Timeless Edition

Virgo
乙女座

乙女座(おとめ座)は、春分点から数えて6番目の星座です。地の星座で柔軟宮、支配星は水星。太陽がここを通るあいだに夏の暑さは引いていき、秋分がすぐそこまで来ています。夏に実ったものも、夏のあいだに乱れた暮らしも、この時期にはいったん手もとに集まります。乙女座はそれをひとつずつ見分けて、蓄えられる形にととのえる星座で、その目は遠くではなく、手の届く範囲に向いています。

Contents

  1. 乙女座のテーマ
  2. 乙女座の基本データ
  3. 乙女座とは
  4. 乙女座の特徴
  5. 乙女座と体の部位
  6. 乙女座とアロマ・ハーブ
  7. 乙女座にある天体(太陽・月・惑星)
  8. FAQ

乙女座のテーマ

” I TEND”

細部に全てが宿ることを思い出す

乙女座のテーマは、細部です。細部に神が宿る、と言われるように、乙女座が見ているのは大きな計画ではなく、食べるもの、体、部屋、手もとにある仕事の細かいところです。体のちょっとした不調も気分の小さな変化も自分を知らせるサインで、そこに目を離さず手をかけていくと、暮らしの全体が動き、そこに自分が現れます。癒しは先に置く目標ではなく、細部に手をかけつづけた結果です。獅子座で創った世界を、毎日の細部で世話する。それが乙女座です。

乙女座の基本データ

項目

乙女座

読み

おとめ座

英語名・記号

Virgo ♍

12星座のなかの順番

6番目

日にち(太陽星座)

8/23〜9/22頃

乙女座の新月(月星座)

8/23〜9/22頃

乙女座の満月(月星座)

2/19〜3/20頃

2区分

女性宮

3区分

柔軟宮

4元素

地

支配星

水星

体のパーツ

腹部(腸・脾臓など)

象徴アロマ

フェンネル

※日付は年によって1日前後ずれます。

乙女座とは

静かな空に浮かぶ満月と乙女座の記号、「Full Moon in Virgo」の文字

黄道(地球から見た太陽の通り道)を春分点から30度ずつ区切って12の星座を定めるのが西洋占星術の方式で、乙女座はその6つめ、150度から180度までにあたります。太陽は毎年8月23日頃にここへ入り、9月22日頃の秋分で出ていきます。太陽が天の赤道より北にある半年(春分から秋分まで)は、乙女座で終わります。

処暑で乙女座に入り、白露をまんなかに挟んで、秋分で出る。二十四節気で見ると、乙女座の区画はこの3つの節気で区切られています。処暑は暑さがおさまる節気、白露は朝の草に露が結びはじめる節気で、区画の入り口で暑さが引き、なかほどで空気が秋のものに変わります。処暑と白露それぞれの季節は、処暑、白露の記事に、二十四節気の全体は二十四節気のページに書いています。

この星座の乙女は、正義の女神ディケです。紀元前3世紀ギリシャの詩人アラトスは『ファイノメナ(星辰譜)』で、黄金の時代に人間の町に住んでいたディケが、人の世が荒れるにつれて山に退き、青銅の時代に人が剣を鍛えて殺し合いはじめると、地上を去って空に昇ったと語りました。1世紀ローマの詩人オウィディウスは『変身物語』で、この女神をアストラエアと呼び、神々のうち最後まで地上に残った者として描いています。乙女が手にしているのは麦の穂で、この星座でいちばん明るい星スピカの名は、ラテン語で「穀物の穂」を意味します。

12星座の全体像は、12星座の基本ページにまとめています。

乙女座の特徴

乙女座の特徴は、手もとにあるものを細かく見分けて、実際に使える形に整えることです。ものごとを大づかみにしない、というのが乙女座にある天体の癖で、細部に目をやり、使えるものと余分なものを選り分け、役に立つところまで手を入れてから離します。几帳面と言われるのはこの目の細かさ、分析的と言われるのは選り分ける手つき、世話好きと言われるのは、手を入れる相手が自分の外にあるときの姿です。

乙女座は女性宮(2区分)

