脂肪酸とは?|意味、種類、化学式の基本

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脂肪酸とは

脂肪酸とは、カルボキシ基[-COOH]を有する有機酸のことを言います。一般的に油脂は、脂肪酸とグリセロールが結合してできています。オリーブオイルやアーモンドオイルなど、私たちにとって馴染み深い多くの植物油がこの構造になっています。特定の油脂の中にどんな脂肪酸がどれくらいの割合で含まれているかが、その油脂の大きな特徴になります。そしてこの脂肪酸が、私たちの体内で大切な働きをする有効成分になります。ここでは脂肪酸の意味と種類、構造のまとめをしていきます。

目次

  1. 脂肪酸の種類
  2. 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の種類
  3. 脂肪酸の化学式を理解する

 






 

 

脂肪酸の種類

植物油に含まれる脂肪酸は、脂肪酸は大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。それは脂肪酸の中に二重結合があるか無いかの違いになります。さらに不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の2つに分けられます。二重結合が1個か、2個以上かの違いです。二重結合の意味はこのページの下に説明があります。

飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸

 

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

具体的にどのような脂肪酸があるのか、一部の例を挙げています。二重結合の数は、下の表にある数値表現の右の数字を見ます。飽和脂肪酸のステアリン酸には二重結合がないので、C18:0となっています。二重結合が1個あるオレイン酸は、C18:1となっています。C4やC6・・といった数字は、分子式からもわかるように、その脂肪酸に含まれる炭素(C)の数になります。詳しい分子式と数値の見方は、このページの下をご覧ください。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸とは、分子式の中に二重結合が一つもない脂肪酸のことをいいます。二重結合がないということは、安定しています。つまり、酸化しにくく、固い性質があります。飽和脂肪酸についてはさらに詳しく下記で説明しています。

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脂肪酸 分子式 分子量 数値表現
ブチル酸 C4H8O2 88 C4:0
カプロン酸 C6H12O2 116 C6:0
カプリル酸 C8H16O2 144 C8:0
カプリン酸 C10H20O2 172 C10:0
ラウリン酸 C12H24O2 200 C12:0
ミリスチン酸 C14H28O2 228 C14:0
ペンタデシル酸 C15H30O2 242 C15:0
パルミチン酸 C16H32O2 256 C16:0
マルガリン酸 C17H34O2 270 C17:0
ステアリン酸 C18H36O2 284 C18:0
アラキジン酸 C20H40O2 312 C20:0
ベヘン酸 C22H44O2 340 C22:0
リグノセリン酸 C24H48O2 368 C24:0

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸とは、分子構造の中に、1つ以上の二重結合がある脂肪酸のことを言います。二重結合が多いほど、不安定になります。つまり、酸化しやすく、さらっとしたオイルになります。体内で変換されやすいので、不飽和脂肪酸は私たち人間にとってとても重要な栄養源の一つです。不飽和脂肪酸についてはさらに詳しく下記で説明しています。

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一価不飽和脂肪酸

一価不飽和脂肪酸は、不飽和脂肪酸のなかでも特に1つの二重結合をもつ脂肪酸のことを言います。モノ不飽和脂肪酸とも言います。飽和脂肪酸よりは酸化しやすいですが、さらに多くの二重結合をもつ多価不飽和脂肪酸よりは安定しています。

脂肪酸 分子式 分子量 数値表現
ミリストレイン酸 C14H26O2 226 C14:1
パルミトレイン酸 C16H30O2 254 C16:1
オレイン酸 C18H34O2 282 C18:1
イコセン酸(ゴンド酸) C20H38O2 310 C20:1
エルカ酸 C22H42O2 338 C22:1
ネルボン酸 C24H46O2 366 C24:1

多価不飽和脂肪酸

多価不飽和脂肪酸は、2つ以上の二重結合をもつ不飽和脂肪酸のことを言います。多価不飽和脂肪酸が多い油脂の場合、とても酸化しやすくなるので注意が必要です。しかし、私たちの生命に必要な必須脂肪酸である、α-リノレン酸やリノール酸はこの中に含まれていて、非常に大切な脂肪酸です。

脂肪酸 分子式 分子量 数値表現
リノール酸 C18H32O2 280 C18:2
α-リノレン酸 C18H30O2 278 C18:3(ω3)
γ-リノレン酸 C18H30O2 278 C18:3(ω6)
ステアドリン酸 C18H28O2 276 C18:4
ジホモ–γ–リノレン酸 C20H34O2 306 C20:3
アラキドン酸 C20H32O2 304 C20:4(ω6)
エイコサテトラエン酸 C20H32O2 304 C20:4(ω3)
ドコサジエン酸 C22H40O2 336 C22:2
アドレン酸(ドコサテトラエン酸) C22H36O2 332 C22:4

 

脂肪酸の化学式の表し方基本

化学のことは全く分からない、という方のために、脂肪酸の化学式の表し方の基本を説明します。化学的な観点から植物油や栄養素を学ぶときに分かりやすくなります。オレイン酸の例を挙げていきます。

脂肪酸の元素

脂肪酸を構成している元素は炭素(C)、水素(H)、酸素(O)です。炭素(C)は結合の手を4本、水素(H)は1本、酸素(O)は2本持ちます。

分子構造

オレイン酸の分子構造は下のようになります。数字は炭素(C)の数を示しています。9番目と10番目の炭素(C)の間の=は二重結合を表します。

二重結合とは?

普通は原子同士が一本の手で結合していますが、二重結合の場合、二本の手で結合しています。ここでは9番目と10番目の炭素(C)のところで、水素(H)が2つ少ない分、二重結合になっています。

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簡易的な分子構造

上の分子構造をもう少し簡単に表すと次のようになります。上の炭素(C)を山形の角で表しています。二重結合は山が平らになったような形で表されます。

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分子式

上の分子構造をさらに記号で表すと次のようになります。

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さらに簡単にこれを数値で表すと、「CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COOH」、これらを全部まとめて「C18H34O2」となります。さらに簡単な表現の場合、「C18:1」や「18:1」、「C18:1(n-9)」、「18:1(ω9)」などと表します。18は炭素(C)が18個あることを示し、1は二重結合が1個あることを示します。nやωはオメガを表し、二重結合が何番目の炭素(C)でおきているかを示します。オメガに関しては「オメガ脂肪酸とは」のページをご覧ください。

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脂肪酸の分子量

脂肪酸の分子量は、構成するすべての原子の原子量を足したものになります。原子量は、炭素(C)は12、水素(H)は1、酸素(O)は16となります。そのため、オレイン酸C18H34O2の分子量は、12×18 + 1×34 + 16×2 =282になります。

 

 

 

次はこれを要チェック

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参考文献を見る
@Depositphotos.com/ JamaL1977a

 

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