Pisces
魚座
魚座(うお座)は、春分点から数えて12番目、12星座の最後の星座です。水の星座で柔軟宮、支配星は木星(現代の占星術では海王星)。太陽がこの星座を抜ける瞬間が春分で、黄道の輪はそこで閉じ、同じ点から次のひとめぐりが始まります。11の星座で身につけてきたものを握ったままにせず、大きな流れへ返していく星座です。
Contents
魚座のテーマ
” I RELEASE “
全てを信じて、ゆだねることを思い出す
release は、握っていた手をひらくことです。こうでなければ、と決めていた形。自分の力でなんとかしようとしていたこと。それをほどいて、流れにまかせます。魚座でそれができるのは、全てを信じているからです。自分のことも、まわりの人のことも、これから起こることも。手をひらいても何も失われず、自分は大きな流れに運ばれている。12の星座の最後に、魚座はその信頼を思い出していきます。
魚座の基本データ
項目
魚座
読み
うお座
英語名・記号
Pisces ♓
12星座のなかの順番
12番目
日にち(太陽星座)
2/19〜3/20頃
魚座の新月(月星座)
2/19〜3/20頃
魚座の満月(月星座)
8/23〜9/22頃
2区分
女性宮
3区分
柔軟宮
4元素
水
支配星
木星(現代式では海王星)
体のパーツ
足(くるぶしから下、足の指など)
象徴アロマ
ベンゾイン(安息香)
※日付は年によって1日前後ずれます。
魚座とは
魚座は、春分点から測って330度から360度まで、地球から見た太陽の通り道(黄道)を12に分けた最後の区画です。太陽は毎年2月19日頃の雨水(うすい)にここへ入り、3月20日頃の春分で牡羊座へ移ります。360度は0度と同じ点なので、魚座の終わりは、そのまま牡羊座の始まりです。
二十四節気では、雨水と啓蟄(けいちつ)が魚座の区画にあたります。雨水は雪が雨に変わるころ、啓蟄は土のなかで冬を越した虫が出てくるころとされる節気です。節気ごとの季節のようすは雨水と啓蟄の記事で、24の節気の並びは二十四節気のページで読めます。
魚座の魚は二匹いて、女神とその子どもだと伝えられています。紀元前後のローマの文法家ガイウス・ユリウス・ヒュギヌスの名で伝わる『天文詩』によると、愛の女神ウェヌス(ギリシャ神話のアフロディテ)と息子のクピド(エロス)がシリアのユーフラテス川のほとりに来たとき、怪物テュポンが突然現れました。二人は川に身を投げて魚に姿を変え、難を逃れます。それ以来、シリアの人々は魚を食べなくなった、と『天文詩』は書き添えています。英語名の Pisces は、ラテン語で「魚」の複数形です。
夜空のうお座は、秋の宵に南の空の高いところにかかる、明るい星のない大きな星座です。そして春分点は、いまこのうお座の星々のなかにあります。地球の自転軸の向きがゆっくり変わるのにつれて星空のなかを動き、およそ2千年前におひつじ座からうお座へ入りました。占星術の牡羊座が始まる点に、夜空ではうお座の星が広がっています。12星座の全体像は、12星座の基本ページにまとめています。
魚座の特徴
魚座の特徴は、自分とまわりを分ける境目をゆるめて、大きな流れにまかせることです。魚座に入った天体は、ものごとを自分の手で押さえておこうとせず、向こうから来るものを通し、行くものを行かせます。境目がゆるいので、相手の気持ちは自分のことのように入ってきますし、形のないものや目に見えないものも、そこにあるものとして感じとります。共感の深さ、想像力、直感、つかみどころのなさ、人のために自分を後回しにするところ。魚座について言われることの多くは、境目を固く引かないこの働きがもとになっています。
魚座は女性宮(2区分)
