Sagittarius
射手座
射手座(いて座)は、春分点から数えて9番目の星座です。火の星座で柔軟宮、支配星は木星。太陽がここを通るあいだ昼は一年でいちばん短くなっていき、区画の終わりが冬至です。低くなる太陽とは反対に、夜空のいて座は弓を引いた姿で、矢の先には天の川のもっとも濃い流れがあります。
Contents
射手座のテーマ
” I EXPLORE “
全てのものにある真理を思い出す
射手座が思い出していくのは、宇宙の真理です。この宇宙を成り立たせている理は、遠い星にも、道ばたの石にも、自分自身のなかにも、同じように通っています。射手座は遠くへ出かけ、知らない土地や考え方に触れ、学びつづける星座ですが、それは真理がどこか遠くにあるからではありません。出会うもののどれにも同じ宇宙の真理があることを、行く先々で確かめるためです。矢を放った先にも、いま立っている足もとにも、真理は変わらずあります。
射手座の基本データ
項目
射手座
読み
いて座
英語名・記号
Sagittarius ♐️
12星座のなかの順番
9番目
日にち(太陽星座)
11/22〜12/21頃
射手座の新月(月星座)
11/22〜12/21頃
射手座の満月(月星座)
5/21〜6/21頃
2区分
男性宮
3区分
柔軟宮
4元素
火
支配星
木星
体のパーツ
腿(太もも・尻まわりなど)
象徴アロマ
※日付は年によって1日前後ずれます。
射手座とは
射手座は、春分点から240度から270度までの30度、地球から見た太陽の通り道(黄道)を12に分けた9つめの区画です。太陽は毎年11月22日頃にここへ入り、12月21日頃まで留まって、冬至で山羊座へ移ります。北半球では、太陽が射手座にいるあいだ昼はまだ短くなりつづけ、冬至の日に最も短くなります。
小雪(しょうせつ)で射手座に入り、大雪(たいせつ)を過ぎ、冬至で出る。二十四節気で数えると、射手座の区画は小雪と大雪の二つぶんです。名前のとおり、この区画のなかで冬は深まっていきます。小雪と大雪それぞれの季節は、小雪、大雪の記事に、二十四節気の全体は二十四節気のページに書いています。
英語名の Sagittarius はラテン語で「弓を射る者」、ギリシャ語の名トクソテスも同じく射手の意味です。紀元前後のローマの文法家ガイウス・ユリウス・ヒュギヌスの名で伝わる『天文詩』は、この星座を多くの人がケンタウロスと呼ぶが、ケンタウロスは弓矢を使わないので違うという人もいる、と記し、ムーサ(詩と音楽の女神たち)の乳母エウペメの息子、クロトスの話を伝えています。ヘリコン山でムーサたちと暮らした狩人で、弓矢を最初に考え出した人物とされ、ムーサたちの願いでゼウスが彼を星にしたとき、よく馬に乗ったことから馬の腰を、鋭さと速さのしるしに矢を与えた、というのが『天文詩』の説明です。弓を引く半人半獣の姿はギリシャよりずっと古く、バビロニアの星の記録にはパビルサグの名で現れます。
12星座の全体像は、12星座の基本ページにまとめています。
射手座の特徴
射手座の特徴は、ものごとの奥に通っている一つの真理を、あらゆるところに見つけることです。どの天体も、射手座に入ると、目の前の出来事をそれだけで終わらせず、その奥にある大きな理と結びつけます。知らない土地へ出かけるのも、新しい考え方を学ぶのも、違う場所、違う文化のなかに同じ真理を見つけにいく動きです。射手座に言われる楽観は、どこにでも同じ真理があるという前提から、自由を好むところは、真理を一つの場所や一つの見方に閉じこめないところから、率直さは、見えたものをそのまま言葉にするところから出ています。
射手座は男性宮(2区分)
射手座の外向きは、知らないものに自分から会いに行く形をとります。男性宮の天体は内に留めるより外へ働きかけますが、射手座ではその働きが、遠い土地の人、自分の文化の外にある考え、まだ読んだことのない本へと向かいます。場所が変わっても同じ理が通っているかどうかは、実際に出会ってみなければ分かりません。射手座が旅や留学、外国と縁の深い星座とされるのは、この会いに行く外向きのためです。
