Scorpio
蠍座
蠍座(さそり座)は、春分点から数えて8番目の星座です。水の星座で不動宮、支配星は火星(現代の占星術では冥王星)。天秤座で向かい合った相手と、蠍座では境目を越えて混ざり合います。水がしみこむように表面には留まらず、ひとつのものの底まで静かに入っていく星座です。
Contents
蠍座のテーマ
” I MEDITATE “
見えないものの奥に、真実があることを思い出す
見えているものの奥には、まだ見えていない本当のことがあります。言葉の奥の気持ち、出来事の奥の意味、自分でもまだ言葉にしていない本心。蠍座は、表に出ているものだけで決めず、その奥まで確かめにいく星座です。そこにある真実は、誰かが隠しているのではなく、見えにくい場所にあるだけ。深く入るたびに、それがはじめからそこにあったことを思い出していきます。
蠍座の基本データ
項目
蠍座
読み
さそり座
英語名・記号
Scorpio ♏
12星座のなかの順番
8番目
日にち(太陽星座)
10/23〜11/22頃
蠍座の新月(月星座)
10/23〜11/22頃
蠍座の満月(月星座)
4/20〜5/20頃
2区分
女性宮
3区分
不動宮
4元素
水
支配星
火星(現代式では冥王星)
体のパーツ
生殖器(膀胱・肛門を含む下腹の奥)
象徴アロマ
※日付は年によって1日前後ずれます。
蠍座とは
蠍座は、地球から見た太陽の通り道(黄道)のうち、春分点から210度から240度にあたる区画です。30度ずつ12に区切った8つめで、太陽は毎年10月23日頃にここへ入り、11月22日頃まで滞在します。秋分で等しくなった昼と夜はこの区画で差を広げ、日の入りは日ごとに早まります。
二十四節気では、霜降と立冬が蠍座の区画に入ります。同じ黄道を、節気は星座の半分の幅で区切っているからで、霜降で蠍座に入り、立冬で区画の半ばに来ます。日本の暦はこの立冬から冬に入りますが、西洋の季節の数え方では秋分に始まった秋がまだ続いていて、蠍座はその秋のいちばん深いところにあたります。それぞれの節気のようすは、霜降、立冬の記事と、二十四節気のページに書いています。
蠍座の名は、ギリシャ神話で狩人オリオンを刺した大蠍に由来します。オリオンが「地上のどんな獣も倒してみせる」と言ったことに怒った大地の女神ガイアが、蠍を送ってオリオンを刺し殺したと伝えられます(アルテミスが送ったとする話もあります)。二人は星になったあとも、蠍が東に昇るころにオリオンが西に沈むよう、空の反対側に置かれました。
12星座の全体像は、12星座の基本ページにまとめています。
蠍座の特徴
蠍座の特徴は、ひとつの対象の底まで入っていって、途中で引き返さないことです。広く浅くではなく、対象を絞ってその奥へ降りていく。蠍座に入った天体は、どれもこの動き方をします。表に出ていないものを見ようとする、一度つながったものを離さない、簡単には本心を明かさない。蠍座について言われる深さ、集中、秘密めいた印象は、どれもこの「底まで入る」働きの現れです。
蠍座は女性宮(2区分)
蠍座の受けとり方は、沈める形をとります。女性宮の天体は、外へ働きかけるより来たものを受けとる側で働きますが、同じ女性宮でも、牡牛座が受けとったものを手もとに留めるのに対して、蠍座は底へ沈め、外からは見えないところで持ちつづけます。17世紀イギリスの占星術師ウィリアム・リリーは『クリスチャン・アストロロジー』で、蠍座を夜の星座(nocturnal sign)に分類しました。昼の光の下ではなく、見えないところで働く。秘密や隠されたものの像が蠍座に重ねられるとき、その根にあるのはこの沈めて持つ働きです。
蠍座は不動宮(3区分)
蠍座が深めるのは、秋です。秋分で天秤座が始めた秋を蠍座が引き継ぎ、夜が長くなっていく途中で、その状態を定めます。不動宮は季節のさなかを受けもつ4つの星座で、蠍座では、まんなかに立冬が置かれていることが、その深さを暦の上で示しています。定まったものを動かさないので、蠍座の天体は、一度決めた関わりを途中で離しません。関係でも、探求でも、入ったところから引き返さずに深めつづける。一途さ、粘り、ときに執着と呼ばれる持続は、この不動の質の現れです。
蠍座は水の星座(4元素)
蠍座の水は、深く沈む水です。同じ水でも、蟹座なら身近なものを抱えて守る水になり、魚座なら境目なく広がっていく水になります。蠍座では、水は静かに底へ向かい、表面を見ただけでは深さが分かりません。水の星座は伝統の占星術で冷たく湿った性質に当てられますが、蠍座では、その冷たい水の底に、支配星の火星の熱が沈んでいます。表に出ない熱を抱えた水。蠍座に言われる激しさが、外からは静かに見えるのはそのためです。
蠍座の支配星は火星(現代式では冥王星)
蠍座の支配星は、伝統的には火星です。2世紀のプトレマイオスは『テトラビブロス』で、太陽と月の家(獅子座と蟹座)から90度の位置にある牡羊座と蠍座を火星に与え、リリーは牡羊座を火星の昼の家、蠍座を火星の夜の家と書いています。牡羊座で外に向かって燃える火星の力は、蠍座では水の底に沈み、見えないところで持続する力に変わります。
現代の西洋占星術では、1930年に発見された冥王星を蠍座の支配星とします。ローマ神話で地下の世界を治める神の名を与えられた天体で、20世紀なかば以降、蠍座に重ねられてきました。火星の沈んだ熱と、冥王星の地下の世界。蠍座を見る二つの角度です。
蠍座と牡牛座(向かい合う星座)
