お香

天然原料100%で作られるお香は食べられる!|お香の基本と種類

お香とは

お香は仏教の伝来とともに、中国から日本へと伝わりました。「香道」という分野があるほど、香りは日本の歴史を語る上で、欠かせない文化の一つです。ここではお香の基本と、お香の種類をお伝えしていきます。

目次

  1. お香の原料は生薬
  2. お香を使う目的
  3. お香と他の香料の違い
  4. お香の種類



お香の原料は生薬

お香の原料となる植物は殆ど全て生薬です。薬局に行くと漢方薬の原料になっているお香の原料をよく見かけます。例えば、お香の原料によく使用される「桂皮(けいひ)」は、西洋ではシナモンと呼ばれますが、健胃としての生薬にもなります。

お香の原料として使う場合、生薬として使う場合と違って、「香り」がいいことが条件になります。生薬としての効能はもちろん、さらに香りがいい原料になるのでお香で使われる原料は高級になります。さらにその生薬を香りを楽しむものとして贅沢に使用しているのです。鼻から成分を吸い込むことでも効果があるので、お香は香りを楽しむことと同時に、体調を整える効果も期待できます。注意したいことは、今は合成の香料を使って作られたお香が沢山存在します。もちろんその場合は生薬としての効能は期待できませんし、食べることもできません。信頼できるお店で、購入することが大切です。

お香を使う目的

供養

仏教の伝来とともに日本にもたらされたお香は、はじめは仏教儀式の一つとして使用されていました。今でも神社やお寺、自宅でもご先祖様や仏様を供養するために用いられます。

邪気を祓う

これも仏教儀式と関連がありますが、仏様やご先祖様を供養する際に、自分の体の邪気を祓うためにも使用されます。昔は魔除けとして使用されていることもありました。

香りを楽しむ

私たちにとって一番身近な使い方は、香りを楽しむことです。原料を調合して、様々な香りを楽しむ方法は平安時代になって花開いた使い方で、それは日本独特な文化である「香道」として発展していきます。

体調を整える

先ほどお話ししたように、お香の原料は全て漢方でも使われる「生薬」です。お香として鼻から香りを吸い込むことで、生薬としての効果も期待できます。これはアロマセラピーの特徴と似ています。しかし、日本のお香の文化は、そこまで「効能」に特化して調合されたりはせず、純粋に「香り」を楽しむことに焦点あ当てられています。

お香と他の香料の違い

天然の趣

何といっても、お香の一番の特徴は天然の原料のみで作られていることです。(今では合成のものも沢山出まわっていますが。)天然のものは、合成のものとは違う趣があります。とても優美なものもあれば、繊細で日本のわびさびの文化を思わせるものもあります。

ほんのり香る

今香りの主流となっている、合成香料を使った香水や芳香剤の強い香りとは違って、お香はほんのり香ります。すれ違った時にほんのり香る程度です。またはそこにはもういない人が、お香によってその場所にいたことを感じることができたりもします。合成香料の強い香りが苦手だったり、深みのある天然の香りが好みの方にはとても好まれるようです。

長く香る

お香はとても長く香ります。天然で作られたものは、例えばエッセンシャルオイルなどは揮発性が高く、香りが長く続かないイメージがありますが、お香は違います。種類にもよりますが、常温で使用する匂い袋なんかは、数年間、少しずつ香りを変化させながら香りが続きます。その後香りがなくなったら、熱して最後の香りを楽しむこともできます。

植物の効能も取り入れられる

合成の香料と違って、生薬でもあるお香の原料は、その香りを嗅ぐことによって植物自体の効能を体に取り入れることができます。

お香の様々な種類

匂い袋(においぶくろ)

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匂袋は今でも可愛らしいデザインのものをよく見かけます。いくつかの香料を配合し、袋に入れます。箪笥に入れて洋服に香りをつけたり、防虫剤として使用したり、ポーチやバッグの中に入れてほんのり香りを香らせたり、いろいろな使い方があります。

塗香(ずこう)

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塗香は、邪気を祓うために体に塗る粉末のお香です。修行者が体に塗って体を清めたり、お手水舎がないお寺のお参り前に体を清めるために使用したりします。写経を行う際も使用します。

文香(ふみこう)

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文香は、塗香のような粉末のお香を小さな和紙袋の中に入れます。それを手紙に入れて出すと、とてもいい香りも一緒に送ることができます。また、名刺入れに一緒に入れておくだけでも、名刺にいい香りがほんのりつきます。

線香(せんこう)

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お香の中で一番馴染み深いものはお線香なのではないでしょうか。今ではお部屋で香りを楽しむためにも使用されますが、元来はご先祖様などの供養のために主に使用されるものです。経文を唱えたり、坐禅を組む時間を計るためにお線香を使用したので、その時間によってお線香の長さや太さが変わりました。

練り香(ねりこう)

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粉末にした原料を配合し、炭と蜜を加え丸めたものを練香と言います。お香の中でも一番原料の香りの良さを引き出せる方法だと言われています。作ってからしばらく熟成させてからが、一番香りがいい時期です。間接的に熱を加え、主にお茶の席で使われます。

焼香(しょうこう)

お通夜やお葬式で必ず見たことのあるものが焼香です。仏様や死者に対して香を焚いて供養します。香木などを細かく刻んで混ぜたものを使用します。




次はこれを要チェック

匂い袋の作り方 お香の天然原料一覧