6つのポイントから旧暦の仕組みを理解する|こよみの基本

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旧暦とは?

今私たちが普段使っている暦は、「新暦」、「西暦」や「グレゴリオ暦」と言われ、太陽の動きを基にした「太陽暦」です。1582年にローマ教皇のグレゴリウス13世がユリウス暦を改良して制定しました。日本では、1872年(明治5年)からこの新暦を使用し始めました。それまでの暦は「旧暦」と言われ、太陽と月の動きを基にした「太陽太陰暦」であり、「陰暦」と呼ばれたり、自然に沿った暦ということから「自然暦」でもあります。

いまだに私たちの生活の中で使われている、「立春」「冬至」と言った季節の考え方は、旧暦の考え方です。旧暦を理解することでより、自然の流れに合った生活ができるようになります。旧暦と聞くと、少し季節感がずれていたり、わかりにくいイメージがありますが、理解を深めると、自然の流れを熟知した昔の人の知恵がたくさん詰まっていることがわかります。
 






 

旧暦を理解するポイント

旧暦は、新暦と違い、太陽と月の動きを基本としているため、はじめは理解しにくい部分もあります。新暦とは違うところで旧暦を理解する基本的なポイントは下の6つです。

1. 太陽の動きと月の動きによってできている「太陽太陰暦」

no1図1

まずは、旧暦は太陽と月の動きを基本としている「太陽太陰暦」と知ることが大切です。私たちが通常使用している「西暦」は太陽の動きのみが基本となっています。太陽・月・地球の位置関係、動き方を理解することが大切になってきます。地球が太陽の周りをまわるのに365.2422日かかります。一方、月が地球を一周するのに29.53日かかり、1年(12か月)は354日もしくは355日になります。そのため、1年に約11日の誤差が発生し、3年で約1か月の誤差になります。そのずれをうまく組み合わせたものが「太陽太陰暦」です。

2. 17年に7回、1年が1カ月長い

前述の太陽・月・地球の関係のずれを調整するために、旧暦では「閏月」が発生し、一年が13か月になるときがあります。

3年に約1カ月ずれがあると言いましたが、厳密に言うと17年に7カ月分です。そのため旧暦には17年に7回、閏月というものがあり、1年が13か月になります。たとえば7月に閏月が入る年の場合、いつも通りに7月が来た後、8月になる前に、もう一度「閏7月」が1か月あります。そのような年は実際も夏が長い年になるのが驚きです。閏月がある年を「閏年」と言いますが、新暦の4年に一度やってくるうるう年とは異なります。

3. 必ず新月が一日、月の満ち欠けに対応している

no2図2

旧暦の1日、2日、3日、、、と言った日付は、月の満ち欠けに合わせられています。必ず1日が新月になります。月が地球を一周する周期が29.53日なので、1カ月は29日だったり30日だったりします。旧暦では新年の1月1日は必ず新月です。「十五夜のお月様」というように、旧暦では15日は満月です。(天文学的には少しずれて16,17日になる場合もあります。)旧暦では、日にちを見ると、自然とその日がどんな月かわかるようになっています。

図1のように月の軌道は黄道に対して約5度傾いています。地球・月・太陽が完全に一直線に重なる日食や月食は新月や満月のたびになる訳ではないのはそのためです。

4. 潮の満ち引きも日にちでわかる

月の満ち欠けと潮の満ち引きの関係は有名な話です。旧暦の日にちは月の満ち欠けに合わせられているので、同時に潮の満ち引きもわかるようになっています。太陽・月・地球が一直線になる、新月と満月の時、月と太陽の重力が同じ方向になります。地球では太陽と月に引っ張られるため、潮の満ち引きの差が大きい大潮になります。反対に、太陽と地球、月と地球の線が90度になる、下弦と上弦の月の時、重力は分散されます。そのため潮の満ち引きの差があまりない小潮になります。旧暦で言うと、1日や15日はいつも大潮で、8日と23日頃は小潮になります。また、地球は自転しているので、一日に満潮と干潮が2回ずつ訪れます。

月が地球をまわる軌道も、地球が太陽をまわる軌道も綺麗な円ではなく、楕円形です。そのため、常に地球・月・太陽の距離はかわっています。それは潮にも影響していて、距離が近くなる15,16年の周期で超大潮が起こったりします。

5. 太陽黄経と季節の関係

no3図3

図1のように地球の自転の地軸は約23.43度傾いています。傾いたまま太陽をまわるため、地球を中心としてみると、太陽の通り道が季節によって違って見えます。つまり太陽が地球より上のほうを通ったり、下のほうを通ったりします。その太陽の通り道を黄道といいます。太陽の軌道と地球の中心の水平の線が重なった時を黄経0度といい、春分になります。そこから何度違うかによって季節がわかります。黄経0度を春分とし、黄経90度は一番高い位置に太陽があるので夏至になり、黄経180度は再び太陽と地球が水平になる秋分、黄経270度は一番低い位置を太陽通る冬至になります。そして旧暦では、冬至は旧暦11月、春分は旧暦2月、夏至は旧暦5月、秋分は旧暦8月の中に入ることが決められています。

6. 二十四節気や七十二候でわかる四季の感覚

旧暦では、この黄経を15度ずつに更に分割し、黄道一周360度を24つに分けました。それが二十四節気と呼ばれるものです。上の図では一番外側に書いてある名称が二十四節気の名称です。二十四節気は秋分、春分、夏至、冬至をはじめ、今でも私たちの生活に密着しています。

七十二候は360度を72分割してできたもので、さらに細かい季節の移ろいを感じることができます。これらを知ることで、自然に沿った季節感覚を取り戻すことができますし、昔の日本人の感覚をよく理解することができます。詳しい説明はこちらの記事へ。

 

旧暦と新暦の違いを感じる

このように、旧暦は太陽と月の動きをうまく組み合わせた考え方で、新暦にはない「閏月」の概念があるため、ずれが発生します。旧暦と新暦の差がいつも一定ではないのはこのためです。また、旧暦で一年の始まりの季節は「立春」で、1~3月を春としています。新暦で言うと2月~4月ごろにあたります。現在気象庁で定められている春は3~5月なので、旧暦の季節の感覚は、一カ月ほど季節を先取りしたものなのだな、と理解できます。細かい日にちごとの旧暦は、旧暦のカレンダーなどを参考にし、ぜひ旧暦を体感してみてください。下記は旧暦と月の満ち欠け、月星座を網羅したカレンダーです。

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