについては文献にほとんど記載がありませんでしたが、近代になって初めてアーサナは体系化され、ハタヨーガとして私たちに親しまれるようになりました。一番有名なもののひとつは、スヴァートマーラーマによって書かれた「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」です。事実上最古のハタヨーガの文献といわれれますが、それでも16~17世紀に書かれたものです。5000年前に知られていたヴェーダと比べると、だいぶ後になってから体系化されたことが分かります。その後、ハタヨーガはいろいろな宗派に分かれて、今ではアイアンガーヨーガ 、アシュタンガヨーガなどなど、たくさんの種類のヨーガが存在します。

ヨーガはその生き方そのもの

それではヴェーダの哲学の一部であるヨーガとは本来は何なのでしょう?ヨーガは前述のような運動、もしくはアーサナ(ポーズ)、もしくは呼吸法というイメージが強いですが、本来は生き方そのものの哲学です。実際ヴェーダの中には、具体的なアーサナについては一切述べられていません。ヨーガ(Yoga)は「結合」とも訳されますが、心、体、魂やあらゆる三位一体の結合を表します。そしてヨーガの最終目的はヴェーダの哲学でもある「自分自身とは何か?」を学び、永遠の幸せを得る(悟りを得る)ことが目的です。アーサナはそれを達成するための一つのツールという位置づけになります。そのためアーサナも、難しいポーズを極めていくことが大切ではありません。「自分自身を知る」ために必要な集中力を得るのに必要なポーズであるシッダーサナ(あぐらのようなポーズ)を長時間できるようになることが一番大切です。ほかのポーズはそのために必要な柔軟性を得たり、体作りのために行う位置づけです。本来の意味では、シッダーサナができれはほかのアーサナはできる必要はありませんし、すでにほかの方法で自分自身の知識を得ることができた人は、ヨーガのアーサナ自体を行う必要はないということです。

自分自身を知る第一歩

本来の意味でのヨーガは、アーサナや呼吸法を極めることが目的ではないことが分かりました。「自分自身を知ること」が最終目的です。最終的に自分自身を知るというのは、ただ知識として知るのではなく、本質を理解し、自分のものにし、それに沿って生きていることです。達成した人は解脱者とか、悟りを得た人、賢者などともいわれます。では、どのようにして自分自身を知っていくのでしょうか?そして、その過程でどうやってアーサナや呼吸法、瞑想が必要になってくるのでしょうか?それを知る第一歩が先ほど紹介したTattva Bodha(タットヴァボーダ)です。分かりやすくヴェーダンタが説明されている入門書です。ヨーガやアーユルヴェーダを知るにあたってとても大切な基本です。その内容は下記をご覧ください。

インド・ヨーガ哲学




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