射手座は柔軟宮(3区分)
秋分から始まった秋は、射手座で冬に渡されます。季節の変わり目に置かれた4つの星座を柔軟宮と呼び、射手座はそのうち、昼がいちばん短くなる冬至へ向かう時期を受けもっています。この位置での柔軟さは、一つの見方に決めつけないことです。信仰も学問も土地ごとの習わしも、入り口はそれぞれ違います。射手座の天体は、その違いのあいだを行き来しながら、どの入り口の奥にも同じものがあるのを見ます。
射手座は火の星座(4元素)
射手座の火は、遠くへ広がる火です。牡羊座で点いた火が、獅子座で燃えつづけ、射手座では燃え移りながら遠くまで届きます。火は届いた先を照らすので、射手座の天体は、行く先々を明るくして、そこにあるものを見えるようにします。照らされた場所で見えてくるのは、どこにも同じ理が通っているということです。射手座の熱意が人から人へ伝わっていくと言われるのも、照らしながら広がるこの火の性質です。
射手座の支配星は木星
射手座の支配星は、木星です。木星は太陽系でいちばん大きな惑星で、伝統の占星術では最も恵み深い天体と見られてきました。2世紀のプトレマイオスは『テトラビブロス』で、木星の家を射手座と魚座に置き、この二つが太陽と月の家(獅子座と蟹座)と調和する形(トライン)にあるためだと説明しています。二つの家のうち、火の側が射手座です。木星は温かく湿った、ものを大きく育てる性質の天体で、射手座ではその大きさが、一つ一つの出来事を大きな全体のなかに置いて見る視野として働きます。細かい違いにこだわらない射手座の大らかさは、違いの奥にある同じものを見ている視野から出ています。
射手座と双子座(向かい合う星座)
黄道で射手座 I explore と180度向かい合うのは、双子座 I communicate です。太陽が射手座に入る小雪と、双子座に入る小満は、半年を隔てて向かい合う節気でもあります。双子座は、身近な世界を知って自分自身に戻る星座です。双子座から見た射手座のテーマ「全てのものにある真理を思い出す」では、「全てのもの」に、今日交わした言葉や、いま入ってきた知らせのような、双子座が身近で集めるひとつひとつも含まれています。宇宙の真理は、遠い星にも手もとの小さな知らせにも同じようにあるので、双子座が知った身近な世界は、そのまま真理に触れる場所です。
射手座と体の部位
伝統的な西洋占星術では、射手座は腿(もも)に対応します。頭を牡羊座、足を魚座として12星座を上から順に体へ当てる地図(メロテシア)で、1世紀ローマの詩人マルクス・マニリウスは『アストロノミカ』で射手座に腿を与えました。17世紀イギリスの占星術師ウィリアム・リリーは『クリスチャン・アストロロジー』で、射手座が受けもつのは腿と尻で、そこにできる瘻(ろう)や腫れ、さらに熱をもった血、熱病、疫病、馬から落ちることや四つ足の獣による怪我、火や熱による害、運動でのやりすぎを挙げています。
このうち熱をもった血と熱病は、体を熱と冷、湿と乾の釣り合いで見る伝統の体質論から読めます。火の星座は熱く乾いた性質、木星は温かく湿った性質に当てられ、射手座では熱が二重になります。木星は伝統では肝臓と血を受けもつ天体で、17世紀イギリスの薬草家ニコラス・カルペパーは『The English Physician(英国の医師)』で、肝臓は血をつくるものと書きました。射手座の受けもちは、木星を通して血の熱まで及びます。反対の性質で均すなら、熱を冷まし、留まった血をめぐらせる向きになります。カルペパーは同じ書で、木星のハーブは木星の受けもつ部位と、蟹座・射手座・魚座のもとにある部位を強め、痛風にもよいと書いています。
射手座とアロマ・ハーブ
カルペパーが木星のハーブとし、「肝臓によく、血をつくる」と書いたのがセージです。射手座と木星が受けもつ血に、伝統の側から当てられたハーブで、現代のハーブ療法では、葉のティーが喉のうがいや、汗をかきすぎるときに用いられてきました。精油は作用が強いので、ごく少量を植物油で薄め、こわばった腿や脚をさするマッサージに使われます。
