各植物油脂・キャリアオイルの効能

スイートアーモンドオイル(アーモンド油)の効果効能と使い方|美白と保湿効果が抜群!

スイートアーモンドオイルの効果効能

目次

  1. スイートアーモンドオイルのデータ
  2. スイートアーモンドオイルの代表成分
  3. スイートアーモンドオイルの特徴
  4. スイートアーモンドオイルの効果効能
  5. スイートアーモンドオイルの使い方
  6. 手作り石けんとスイートアーモンドオイル



スイートアーモンドオイルのデータ

名前 アーモンドオイル、スイートアーモンドオイル、アーモンド油、Almond oil
学名
  • Prunus dulcis
  • P. amygdalis var. dulcis
  • P. dulcis var. dulcis
  • Amygdalis communis
  • P. amygdalis var. Sativa
科名 バラ科
使用部位 種(仁)
抽出方法 低温圧搾法(コールドプレス、冷搾法、常温絞り)
香り ほんのり甘いアーモンドの香り
薄い黄色
使い心地 少し粘性がある、滑らか
酸化 酸化しにくい (ヨウ素価 95-103)
浸透力 遅いが奥まで浸透
ブレンド 単独にもブレンドにも向いている
肌質 すべての肌質(特に乾燥肌、敏感肌)
部位 ボディー、ハンド、フェイシャル、フットマッサージに。
注意点 アレルギーを引き起こす場合がある。
アーユルヴェーダドーシャ ※1 V- P+ K-
ヨウ素価 95.2 (95-103) ※2
鹸化価(NaOH) 136.8(134-142) ※2
鹸化価(KOH) 191.5(188-200) ※2

※1: V:ヴァータ、P:ピッタ、K:カパ、+:ドーシャを上げる、-:ドーシャを下げる、±:ドーシャに影響しない、=:ドーシャのバランスをとる

アーユルヴェーダの基本

※2: ヨウ素価と鹸化価の値は、下記の成分量をベースに計算した数値です。カッコ内の数字は、一般的に言われている数値の範囲です。これらは同じ植物のオイルでも、原料の種類、地域、抽出方法、商品やロットなど様々な条件によって変化する数値なのでお気を付けください。ヨウ素価と鹸化価の一覧と解説は下記をご覧ください。

鹸化価 ヨウ素価

スイートアーモンドオイルの代表成分

主な脂肪酸(100gあたり)

飽和脂肪酸 8.2g
パルミチン酸 6.5 g
ステアリン酸 1.7 g
一価不飽和脂肪酸 69.9g
オレイン酸 69.4 g
パルミトレイン酸 0.6 g
多価不飽和脂肪酸 17.4g
リノール酸 17.4 g

ミネラル&ビタミン(100gあたり)

コリン 0.4mg
ビタミンE(αトコフェロール) 39.2 mg
ビタミンK (フィロキノン) 7.0µg

※USDA栄養データベースを参照

脂肪酸について、脂肪酸の摂取方法などは下記をご覧ください。

脂肪酸 必須脂肪酸 オメガ脂肪酸 トランス脂肪酸



スイートアーモンドオイルの特徴

一番一般的なキャリアオイルの一つ

アーモンドの木は中東が原産で、現在は北アフリカ、地中海沿岸やカリフォルニアなどの温暖な地域で盛んに栽培されています。どの肌タイプにも使え、顔や体、足、手、どのマッサージにも適しています。とても使いやすいことから、最もよく使用されるキャリアオイルの一つです。初めての人はまずアーモンドオイルから試してみるのもいいでしょう。

安価なオイルには注意

最高級のアーモンドオイルは、50%の油分を含む仁を低温圧搾して得られます。低温圧搾の場合、50%の油分から35%ほどしかオイルが抽出されませんが、とても栄養価が高いです。しかし、安価なものを作るために、高温絞りや薬品を使った溶剤抽出法で抽出される、アーモンドオイルが出回っています。アロマのマッサージには不向きと言われています。

スイートアーモンドオイルの7つの効果効能

皮膚軟化作用、水分保持作用、消炎作用、鎮痒作用など

1. エモリエント効果で乾燥肌を保湿

エモリエント効果とは、皮膚を柔らかくし、水分や栄養分を肌の中に閉じ込める効果のことを言います。アーモンドオイルはその効果に優れているので、化粧品の原料にもよく使われます。乾燥肌の人は特に、肌がしっとりし、ハリが出ます。

2. 美白効果がすごい

アーモンドオイルは美白にも効果的です。メラニン細胞がシミの原因になることはみなさんご存知かと思います。そのメラニン細胞を作る、メラノサイトの育成を抑制する効果がアオーモンドオイルにはあります。また、紫外線に当たった時にメラニンを黒くするチロシナーゼのいう酵素の働きを抑制する効果もあります。

3. 日焼けした肌を鎮静

日焼けをしてしまった肌の炎症を抑える効果があります。日焼け後の夜に、肌に塗布し軽くマッサージをします。ラベンダーを代表とした、消炎作用があるエッセンシャルオイルと一緒に使用すると、更なる相乗効果が期待できます。

日焼け後の肌にいい精油ブレンド

4. 皮膚の炎症を治す

日焼けだけでなく、皮膚炎といった肌の炎症全般に消炎作用があります。

5. 痒みを緩和

湿疹や乾癬、皮膚炎などからくる、かゆみを抑えてくれます。乾燥も同時に緩和させてくれます。

6. 皮膚の奥まで浸透

吸収性に関しては他に比べ遅く、ゆっくりと浸透していくタイプです。しかし、表皮のさらに下にある、真皮まで作用すると言われています。そのため、ゆっくり時間をかけてマッサージをするのに向いています。エッセンシャルオイルやハーブと一緒にマッサージをする場合、より奥まで浸透するので、いいキャリアオイルとしての働きが期待できます。

7. 低刺激なので敏感肌や赤ちゃんにも

アーモンドオイルは刺激が少なく使いやすいため、赤ちゃんや敏感肌の人にも安心して使えると言われています。たまにアレルギー症状が出る場合があるので、パッチテストは必ず行ってください。

スイートアーモンドオイルの使い方

前項の特徴や作用をふまえて、どのように使ったらいいか一例を紹介していきます。

顔:保湿用のクリームに

スイートアーモンドオイルは、浸透力や保湿力があると言われています。そのため顔へ使用する場合は、保湿用のクリームに向きます。さらに使い続けることで美白効果も期待できます。毎日には向きませんが、精油と一緒に顔へのオイルマッサージをたまにすることで、栄養補給ができます。

体:日焼けのケアや炎症のボディーオイル

炎症を抑える効果と、美白効果があるので、日焼け後や炎症などによって熱を持ってしまった肌に向きます。そのまま、若しくは精油を混ぜてボディーオイルとして使用します。もしくはクリームやローションに混ぜて使用するとよりさっぱりします。

手作り石けんとスイートアーモンドオイル

スイートアーモンドオイルは、オレイン酸が主体になるので、石けんのメインのオイルに向きます。単独だとやわらかくなりすぎるので、固さを出す油脂を一緒に入れることは必要です。低刺激で保湿力のある石けんが作れます。

固形石けんの作り方 液体石鹸の作り方




次はこれを要チェック

植物油脂の種類一覧 植物油脂の豆知識 油の酸化 オイルの安全な選び方 精油の作用一覧 ハーブの効果効能一覧 エッセンシャルオイルの使い方一覧




参考文献を見る