魚座は、来たものを選ばずに迎え入れます。女性宮は外へ働きかけるより受けとる側の星座で、17世紀イギリスの占星術師ウィリアム・リリーも『クリスチャン・アストロロジー』で、魚座を女性の、夜の星座としています。リリーが魚座の示す場所として挙げたのは、水の多い土地、泉、魚のいる池や川、水車小屋、そして隠者の庵があった場所でした。人の行き来から離れて、静かに水をたたえているところです。魚座の天体は、やって来たものをより分けたり押し返したりせずに受けとります。
魚座は柔軟宮(3区分)
魚座は、冬を春へ、そして一年を次の一年へ渡します。柔軟宮は季節の終わりを受けもつ星座で、魚座では、太陽がここを出る春分に冬が春へ替わります。春分は占星術の一年の区切りでもあるので、魚座では、季節と一緒に12星座のひとめぐりも終わります。リリーは魚座を「二つの体をもつ星座」とも書きました。別々の方角を向いた二匹の魚のように、魚座の天体はひとつの形に決めず、終わっていくものと始まろうとするものの両方に身を置きます。はっきり決めない、流されやすいと言われるのは、この柔軟さの現れです。
魚座は水の星座(4元素)
川は海に入ると、どこからが川の水だったのか分からなくなります。魚座の水は、この海の水です。水の元素が表すのは、感情や、人と人を結ぶ情です。蟹座では身近な人を包み、蠍座ではひとりの相手の奥へ入っていった水が、魚座では相手を限らずに広がり、自分の気持ちと人の気持ちの区別も薄くなります。魚座が慈しみや祈り、音楽や詩と結びつけられるのは、誰のものとも言えない感情を、そのまま受けもつ水だからです。
魚座の支配星は木星(現代式では海王星)
魚座の支配星は、伝統的には木星です。2世紀のプトレマイオスが『テトラビブロス』で木星に与えた二つの星座のうち、火の側が射手座、水の側が魚座です。木星は伝統の占星術で大きな恵みの星とされ、信仰や、ものごとを良いほうに信じる心を受けもちます。その信じる力が、魚座では、身をあずける信頼として働きます。全てを信じてゆだねるという魚座のテーマは、木星の信頼が水の星座で現れた姿です。
現代の西洋占星術では、海王星を魚座の支配星とします。海王星は1846年、天王星の動きのずれをもとに位置が計算され、その予測どおりの場所に見つかった惑星です。目で確かめられる前から、あることが分かっていました。ローマ神話の海の神ネプトゥヌスの名がつき、占星術では、夢や直感、形のないもの、境目が溶けることを表す天体とされています。
魚座と乙女座(向かい合う星座)
魚座 I release から黄道を半周したところに、乙女座 I tend があります。乙女座は秋分の手前、魚座は春分の手前にあって、どちらも昼と夜の長さが並ぶ日に終わります。乙女座は、細部に全てが宿ることを思い出す星座です。その乙女座の側から、魚座のテーマ「全てを信じて、ゆだねることを思い出す」を読むと、信じる相手の「全て」がどこにあるのかが見えてきます。今日の食事、体の小さな変化、手もとの仕事。乙女座が手をかけてきた細部のひとつひとつに、全てはもう宿っています。魚座がゆだねる先は、どこか遠くの大きなものではなく、いまここにある一つ一つです。
魚座と体の部位
伝統的な西洋占星術では、魚座は足に対応します。頭の牡羊座から順に星座を体へ当てていくと(メロテシア)、12番目の魚座は体のいちばん下に来ます。1世紀ローマの詩人マルクス・マニリウスの『アストロノミカ』も、リリーも、魚座に足を与えました。リリーが魚座の不調として挙げたのは、痛風をはじめとする足の痛みや、足が利かなくなること、塩辛い粘液、かさぶた、かゆみ、吹き出物や腫れもの、そして風邪と「湿った病」です。
リリーは魚座を、冷たく湿った、粘液質の星座と書いています。体を熱と冷、湿と乾の釣り合いで見る伝統の体質論では、水の星座は冷たく湿った性質をもち、そこに温かく湿った木星が重なる魚座は、湿りが二重になります。痛風を指す英語 gout は、ラテン語の「しずく(gutta)」から来たことばです。余った体液が関節へしたたり落ちて起こる病だと考えられていました。足の痛みも皮膚の吹き出物も、この見方では、行き場のない湿りが出てきたものです。手当ての原理は反対の性質を当てることで、冷えて湿った足には、温めて乾かすものを用います。
