Aroma,  エッセンシャルオイルの使い方

乳化剤の種類と、乳化剤を使ったクリームの作り方の基本

乳化剤を使ったクリーム

クリームには色々な種類があります。しっとりして保湿重視なもの、さっぱりしているもの、ふわふわなもの・・・。そのほとんどで、水分と油分を混ぜるための乳化剤が使われています。ここでは商品として売られているような、乳化剤を使ったクリームの作り方の一番基本となるレシピと、乳化剤についてお伝えしていきます。

目次

  1. クリームの作り方の基本
  2. 乳化剤のを使うことの利点と注意点
  3. 乳化剤の種類
  4. 何に使える?クリームを使った応用レシピ



クリームの作り方の基本

ingredients

材料 ※約50ml分

  • 蜜蝋: 2g
  • キャリアオイル: 15g (※ここではココナッツオイルを使用)
  • 乳化剤: 3g (※ここではパーム乳化ワックスを使用)
  • ハーブ浸剤、またはフローラルウォーター: 40ml
  • 精油: 3滴

器具など

  • 保存用容器
  • 耐熱容器 2個
  • 湯煎用なべ
  • ミニ電動クリーマー
  • 温度計
  • ゴムベラ
  • 計量器

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directions

1.蜜蝋・キャリアオイル・乳化剤を混ぜたものと、ハーブの浸剤(またはフローラルウォーター)を別々の耐熱容器に入れ、湯煎にかける。完全に液体になるまで溶かす。(60℃~80℃程が目安)

完全に液体になる温度は、使う乳化剤の種類によっても異なります。蜜蝋は大体65℃位が融点です。乳化剤の量は、種類によって全体の何%が適切かが異なる場合があります。(大体2~5%程の割合で入れます。)その場合は使用する乳化剤の特徴に応じ調整してください。

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2.蜜蝋・オイル・乳化剤が完全に溶け液体になり、浸剤(またはフローラルウォーター)と同じ位の温度になったら、2種類を混ぜ合わせる。

水分が多いほど、柔らかいクリームになります。お好みで調整してください。加熱の必要が無い乳化剤の場合は、ここからはじめてください。

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3.電動クリーマーで混ぜる。すぐに油分と水分が乳化しはじめ、白くクリーム状になってくる。

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4.程よいクリーム状の硬さになったら精油を加える。保存用の容器に移して保管する。

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乳化剤を使ったクリームの利点と注意点

乳化剤は、界面活性剤です。天然由来の成分と言われている乳化剤があるものの、ありのままを使っているわけではないので天然と言えるかは難しいところです。合成界面活性剤も存在します。どこまで天然にこだわるかによって、乳化剤を使うかは気を付けたほうがいいでしょう。乳化剤をきちんと理解して、使うか使わないかの判断をしてください。乳化剤を使わないクリームの作り方は下記へ。

天然100%クリームの作り方

乳化剤を使う利点

乳化剤は、通常混ざらない水分と油分を混ぜ合わせる働きがあります。そのため、乳化されたクリームを使うと、同時に水溶性の成分と脂溶性の成分を両方取り入れることができます。また、オイルよりはベトベトすることがないのに、水分だけよりもしっとりさせることが出来ます。オイルなのに水でさらっと流せるのも乳化剤のおかげです。

乳化剤の注意点

利点はあるものの、乳化剤は界面活性剤です。天然由来の原料といわれるものでも、天然そのものではありません。それが一概に悪いわけではありませんが、実際に乳化剤が肌に合わない人がいることも事実です。また、乳化させて作るクリームは、化学的に水分と油分の性質を変化させるものです。そのため、とことん天然の成分にこだわる方や、敏感肌の方などは十分に考慮して使うべきものと言えます。




乳化剤の種類

乳化剤の中で、手作りの原料によく使われるものがいくつかあるので紹介します。

レシチン

レシチンは大豆由来の成分です。乳化剤として利用できます。液体やパウダーがあります。より腐敗しにくくするために、水素添加されたレシチンもあります。天然にこだわっている方は、水素添加していないレシチンを乳化剤として使うのが一番おすすめです。

エマルシファイングワックス・植物乳化ワックス・パーム乳化ワックス

主にパームオイルを原料として作られた乳化ワックスです。天然由来といっても、成分はセチルアルコールとポリソルベート60となります。ポリソルベート60は食品の添加物としても使用されている合成界面活性剤です。

オリーブ乳化ワックス

オリーブオイル由来の、セテアリルオリベイトとソルビタンという成分でできている非イオン系の植物性乳化ワックスです。比較的刺激が少ないと言われています。

ヒマワリ乳化ワックス

ヒマワリワックスとポリアクリル酸ナトリウムという成分でできている乳化ワックスです。油分10%まで乳化できます。上2つの乳化ワックスとは違って、熱を加えなくても乳化できることが最大の特徴です。比較的さっぱりしたクリームができます。

ポリソルベート20

ココナッツオイルを由来とする非イオン性界面活性剤です。親水性が高いので、水が主成分の原料を乳化させたい時に使用します。乳液や精油を使った化粧水、さっぱりしたクリーム等に向きます。熱を加えなくても乳化できます。

ポリソルベート80

ポリソルベート20とは反対に、親油性が高い非イオン性界面活性剤が原料の乳化剤です。そのため、油分がベースの原料を乳化させたい時に使用します。水で流せるようなクレンジングオイルやバスオイルに向きます。熱を加えなくても乳化できます。

乳化をさせたクリーム、何に使える?

乳化剤を使ってできたクリームが、応用してどのように使えるか、一例を紹介していきます。

ハンドクリーム

このタイプのクリームで一番使いやすいのがハンドクリームです。ます最初にチャレンジするとしたら、ハンドクリームおすすめします。乳化剤が肌に合うかも分かりやすいですし、使い心地を試しやすいです。

ボディークリーム

ボディークリームとしても使えます。オイルのみを使用するとべたつきが気になる場合は、この乳化させたクリームを使用するといいかもしれません。水分と油分の割合によって、よりしっとりさせることも、さっぱりさせることもできます。

ヘアクリーム

髪をセットするときにしっとりさせるためのクリームとして使えます。直接肌につけるわけではないので、お気に入りの香りを少し多めに入れて、髪の香りづけにも向きます。

ヘアクリーム・ヘアオイルの作り方

ヘアパック

髪を洗う前に、髪全体に塗布し、パックとしても利用できます。オイルのみのヘアパックよりも使いやすくなります。

ヘアパックの作り方

フェイスクリーム

乳化剤が肌に合えば、フェイスクリームとしても利用できます。水溶性と脂溶性の成分をたっぷり含ませたクリームを作ることが出来ます。

乳液・化粧水

水分を多めに乳化させることで、乳液や化粧水としても利用できます。精油を水分に溶かしたい時にも乳化剤が重宝します。

バスオイル

オイルをベースにして作れば、バスオイルも作れます。オイルだけで作るバスオイルよりさっぱりとし、水に馴染み、落としやすくなります。

バスオイルの作り方

日焼け止め

日焼け止めも乳化させて作ることが出来ます。UV効果が高いオイルと、ハーブ、精油を上手く組み合わせることができるので、相乗効果を得ることが出来ます。

天然の日焼け止めとSPF値 日焼け後の肌にいい精油ブレンド




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