節句・雑節・暦注|旧暦をマスターする

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節句と雑節

旧暦には、季節を表す二十四節気と七十二候の他に、様々な注意書きが記載されていて、それを暦注(れきちゅう)といいます。既に二十四節気と七十二候の詳細でお伝えしているように、二十四節気に対応する「中気」や「節気」は暦注の一つです。その他にも、節句(せっく)・雑節(ざっせつ)と呼ばれる暦注が記されて、それらは暦注のなかでも重要視されています。今でも1/7に食べる七草粥、3/3の桃の節句や、お彼岸など、今の私たちの生活にも馴染んでいるものが沢山あります。今までなんとなくしか理解していない部分も多いと思いますが、きちんとした意味があります。

目次

  1. 五節句
  2. 雑節
  3. その他の暦注
  4. 暦注まとめ

 






 

五節句

日本では、奈良時代以前から、様々な節句が存在していました。節句の日に宮廷では宴会が行われ、それを節会と呼びました。平安時代になると多くの節句の中でも5つを特に重んじられるようになり、江戸時代になると幕府がその5つを公的な祝日として定めました。それが今も残る5節句になります。もとは旧暦の日付でしたが、新暦に移行した後は、旧暦の日付をそのまま新暦に移行してしまったために、季節感がずれてしまっています。たとえば、新暦の3/3の桃の節句の時に桃は咲いていません。なので、本来の季節感を感じるためには、旧暦の日付と照らし合わせるといいです。

人日(じんじつ)・七草の節句 1/7

一年の無事を願う日

中国では年の初めに占いの習慣があり、正月の1日に鶏、2日に犬、3日に羊、4日に猪、5日に牛、6日に馬、7日に人、8日に穀、を天気によって占う風習がありました。1/7の「人日」はまさに人の日で、邪気を祓い、一年の無事を祈るために七草粥を食べたと言われています。ここでの七草は春の七草で、芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)です。旧暦の1/7は新暦でいうと2月前半にあたります。そのため旧暦の1/7をそのまま新暦に移行したために、天然の春の七草をこの時期に食べられることはありません。

上巳(じょうし)・桃の節句 3/3

女の子の幸せを願う日

桃の節句は、中国からの文化と日本の文化が融合して今でも続いている行事です。古代の中国では、上巳の日=三月上旬の巳の日に皮で身を清め、そのあとに宴を行う風習がありました。一方、日本には、身代わりとして災いを一緒に持っていってもらうために、人形を川や海に流す風習がありました。それらが融合し、発展し、上巳の節句の時にひな人形を飾り、女の子の幸せを願う行事になりました。旧暦の3/3はちょうど桃が咲きはじめる頃で、桃の節句とも言われました。

端午(たんご)・菖蒲(しょうぶ)の節句 5/5

男の子の健康を願う日

五月は昔から縁起の悪い月とされ、厄を払うために、クセのある菖蒲やよもぎを軒につるしたり、菖蒲湯に入る習慣がありました。そのために菖蒲の節句とも言われます。その菖蒲の読みが、武士を尊ぶ意味の「尚武」と同じことから、江戸時代以降に5/5は男の子の成長と出世を願う日になりました。今では3/3の女の子を祝う桃の節句と並び、男の子の健康と幸せを願う「こどもの日」となっています。

七夕(しちせき)・笹の節句 7/7

願い事を祈る日

七夕はご存知の通り、おり姫(織女星)とひこ星(牽牛星)が一年に一回出会える日です。これは中国の伝説が奈良時代に日本に伝わったものです。その伝説と日本に既にあった伝説や行事と結びつき、今では7/7に笹に願い事を飾ると願いがかなうと言われるようになりました。

重陽(ちょうよう)・菊の節句 9/9

長寿を願う日

陰陽思想の中で「9」は陽であり、それが重なるため9/9は「重陽」と呼ばれます。とても縁起のいい日と考えられていました。菊が花開く時期で、菊を飾ったりしていたため、菊の節句とも言われます。日本では栗の収穫時期とも重なるため、栗の節句とも言われます。

 