魚座とアロマ・ハーブ
16世紀ドイツの学者ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパは『オカルト哲学』で、12星座それぞれに焚く香を挙げ、魚座には赤いストラックスを当てました。ストラックスは樹脂の香料です。木星の香りの調合には、ストラックスと並んでベンゾイン(安息香)が出てきます。ベンゾインはバニラに似た甘い香りの樹脂で、現代のアロマセラピーでは、ホホバオイルなどの植物油やクリームに混ぜて、乾いてひび割れたかかとや手の手入れに用いられてきました。
魚座の名が出てくるハーブには、アグリモニー(セイヨウキンミズヒキ)があります。17世紀イギリスの薬草家ニコラス・カルペパーは『The English Physician(英国の医師)』で、これを木星のハーブとし、木星と、蟹座・射手座・魚座が受けもつ部位の病を取りのぞくので痛風によい、と書きました。現代のハーブ療法では、おだやかに引き締める働きのあるハーブとして、ティーやうがいに用いられてきました。
エッセンシャルオイル・精油
ハーブ
キャリアオイル
魚座にある天体(太陽・月・惑星)
天体が魚座にあると、その天体の受けもつ場面で境目がゆるみ、流れにゆだねる働きが出ます。2月19日〜3月20日頃に生まれた人は太陽星座が魚座で、本質の光は、人やものごとと溶け合い、信じてまかせるところで表に出ます。金星が魚座にあれば、伝統の占星術で金星が最も高められる位置(高揚)にあたり、好きになる気持ちが、相手を選ばない慈しみへ広がります。月が魚座にある人は、まわりの人の気持ちや場の気配がそのまま流れこんでくる心の色合いをもちます。
FAQ
Q1. 2月19日生まれは、水瓶座ですか?魚座ですか?
A. 生まれた年によって異なります。太陽が水瓶座から魚座へ移る瞬間は、1961年から1996年までは、毎年2月19日のうちにありました。この年代の2月19日生まれは、その時刻より前なら水瓶座、あとなら魚座です。1990年代の終わりからは、4年に一度、移る瞬間が2月18日の夜に来るようになりました。2021年や2025年がその年で、それ以外の年は、いまも19日のうちに移ります。境目に生まれている方は、惑星星座チェックに生年月日と時刻を入れると確かめられます。
Q2. 魚座が「スピリチュアルな星座」と言われるのは、なぜですか?
A. 魚座には古くから、世間を離れた祈りの場所が重ねられてきました。リリーは魚座の示す場所に、水辺とならべて、隠者の庵があった場所を挙げています。19世紀に海王星が見つかって魚座の支配星になると、そこへ夢や直感、目に見えないものという意味が加わりました。もうひとつは順番です。魚座は「私」から始まった12星座の最後にあたり、ひとりの輪郭がほどけて全体にとけこむ段階として読まれてきました。
Further reflections
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本記事の星座は、西洋占星術の方式(春分点を起点に、黄道を12等分するトロピカル方式)で区分しています。天体の位置や、月が星座を移る日時など、天文に関する記述は、標準的な天文アルゴリズムに基づいて計算・検証しています。星座や月にまつわる解釈は、古代から受け継がれてきた西洋占星術と月の象徴の知恵をふまえながら、Timeless Editionが独自の視点で編み直したものです。これらは未来を予言したり、性格を断定したりするものではなく、自分自身への理解を深めるための視点としてお届けしています。身体やアロマ・ハーブに関する記述は、伝統的な占星術における象徴としての対応を紹介するもので、医学的な効果や診断を示すものではありません。体調に不安があるときは、医療機関にご相談ください。