蠍座 I meditate の向かいには、牡牛座 I embody があります。太陽が蠍座にいる霜降のころ、満月は牡牛座で満ちます。牡牛座は、望んだものを身体で受けとり、目で見て手に取れる豊かさとして味わう星座です。蠍座のテーマ「見えないものの奥に、真実があることを思い出す」を牡牛座の側から読むと、その「奥」は、見えるものから離れたどこか別の場所ではないと分かります。牡牛座が手に取り、味わったもの。その同じものの奥へ、蠍座は入っていきます。見えるものをたしかに味わったから、その奥に見えないものがあると気づける。牡牛座を向かいに置くと、蠍座の真実が、手ざわりのある世界と地続きであることが見えてきます。
蠍座と体の部位
伝統的な西洋占星術では、蠍座は生殖器と、膀胱や肛門など下腹の奥の部位に対応します。星座を体の部位に配る対応(メロテシア)で、1世紀ローマの詩人マルクス・マニリウスの『アストロノミカ』は股(また)を、17世紀イギリスの占星術師ウィリアム・リリーの『クリスチャン・アストロロジー』は秘部を蠍座に当てました。リリーはその不調として、結石、膀胱の病、脱腸、瘻(ろう)、痔、秘部や子宮の病を挙げています。外から見えず、人に見せることもない場所を、蠍座は受けもっています。
リリーは蠍座を「冷たく、湿った、夜の、粘液質の星座」と書きました。伝統の占星医学では、水の星座は冷たく湿った性質をもちます。そこに、熱く乾いた支配星の火星が重なるので、蠍座の部位は、冷えと熱という反対の性質を同時に抱えた場所として見られてきました。手当ての向きは、偏りと反対の性質で均すこと。冷えて湿った側には、温めて乾かすものを当てます。
蠍座とアロマ・ハーブ
17世紀イギリスの薬草家ニコラス・カルペパーは『The English Physician(英国の医師)』で、バジルを「火星のハーブで、蠍座のもとにある」と記しました。毒虫に刺されたところに当てると毒を引き出す草で、古代ギリシャの医師ディオスコリデスの『薬物誌』にも、蠍の刺し傷に用いる草として出てきます。蠍の名をもつ星座に、蠍の毒を引き出す草。この結びつきから、蠍座の象徴アロマをバジルにしています。バジルの精油は、いまのアロマセラピーでは、頭が疲れたときの芳香浴や、筋肉の張りをやわらげるマッサージに使われてきました。伝統の文献にはあまり出てこないものの、パチュリ、ジャスミン、サンダルウッドは、現代のアストロロジカル・アロマセラピーで蠍座に当てられることの多い香りです。
ハーブティーでは、イラクサ(ネトル)が蠍座の側にあります。カルペパーはこれも火星のハーブとし、春先の若葉は冬が体に残した粘液の余りを消し、種は腎臓や膀胱の砂や結石を出すのに用いられる、と書きました。現代では、鉄分やミネラルを含むハーブティーとして親しまれています。
エッセンシャルオイル・精油
ハーブ
蠍座にある天体(太陽・月・惑星)
蠍座に入った天体は、どれも対象を絞ってその奥まで入り、引き返さずに働きます。10月23日〜11月22日頃に生まれた人は太陽星座が蠍座で、本質の光は、ものごとの表面を通り過ぎて底にあるものへ向かいます。火星が蠍座にあれば、火星は自分の夜の家にいて、見えないところで持続する力を持ちます。月や金星、水星などが蠍座にあれば、恋愛なら恋愛、言葉なら言葉と、その天体の領分で、深く入って離さない働き方になります。
FAQ
Q1. 10月23日生まれは、天秤座ですか?蠍座ですか?
A. 蠍座の始まりを10月23日とする表と、10月24日とする表の両方が出回っているので、この日の生まれの人は迷いやすいところです。境目は日付ではなく、太陽が蠍座に入る瞬間、二十四節気でいうと霜降の時刻で決まります。霜降は10月23日の年と24日の年があり、近年はほぼ23日ですが、その日の何時に入るかは年によって違います。生まれた年と時刻を惑星星座チェックに入れると、確かめられます。
Q2. 蠍座が「死と再生」の星座と言われるのは、なぜですか?
A. 現代の西洋占星術で、冥王星を蠍座の支配星に置いたことが大きな理由です。冥王星はローマ神話の冥界の神の名をもち、その発見以降、蠍座には「終わらせて生まれ変わる」という読みが重ねられるようになりました。もうひとつは暦の位置で、太陽が蠍座にある時期には、万聖節と万霊節(11月1日・2日)やその前夜のハロウィンなど、死者を思う行事が集まっています。「死と再生」は近代以降の言い方です。このサイトでは、古いものが終わって見えるときも、奥にあった真実が表に出てくるタイミングとして読んでいます。
Further reflections
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本記事の星座は、西洋占星術の方式(春分点を起点に、黄道を12等分するトロピカル方式)で区分しています。天体の位置や、月が星座を移る日時など、天文に関する記述は、標準的な天文アルゴリズムに基づいて計算・検証しています。星座や月にまつわる解釈は、古代から受け継がれてきた西洋占星術と月の象徴の知恵をふまえながら、Timeless Editionが独自の視点で編み直したものです。これらは未来を予言したり、性格を断定したりするものではなく、自分自身への理解を深めるための視点としてお届けしています。身体やアロマ・ハーブに関する記述は、伝統的な占星術における象徴としての対応を紹介するもので、医学的な効果や診断を示すものではありません。体調に不安があるときは、医療機関にご相談ください。