Ayurveda,  アーユルヴェーダの基本概念

アーユルヴェーダの歴史と重要な文献・テキスト

アーユルヴェーダの起源

アーユルヴェーダ(Ayurveda)とは、サンスクリット語のayus(=life, 生命)と、veda(=knowledge, 知識)という言葉が組み合わさった言葉です。日本語では生命の科学とも訳されます。そこには医学だけでなく、科学や哲学、儀式の概念も含まれています。人だけではなく動物のことや、死後のことも書かれています。約5000年前が起源ともいわれるインドの膨大な知識の源「ヴェーダ」の一部です。

目次

  1. インド哲学「ヴェーダ」とは?
  2. アーユルヴェーダの歴史と重要文献
  3. アーユルヴェーダの内容

インドの哲学「ヴェーダ」とは?

ヴェーダ(Veda)は簡単に言うと、知識の源といわれる「音」と言われています。約5000年前に、その音を聞くことができた聖者(リシ)たちによって伝えられてきました。詳しくはヨーガ哲学のページをご覧ください。ヴェーダは、聖者ヴャーサによって分かりやすく4分割されました。

  1. リグ・ヴェーダ
  2. ヤジュール・ヴェーダ
  3. サーマ・ヴェーダ
  4. アタルヴァ・ヴェーダ

アーユルヴェーダに関しての知識は、リグ・ヴェーダの一部にも含まれますが、殆どがアタルヴァ・ヴェーダに含まれています。アーユルヴェーダはアタルヴァ・ヴェーダに付随する医術をまとめたウパヴェーダ(ヴェーダの付随的・応用的知識をまとめたもの)です。そのため、第5のヴェーダとも言われています。

アーユルヴェーダの歴史と重要文献

アーユルヴェーダが5000年前から現在までどのように伝わってきたのでしょうか。簡単にまとめた図がこちらです。その下の説明ではカタカナで読み方を書くのが難しいので、本来の発音と異なるかもしれませんがご了承ください。

神々によって伝わる知識

アーユルヴェーダについては、まだ文字になる前、ブランマ神によって全て記憶されていました。図の一番上に書いてある神様です。ブランマ神はアーユルヴェーダの一番初めの師と考えれています。その後ブランマ神からダクシャ・プラジャパティ(Daksha Prajapathi)というブランマ神の息子であり王に伝わります。そこから双子で医師の神であるアスウィニ・クマラス(Aswini Kumaras)に伝わります。更に神の王と呼ばれるインドラ(Indra)へ知識が受け継がれていきました。インドではインドラ神に健康の祈りを捧げます。ここまでは神様のレベルでアーユルヴェーダの知識が受け継がれています。

賢者によって受け継がれる

更にインドラから薬学の知識はバラドワジャ(Bharadwaja)に伝わり、外科の知識はダンワンタリ(Dhanwantari)へ伝わりました。彼らは賢者と呼ばれる人間です。 バラドワジャ はアーユルヴェーダの師、 ダンワンタリはアーユルヴェーダの神と呼ばれています。インドでは、アーユルヴェーダの医師たちは、施術をする前にダンワンタリに祈りを捧げます。

始めて文字に。3つの重要文献

そこから色々な文献が書かれるようになります。その代表的な文献が次の3つです。この重要な3つをまとめてBrihatrayiと言います。

チャラカ・サンヒータ(Charaka Samhita)

薬学の知識を持つバラドワジャの生徒であったアグニヴェーシャ(Agnivesha)がによって書かれました。後にチャラカによって改訂され、ドリダバラ(Dridabala)によって再編集されました。最も古いアーユルヴェーダのテキストで、紀元前1000年に書かれたといわれています。8部と120章からできています。主に一般医療について述べられています。

シュスルタ・サンヒータ(Susrutha Samhita)

紀元前600年ごろに、外科の知識を持つダンワンタリの生徒であるシュスルタによって書かれ、ナガルジュナ(Nagarjuna)によって再編集されました。6部と186章からできていて、主に外科について述べられています。