雑節

雑節(ざっせつ)は、もとは昔の人の長い経験から生まれた、太陽暦的な事項をこよみに反映したものでした。季節や気候と密接に関係していて、農耕や社会生活の目安となっていました。科学的・天文学的な要素が強いです。現在は、雑節は東京天文台で計算され、毎年2/1の官報で発表されます。

節分 2/4頃

邪気祓いの日

本来節分は、四季が始まる、立春・立夏・立秋・立冬の前日を指しました。今では旧暦でいうと一年の始まりである立春の前日、つまり一年の最後の日のみを言うようになりました。きせつの変わり目は邪気が生じるという考えや、新年に前年の厄を持ち込まない、といった考えから、節分には邪気除けをする風習がありました。今では日本独特の文化が混ざり、「鬼は外、福は内」と言いながらまめを投げ、邪気を祓い、豆を年の数だけ食べる、という習慣になりました。

初午(はつうま)

商売繁盛・家庭円満を願う日

立春を過ぎて初めての午(うま)の日に、稲荷詣をする風習です。 和銅4年(711年)の2月の最初の午の日に、伏見稲荷神社の祭神が伊奈利山へ降りたとされ、そこから初午の日に稲荷詣をするようになったと言われています。この時期の豊作を願う習慣と一緒になり、今では商売繁盛を願い、お参りをするようになりました。

彼岸(ひがん)

ご先祖様の供養の日

春分・秋分の前後3日間を含めた各7日間をお彼岸と言います。春分の前後を春のお彼岸、秋分の前後を秋のお彼岸とも言います。ご先祖の供養を行う仏事が行われます。

社日(しゃじつ)

春は豊作を祈り、秋は収穫に感謝する日

社日は、春分・秋分に近い戌(つちのえ)の日になります。特に、春の社日を春社(しゅんしゃ、はるしゃ)、秋の社日を秋社(しゅうしゃ、あきしゃ)と言います。生まれた土地の神様を祀る日です。その土地の産土神をお参りし、春は豊作を願い、秋は収穫を感謝します。

土用(どよう)

体調に気を付ける期間

四立である立春・立夏・立秋・立冬の直前18日間が土用です。今では夏の土用しか認知されなくなっています。ちょうど各季節の移り変わりの時期にあたり、体調を崩しやすいため、栄養のある鰻などを食べる習慣があります。今では特に夏の土用の期間中にある丑の日を土用の丑の日と言います。

盂蘭盆会(うらんぼえ)・お盆

ご先祖様の供養の日

本来は旧暦の7/15を中心に、7/13-16をお盆と言いました。 正式名称は盂蘭盆会と言います。7/13に迎え火をし、ご先祖様を迎え、16日に送り火をし、ご先祖様のお見送りをします。今は大体8/13-16がお盆と言われますが旧暦とのずれを大体一カ月とし、そのころがお盆と言われるようになりました。地域によっては、新暦の7/13-16をお盆としたり、旧暦の7/13-16をお盆とするところもあります。

八十八夜(はちじゅうはちや) 5/2頃

霜の被害が多い日

立春から88日目の日を八十八夜といいます。この頃は遅霜が発生する時期で、農作物に被害がある場合があるので、注意をするために作られた雑節と言われています。一方で、八十八夜に摘まれた茶葉は上質とされ、長生きすると言われていました。

二百十日 9/1頃

台風が多い日

立春から210日目の日を二百十日といいます。この頃は台風が多いとされ、農作物の収穫のために注意を喚起する暦注です。

二百二十日 9/11頃

台風が多い日

立春から220日目を二百二十日といいます。二百十日と同じく、台風が多くやってくるため、農作物の収穫のために注意を喚起する暦注です。

入梅(にゅうばい) 6/11頃

梅雨入りがはじまる季節

太陽黄経が80度の日を入梅といいます。古くは、芒種のあとの最初の壬(みずのえ)の日のことを指しました。 この時期から徐々に梅雨入りがはじまるとされていました。

半夏生(はんげしょう) 7/2頃

梅雨が明けはじめる季節

太陽黄経が100度になる時を半夏生と言います。古くは夏至から11日目を指しました。 半夏と呼ばれる毒草が咲き始める時期で、この頃になると梅雨が明けると言われていました。