カルペパーが同じ木星のもとに置いたタンポポ(ダンデライオン)は、肝臓の詰まりを開くとされました。いまも根を煎ったタンポポコーヒーや葉のティーとして飲まれています。現代の対応では、パトリシア・デイヴィスが『アストロロジカル・アロマセラピー』で射手座の精油にブラックペッパーを挙げています。
エッセンシャルオイル・精油
ハーブ
射手座にある天体(太陽・月・惑星)
どの天体も、射手座に入ると、目の前のことの奥に通っている理を見ようとします。太陽が射手座にある11月22日〜12月21日頃の生まれなら、太陽星座は射手座です。本質の光は、学び、問い、知らない世界と出会う場面で、いちばん表に出ます。月が射手座にある人の心は、感じたことをそのままで終わらせず、大きな意味と結びつけていく色合いをもっています。木星なら自分の家に帰った天体として、全体を大きく見渡す働きがそのまま出て、水星なら言葉や考えに、金星なら好きになるものに、奥の理を探す働きが現れます。
FAQ
Q1. 11月22日生まれは、蠍座ですか?射手座ですか?
A. 生まれた日だけでは決まらず、生まれた時刻まで見る必要があります。太陽が蠍座から射手座へ移る瞬間は毎年同じではなく、日にちも時刻も、年ごとに少しずつずれるためです。日本時間では、近年は11月22日のうちに移る年が多く、まれに23日になります。22日に移った年なら、移った時刻より前に生まれた人は蠍座、あとに生まれた人は射手座です。23日に移った年なら、22日生まれは時刻に関わらず蠍座になります。生まれた日時を惑星星座チェックに入れると、その年の時刻で確かめられます。
Q2. 射手座が「学び」や「教えること」と結びつけられるのは、なぜですか?
A. 支配星の木星が、伝統の占星術で、知恵や信仰、法といった、人が生き方の拠りどころにしてきたものを受けもつ天体だからです。17世紀イギリスの占星術師ウィリアム・リリーは『クリスチャン・アストロロジー』で、木星があらわす人として、聖職者や法律家とならべて、大学で学ぶ若い学生を挙げています。射手座は、その木星が支配する火の星座で、季節の変わり目に置かれた柔軟宮です。ひとつの場所にとどまらず、出会うもののどれからも何かを汲みとっていく動きが、学ぶことに重なります。そして射手座は、全てのものにある真理を知りたい星座なので、知ったことはまとまって自分の考えになり、人に伝えたくなります。学ぶことと教えることは、射手座のなかでひとつの流れになっています。
Q3. 射手座と相性のいい星座は、どれですか?
A. 射手座と通じやすいとされるのは、同じ火の星座の牡羊座と獅子座です。西洋占星術では、同じ元素の星座どうしは性質が近く、思い立ったときの熱の高さが合いやすいと考えます。風の星座の天秤座と水瓶座も、火と同じ男性宮で、外へ向かう向きが同じ相手です。向かい合う双子座は、身近なことをひとつずつ知っていく双子座と、全てのものに通じる真理を見ようとする射手座という対で、互いにもっていないものを補い合います。どの組み合わせも、通じ方がそれぞれ違うというだけで、よしあしではありません。
Further reflections
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本記事の星座は、西洋占星術の方式(春分点を起点に、黄道を12等分するトロピカル方式)で区分しています。天体の位置や、月が星座を移る日時など、天文に関する記述は、標準的な天文アルゴリズムに基づいて計算・検証しています。星座や月にまつわる解釈は、古代から受け継がれてきた西洋占星術と月の象徴の知恵をふまえながら、Timeless Editionが独自の視点で編み直したものです。これらは未来を予言したり、性格を断定したりするものではなく、自分自身への理解を深めるための視点としてお届けしています。身体やアロマ・ハーブに関する記述は、伝統的な占星術における象徴としての対応を紹介するもので、医学的な効果や診断を示すものではありません。体調に不安があるときは、医療機関にご相談ください。