アシュタンガ・ヒリダヤ(Ashtanga Hridaya)

紀元後500~600年ごろに、ワッハタ(Vagbhata)によって書かれました。6部と120章でできていて、アーユルヴェーダの基礎が書かれています。ワッハタは、チャラカ・サンヒータとシュスルタ・サンヒータから編集したアシュタンガ・サングラハ(Ashtanga Sangraha)という本も書いています。

次に重要な3つの文献

さらに後の時代に書かれた、二番目に重要な文献が3つあります。これらをまとめてLaghutrayiといいます。

Madhava Nidana

Madhavaによって病気の原因についてまとめられた文献です。

Sarngadhara Samhita

Sarngadharaによって薬の作り方や薬理学についてまとめられた文献です。

Bhavaprakasha

Bhavaprakashaによって今までになかった新しい病気についてまとめられた文献です。

Kasyapa Samhita

上記3つのほかに、Kasyapaによって小児科についてまとめられた重要文献です。

アーユルヴェーダの内容

アーユルヴェーダの分野

アーユルヴェーダは8つの主な分野があります。内科、小児科、精神科、耳鼻咽喉科・眼科、外科、毒物科、老化防止、生殖系です。そのほかにも、錬金術、婦人科、薬理学といった分野もあります。生命の科学といわれているように、命に関するあらゆる分野が含まれます。

アーユルヴェーダの最終目的は壮大だった

アーユルヴェーダの目的はきちんと明記されています。 アシュタンガ・ヒリダヤによると、それは

「ダルマ(調和)、アルタ(富)、カーマ(欲)、モークシャ(解脱)」

です。周りに調和した自分の役割を全うしながら富を得て、欲望を叶える。そして最後は欲望からも解放された解脱へ到達することです。ただただ肉体を健康にする医学ではないということが分かりますね。

そもそもヴェーダの哲学は、私たちが幸せになるためにどう生きたらいいかの哲学です。アーユルヴェーダはその中でも特に健康にフォーカスした分野です。といっても、現代の医学のように肉体を切り離しては考えず、私たちの心や魂と一体化したものとして考えます。そのため、アーユルヴェーダを通じて、体である物質的な部分だけでなく、感情や道徳的な部分を熟達させることがゴールになります。ちなみにアーユルヴェーダと切り離すことができないヨーガは、精神的な部分を熟達させるのに役立つのでとても相性がいいです。物質的、感情的、道徳的、精神的、これら4つの熟達をし、幸せになることがアーユルヴェーダのゴールであり、ヴェーダ哲学の教えです。

本当に信じていいの?

アーユルヴェーダの歴史をさかのぼっていくと、神様に行きつきます。そんな知識が理にかなっているのか、とても不思議です。現代の科学ではまだ検証されていないために、論理的に説明できていないだけで、本当に病気が治ってしまうことが沢山あります。あとから検証してみてやっと理由が明らかになることが沢山あるとアーユルヴェーダのドクターは言います。事実、アーユルヴェーダは今やWHO(世界保健機関)にも正式に認められている医学です。バランスを重視しながら自然に健康になっていくアーユルヴェーダ式の健康法はどんどん広がっています。

アーユルヴェーダの概念を理解するには

アーユルヴェーダの観点からの世界の本質を理解するには、ヴェーダの哲学を学ぶことが基本です。ヨーガも同じ哲学がもとになっているのでつながっています。この世界は、永遠で無限のたった一つの真実しか実在しません。その真実とは何か?そして私たちが体験している世界はどのようにしてできているのか?ということが説明されています。アーユルヴェーダによく出てくる五大元素はどのようにしてでき、どのようにこの世界に影響しているかもわかります。わかりやすく説明したタットヴァボーダという文献について、このサイトでまとめていますので、ご覧ください。

インド・ヨーガ哲学

次はこれを要チェック

アーユルヴェーダの基本や、日常生活への応用のまとめは下記へ

アーユルヴェーダの基本 アーユルヴェーダの応用

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