受けとったものをそのまま置いておかないのが、乙女座の受けとり方です。12星座は男性宮と女性宮が交互に並び、乙女座は女性宮、つまり外へ働きかけるより、来たものを内側で受けて処理する側にあります。17世紀イギリスの占星術師ウィリアム・リリーは『クリスチャン・アストロロジー』で、乙女座が示す場所として、本のある書斎、麦畑、穀物倉、乳製品や穀物を蓄える場所を挙げました。収穫を倉に入れる前に、ひと粒ずつ選り分けて、蓄えられるものだけを残す。乙女座が内側でしているのは、その手仕事です。

乙女座は柔軟宮(3区分)

夏を終わらせる役は、乙女座にあります。双子座・乙女座・射手座・魚座は季節の終わりに置かれた4つの星座で、柔軟宮と呼ばれます。乙女座は夏至から続いた夏を、秋分で秋に渡す位置にあり、この位置での「柔軟」は、方向を変えることではなく、細かく直しつづけることです。暑さがゆるむにつれて、着るもの、食べるもの、一日の使い方を少しずつ調整していく。乙女座の天体が、一度決めたことでも細部を見直しつづけるのは、この季節の渡し方から来ています。

乙女座は地の星座(4元素)

計る、選り分ける、並べ直す、汚れを落とす。地の星座のなかで乙女座が受けもつのは、こうした手入れの側です。同じ地でも、牡牛座が手に取って味わい、山羊座が形にして世に立てるのに対して、乙女座は日々の手入れをします。大きな計画より今日の一手の確かさを取るのが乙女座の地で、現実的と言われる働きは、細かい作業の積み重ねに現れます。

乙女座の支配星は水星

乙女座の支配星は、水星です。水星が支配する星座は双子座と乙女座の二つですが、リリーによれば、乙女座は水星の住まいであると同時に、水星が最も高められる星座(高揚の星座)でもあります。ひとつの天体にとって住まいと高揚の星座が同じ場所になるのは、12星座と7つの天体の組み合わせのなかで、水星と乙女座だけです。水星は言葉、計算、行き来を受けもつ天体で、双子座でその働きが行き来する側に出るのに対して、乙女座では、測る、記す、点検する側に出ます。乙女座の分析の細かさは、この星座で最も強くなる水星の働きです。

乙女座と魚座(向かい合う星座)

乙女座 I tend の真向かい、黄道の反対側にあるのが魚座 I release です。処暑と雨水、夏の終わりと冬の終わりが向かい合っています。魚座は、境目をほどいて全体にゆだねる星座ですが、ゆだねる手前には、手をかけて整えられたものが要ります。乙女座のテーマ「細部に全てが宿ることを思い出す」を魚座の側から読むと、細部に手をかけることと、全てのほうにゆだねることは、ひとつづきの動きだと分かります。乙女座の癒しは、自分の手で全部をやりきることではなく、手をかけた分だけ安心して離せるようになることで、魚座はその先を受けもっています。

乙女座と体の部位

伝統的な西洋占星術では、乙女座は腹部に対応します。頭を牡羊座、足を魚座として12星座を上から順に体へ当てていく地図をメロテシアと呼び、1世紀ローマの詩人マルクス・マニリウスの『アストロノミカ』が乙女座に置いたのは腹でした。胃は蟹座の側で、乙女座が受けもつのは腸を中心にした腹です。17世紀イギリスの占星術師ウィリアム・リリーは『クリスチャン・アストロロジー』で、乙女座の不調として、寄生虫、腹にたまる風(ガス)、疝痛、腸と腸間膜の血管の詰まり、腹の鳴り、腹の病を並べています。

どれも、腹のなかで通るはずのものが通らずに留まる状態です。腸間膜の血管まで名指しされているのは、当時の医学で、腸で吸収された養分がその血管を通って肝臓へ運ばれると考えられていたからで、乙女座は腸そのものだけでなく、受けとった養分を体に渡す道まで受けもつ星座と見られていました。