 

その他の暦注

節句や雑節の他にも暦注は沢山あります。その中でも重要なものを紹介します。

春節(しゅんせつ) 旧暦1/1

旧暦の元旦のことです。中国では今でも春節と旧正月を大切にします。

小正月 旧暦1/15

旧暦の15日は満月です。年が始まって初めての満月を祝う日でした。この日に小豆粥を食べました。

四万六千日 旧暦7/10 

この日に社寺にお参りに行くと、4万6千日分の功徳があると言われています。

八朔(はっさく) 旧暦8/1 

朔日(さくじつ)とは一日という意味で、八朔は8/1になります。この頃に早稲の穂が実るので、お世話になった人へ穂を送る習慣がありました。そのため、田の実の節句とも呼ばれます。そこから日頃の恩にお礼をする日になりました。

中秋の名月 旧暦8/15

秋の澄んだ空に見える名月を祝う日です。さといもの収穫時期にもあたるので、芋名月とも言われます。

十三夜 旧暦9/13 

中秋の名月の後にも名月を楽しむ習慣がありました。9/13の満月より少し前の月を十三夜といい、栗が旬のため栗名月とも言われます。その二日後の十五夜と合わせて二夜(ふたよ)の月と呼ばれ、一緒に楽しみます。

誓文払(せいもんばらい) 旧暦10/20 

商売人が日頃のウソや罪を払い、罰を受けないよう神様にお祈りをする日です。この日にバーゲンが行われます。

顔見世(かおみせ) 旧暦11/1

一座の役者が全員そろってお客さんに挨拶をする日です。

一の酉(いちのとり)

旧暦の11月初めての酉の日を一の酉といいます。11月に酉の日が3回ある年は、火事が多いと言われていました。

報恩講(ほうおんこう) 旧暦11/2

浄土真宗の親鸞の忌日に行われる法要のことです。

七五三 旧暦11/15

数えで3歳、7歳の女の子と、5歳の男の子の成長を祝う行事です。

歳の市 旧暦12/14

お正月用品を取りそろえる日です。

御用仕舞い 旧暦12/28

一年の仕事納めの日です。

 

暦注まとめ

 

五節句
人日(じんじつ)・七草の節句 1/7
上巳(じょうし)・桃の節句 3/3
端午(たんご)・菖蒲の節句 5/5
七夕(しちせき)・笹の節句 7/7
重陽(ちょうよう)・菊の節句 9/9
雑節
節分(せつぶん) 2/4頃
初午(はつうま) 立春後最初の午の日
彼岸(ひがん) 春分・秋分の前後3日間を含めた各7日間
社日(しゃじつ) 春分・秋分に近い戌(つちのえ)の日
土用(どよう) 立春・立夏・立秋・立冬の直前18日間
盂蘭盆会(うらんぼえ)・お盆 8/13-16
八十八夜(はちじゅうはちや) 5/2頃
二百十日(にひゃくとおか) 9/1頃
二百二十日(にひゃくはつか) 9/11頃
入梅(にゅうばい) 6/11頃
半夏生(はんげしょう) 7/2頃
その他の暦注
春節(しゅんせつ) 旧1/1
小正月(しょうしょうがつ) 旧1/15
四万六千日(よんまんろくせんび) 旧7/10
八朔(はっさく) 旧8/1
中秋の名月 旧8/15
十三夜(じゅうさんや) 旧9/13
誓文払(せいもんばらい) 旧10/20
顔見世(かおみせ) 旧11/1
一の酉(いちのとり) 旧暦の11月初めての酉の日
報恩講(ほうおんこう) 旧11/2
七五三(しちごさん) 旧11/15
歳の市(としのいち) 旧12/14
御用仕舞い(ごようじまい) 旧12/28

 

 

 

次はこれを要チェック

下記は旧暦の二十四節気、七十二候、雑節、月の満ち欠け、月星座を網羅したカレンダーです。

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