冷たく乾いた性質を地の星座に当て、水星にも同じ冷たく乾いた質を当てるのが、体を熱と冷、湿と乾の釣り合いで見る伝統の体質論です。乙女座では星座と支配星が同じ側に寄るため、腹の働きが冷えて鈍り、乾いて詰まる方向に傾くと読まれてきました。手当てはその反対で、温めて、通すこと。17世紀イギリスの薬草家ニコラス・カルペパーが『The English Physician(英国の医師)』で水星に当てたハーブには、腹の風を散らし、肝臓や脾臓の詰まりを開くとされるものが多く並びます。

乙女座とアロマ・ハーブ

カルペパーが本文にはっきりと乙女座の名を書いたハーブが、フェンネル(ウイキョウ)です。「水星のハーブで、乙女座のもとにあり、それゆえ魚座と反目する」と書き、魚を煮るときにフェンネルを入れる昔ながらの習慣を、魚が体にもたらす冷たく湿った体液をフェンネルが消すからだと説明しました。乙女座の象徴アロマには、このフェンネルを置きます。現代のアロマセラピーでは、スイートフェンネルの精油は、おなかの張りが気になるときに、植物油で薄めて腹部をやさしくさするマッサージに用いられてきました。ハーブとしては、フェンネルの種を食後のティーにして、消化を助け、張りをやわらげる使い方が知られています。

同じ水星のもとに、カルペパーはディルとパセリも置きました。ディルの種は風を散らす薬に使われ、パセリは胃と腸の風を破り、肝臓と脾臓の詰まりを開くとされています。現代では、ディルの種を煮出した水が赤ちゃんの疝痛に使われてきた歴史があり、パセリは食後の口をさっぱりさせる食卓のハーブです。現代の占星術のアロマセラピーでは、同じくカルペパーが水星に当てたラベンダーや、ペパーミントを乙女座に挙げることもあります。

エッセンシャルオイル・精油

ハーブ

乙女座にある天体(太陽・月・惑星)

乙女座に天体があると、その天体はどの場面でも、細部を見分けて整える働きを帯びます。太陽が乙女座にあるのは8月23日〜9月22日頃で、この期間に生まれた人の太陽星座が乙女座です。本質の光が、ものごとを細かく見て手を入れる形で表に出ます。月が乙女座にある人は、感じたことをこまかく確かめてから受けとる心の色合いをもっています。水星や金星などほかの天体が乙女座にある場合は、その天体の場面で見分ける働きと手を入れる働きが出ます。

FAQ

Q1. 8月23日生まれは、獅子座ですか?乙女座ですか?

A. 太陽が乙女座に入る瞬間、つまり二十四節気の処暑の時刻より前に生まれたか、あとに生まれたかで決まります。処暑の時刻は年ごとに違うので、境目の日の生まれの人は、惑星星座チェックに生まれた日時を入れて確かめてください。

Q2. 乙女座が「健康」や「癒し」と結びつけられるのは、なぜですか?

A. 体の対応と、支配星の水星の二つが重なっているからです。伝統の占星医学では、乙女座は腹、なかでも食べたものを受けとって体に渡す腸を受けもちます。食べたものがどう体に渡るかは、日々の体調を左右するいちばん身近なところです。そして乙女座の支配星の水星は、測る、記す、点検するといった働きを受けもつ天体で、乙女座はその水星が最も高められる星座とされてきました。体の小さな変化に目を配り、日々の手入れを重ねていく、という乙女座の像は、この二つが重なったところから生まれています。癒しは、その細やかな手入れが続いた先にあるものです。

Further reflections

・・・

本記事の星座は、西洋占星術の方式(春分点を起点に、黄道を12等分するトロピカル方式)で区分しています。天体の位置や、月が星座を移る日時など、天文に関する記述は、標準的な天文アルゴリズムに基づいて計算・検証しています。星座や月にまつわる解釈は、古代から受け継がれてきた西洋占星術と月の象徴の知恵をふまえながら、Timeless Editionが独自の視点で編み直したものです。これらは未来を予言したり、性格を断定したりするものではなく、自分自身への理解を深めるための視点としてお届けしています。身体やアロマ・ハーブに関する記述は、伝統的な占星術における象徴としての対応を紹介するもので、医学的な効果や診断を示すものではありません。体調に不安があるときは、医療機関にご相談ください。

Words by Yuki

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